熊本県とNEC 阿蘇火山博物館のVR体験コンテンツを充実 観光客の増加へ
熊本県では、2016年に発生した熊本地震や阿蘇中岳噴火の影響で落ち込んだ観光客の回復に向けて、様々な観光振興策を講じている。そのひとつが、阿蘇火山博物館でのVR体験サービスで、昨春より開始した。火口のライブ映像をVRコンテンツとして体験できる日本初のサービス「阿蘇山上火口VR体験サービス」などが好評で、利用者は1万人を突破した。これを受けてこの度、阿蘇火山博物館で提供しているVR体験サービスについて、2020年1月25日より、「恵みの水を巡る」篇と「壮大な自然を空中散歩」篇の2つのコンテンツを拡充することを2020年1月14日に発表した。
NECと連携
熊本県と公益財団法人 阿蘇火山博物館久木文化財団、日本電気株式会社(NEC)は、阿蘇市・阿蘇地域における「安全・安心かつ持続可能なまちづくり」の実現と、阿蘇市の観光促進を目指し、2018年7月に包括連携協定を締結しており、阿蘇火山博物館とNECとの連携により、2017年3月に策定した「阿蘇山上観光復興ビジョン」と同年9月に策定した「第2次 阿蘇市総合計画」に基づき、AI・IoTをはじめとする先進技術などを活用した災害対策や観光振興の強化に取り組んでいる。
同サービスは、阿蘇山火口に設置されたチタン製一体型超高感度フルHDカメラのライブ映像をリアルタイムに画像処理し、ダイナミックで臨場感溢れるVRコンテンツとして提供するもので、利用者は、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着し、表示される阿蘇山火口のライブ映像を現地で観ているかのごとく体験できる。また、阿蘇中岳火口見学エリアからでは観ることのできない火口内の湯だまりの現在の様子や、普段見ることのできない夜間の火口内における赤熱現象も観ることが可能だ。
https://jpn.nec.com/press/201903/20190312_01.html
熊本県、観光及び教育旅行向けに阿蘇ジオパークをリアルに体験できるVR体験サービスを開始
https://jpn.nec.com/press/201904/20190419_01.html
新たに提供するVR体験サービス
今回新たに提供するVR体験サービスは、阿蘇の豊富な水資源をテーマに自然の恵みを学び、水源地を巡る「恵みの水を巡る」篇と、カルデラ誕生の解説と併せてドローンで撮影した火口を体感する「壮大な自然を空中散歩」篇の2つだ。
とりわけ、「恵みの水を巡る」篇は、阿蘇最大の自然資源のひとつであり、カルデラ大地がつくりあげた湧水群をテーマにしたもので、視聴者を水にまつわる観光地へと誘う内容になっている。また、VR体験のコンテンツ、視聴方法、注意点を解説する紹介VTRを新たに用意するとともに、ヘッドマウントディスプレイを6台から12台へ増やし、VR体験の環境を一層整備した。
同県では、阿蘇の魅力を様々な角度から観光客へ伝えるとともに、紹介した観光地へと足を運んでもらえるよう、引き続き阿蘇火山博物館でのVR体験をハード・ソフトの両面から充実させていくとしている。このようにICTの効果的な活用を進めることで、地域固有の観光資源の魅力を一層引き出し、観光産業のさらなる振興を図るとしている。
また、NECも、社会ソリューション事業に注力する中、今後もICTを活用した地域経済の活性化に貢献していくと述べている。