米国ミズーリ州のセントルイス大学(SLU)がキャンパス内の寮・アパート全室にAmazon Echo Dotを設置した。アメリカの大学での一括導入としては初の試みという。2018年の春に学内のパイロットプログラムで複数の音声アシスタント搭載のスマートスピーカーがテストされ、最終的にAmazon Echo Dotが選ばれた。
単にAmazon Echo Dotを各部屋に設置しただけでなく、専用のAlexaスキルが用意される。専用スキルは、セントルイスの学生が必要とする質問に答えられるよう作られており、例えば、キャンパス内の図書館が何時に閉まるのか、キャンパス内のイベント、学生団体、サークルの情報など大学固有の100以上の質問に対応しているという。
キャンパス内に設置されたAmazon Echo Dotの台数は2,300台。すべてのデバイスはAlexa for Businessで一括して設定・管理が行われる。
大学でのAlexaの利用において、プライバシーが考慮された運用となっているのは注目だ。部屋に設置されたAmazon Echo Dotは個人アカウントで運用せず大学の共有デバイスとして運用される。個人の発話内容や音声データは匿名化されるため大学が個人を特定することはないという。また必要に応じてEchoをミュートすることもできるし、不要であれば電源を入れないことも許されている。
一方、個人のアカウントではないため、パーソナライズしたサービスが活用できないというデメリットもある。例えば音楽サービスなどは自分のプレイリストで好みの曲を聞くことはできない。現状ではiHeartRadioとTuneInのスキルでラジオストリーミングのみが利用可能となっている。
なお、個人所有のAmazon EchoやGoogle Homeの活用も、2018年秋以降キャンパス内のWi-Fi環境を整えた上で利用可能にするという。これでAmazon MusicやSpotifyも使えるようになるし、個人の予定確認や音声ショッピングなども自分のデバイスならば問題なくできるようになる。
なお、このEcho Dotの導入は大学の授業料の値上げにはならないという。
Source:Saint Louis University


