三菱地所とサイバーエージェントがホテルでロボホンとPepperの活用実験 朝食時の下げ善など日本独自の文化を多国語で案内

「ホテル従業員が行っているお客様対応の一部をロボットが代替することによる、より一層充実したご案内体制構築の実現」はできるのか。また、「ロボットの対話や振る舞い方など、ロボットが人間に対する効果的なコミュニケーションの形」はどのようなものか。

三菱地所グループのホテル統括会社である株式会社ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツ(ロイヤルパークホテルズ)は、2019年6月7日に開業した「ザ ロイヤルパーク キャンバス 大阪北浜」にて、利用者へ情報提供を行うコミュニケーションロボットを6月8日(土)から30日(日)の期間で試験的に導入し、実証実験を行うことを発表した。

同プロジェクトは、三菱地所株式会社と株式会社サイバーエージェントが共同で取り組む実証実験の一環であり、ホテルの朝食会場内に、デジタルサイネージと併せて2体のコミュニケーションロボット「RoBoHoN(ロボ ホン)」「Pepper(ペッパー)」を設置。
朝食を利用する宿泊者に対し、それぞれのロボットが声掛けと 情報伝達の役割分担を行い、デジタルサイネージの情報を効果的に提供する他、様々な案内を、デジタルサイネージのみならず、コミュニケーションロボットを併用して行うことで、情報伝達が利用者の行動にどう繋がるのかを検証する。

なお、既に、実証実験の第1弾として、4月に三菱地所グループの複合施設「サンシャインシティ(東京・池袋)」にて、「Sota(ソータ)」を活用した実証実験を行っており、今回は第2弾の実施となる。




日本文化の案内を多国語で

ホテルの朝食会場内に「RoBoHoN(ロボホン)」と「Pepper(ペッパー)」の2体を設置。センサーと連動しており、人が近づいた際に声掛けと案内の役割を分担しながら、お客様自身での下膳を促す。
日本語に加え、下膳の文化に親しみのない海外の方に向けた案内も英・中の2か国語にて行う。同実証実験により、ロボットの呼びかけの有無でセルフでの下膳行為に与える影響の差や、ロボットが発信することに対する顧客の印象やサービスへの発展性を検証する。

内容 ホテルへのコミュニケーションロボットの導入
実験期間 2019年6月7日(金)~30日(日)
設置場所 ザ ロイヤルパーク キャンバス 大阪北浜内 キャンバスラウンジ(朝食会場)
ロボットの役割 【RoBoHoN(ロボホン)】 朝食会場にきた宿泊者に挨拶などの声かけや、朝食終了後の下げ膳の案内を行う。
【Pepper(ペッパー)】朝食会場内に設置予定であるサイネージのコンテンツ(朝食終了後の下げ膳のお願い・下げ膳の美意識を伝えるイメージ動画・大阪の観光案内・ホテルブランドオリジナルグッズ)の紹介や、利用者とのコミュニケーションを通して「下膳をする環境であること」の伝達を実施。また、デジタルサイネージの放映を行わない時間は、宿泊者とのインタラクションにより情報提供を行う。


コミュニケーションロボット設置イメージ(CANVAS ラウンジ:朝食提供会場)




コミュニケーションロボット活用についての両社の取り組み

サイバーエージェントはこれまでも、大阪大学大学院基礎工学研究科との共同研究講座にて、ロボットなど対話エージェントによる接客対話の自動化に関する研究開発を、また、三菱地所は、「ロボットを活用した豊かな街づくりに向けた取り組み」を積極的に推進し、人手不足等の社会課題を解決すべく様々な施策を進めている。

両社は、人手不足時代の到来やインバウンドの増加を見据えた接客現場でのロボット活用について、ロボットならではのコミュニケーションの可能性を検証する接客対応の共同実証実験を通じて、サービス提供側・顧客側双方の視点からロボット導入のメリットの評価を行い、三菱地所ではよりお客様に満足いただけるご案内体制の構築に、サイバーエージェントではロボットを活用した接客ソリューションの開発に活用していくと述べている。

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ロボスタ編集部

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