株式会社ATOUN(アトウン)と厚生労働大臣認定の健康増進施設「ピノスけいはんな」は、歩行支援用のパワードウェア プロトタイプ「HIMICO」(ヒミコ)を活用することで、遠隔地から自宅などでのトレーニングをより高度にサポートできるリモートフィットネスシステムを開発したことを発表した。
トレーナーがユーザーのアシストや負荷を加えられる
開発したシステムでは、オンライン会議ツールとHIMICOを連携。HIMICOに内蔵されているセンサーにより、ユーザーの動きや動作の回数などのアクティビティデータを取得して数値化・グラフ化し、ユーザー自身だけでなく、離れた場所にいるトレーナーにもリアルタイムで共有する。
トレーナーは映像だけではわかりづらい部分をデータによって補完しつつアドバイスを行い、リモートでHIMICOを操作してユーザーの運動にアシストを加えたり、負荷を加えたりし、筋力トレーニングや有酸素運動を的確かつ効果的にサポートする。
トレーニングの対象ユーザーは、マシンや自体重ではトレーニングできない低体力者から、フィットネスクラブに通っているユーザーまで幅広く対応。運動負荷や運動速度を細かに設定できるため低体力者も段階的に体力アップにつなげることができる。
「トレーニング内容」
・筋力トレーニングと有酸素運動
「主な特徴」
・運動負荷や運動速度を細かに設定できるため段階的に体力アップできる・
・動作状況や運動負荷が可視化されるため、ユーザー自身は変化を意識しやすく、インストラクターも正確に状況・状態を把握できる
・体力や体調に合わせたトレーニングができる
・インストラクターと一緒に取り組むことができるので継続しやすい
・グループでも実施でき、モチベーションを維持しやすい
・パワードウェアのサポートを通じて、使っている筋肉を意識しやすい
・上半身も同時に動かすことでバランスが良い全身運動ができる
「具体的効果」
・筋力アップ
・歩行速度アップ
・柔軟性アップ
・最大酸素摂取量アップ
日々の歩行を支えるパワードウェア プロトタイプ「HIMICO」
HIMICOは日々の歩行を助ける目的で開発された着るロボット。トレーニング用に専用のアプリとの連携機能を搭載。同社によると、坂道歩行で最大19.0%、階段の上りでは最大17.8%、砂地の歩行では最大30.7%の支援効果が確認されている。
健康寿命を延伸するためには、歩行を含めた運動が重要
超高齢社会において健康寿命を延伸するためにはフレイルへの対策が必要とされ、これまでも歩行を含めた運動の重要性が指摘されてきた。昨今の新型コロナウイルスへの感染予防意識の高まりから、今後は自宅や隔離された部屋での運動が重視されることが予想される。今回の開発では、このような状況下で求められる「リモートコミュニケーション」「正確な運動状況の把握」「個人の体力や体調、目標に合わせた細かなトレーニング」といった課題を念頭においてるという。
加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像。
今後は、社会情勢などを見きわめつつ、できるだけ早い時期のサービス提供をめざしていくとしている。
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。