ドコモ 月額1万円のAI受付サービス「おくだけレセプション」無人の受付ブースにIPadと周辺機器をおくだけ【新型コロナ対策】

株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)が、タッチ操作と音声で直感的に操作できるAI受付サービス「おくだけレセプション」の提供を開始した。
このサービスは対話型AIサービス「ドコモAIエージェントAPI」を活用したもので、「iPad」と周辺機器を置くだけで工事なしでAI受付サービスを開始できるのがポイント。
また、利用料は導入企業の規模や利用頻度にかかわらず月額1万円(通信費別)。初期導入費用もかなり抑えられているという。


コロナで不在の受付の代替を皮切りにオフィスソリューションを狙えるか

「おくだけレセプション」の特徴は以下の通りだ。
1.携帯回線を活用するためiPadと周辺機器をおくだけで簡単に利用が可能な「簡単設置」
2.タッチ、音声による直感的な操作と抽象的な要求にも対応するAI接客
3.取次業務負担を削減する「置くだけレセプション」から担当者携帯回線への直電機能
4.ドコモオフィスソリューション連携によるさらなる機能拡大


導入しやすい初期、運用コスト

このようなシステムの導入を検討する際にまず求められるのは導入コスト、運用コストの低さだろう。
現在、働き方改革や新型コロナウイルスの影響で、無人受付の需要が高まっているが、システムの導入コストや受付システムの担当者の負担が大きく導入に踏み出せていない企業がまだまだ多い。
しかし、携帯キャリアであるドコモが提供するだけあって携帯回線をベースに組まれたこのシステムは工事なども不要、シンプルな機能に絞っているため、導入、運用コストを抑えることが出来ているのだという。


直感的なUIとメンテナンスしやすいAI応答


では、そのシンプルな機能とはどのようなものだろうか。上記の写真を見るとわかるように、従来からあるタッチ操作での部署、担当者の検索が可能。また、音声での呼び出し機能が付加されている。
VUIを用いることで目的までの操作のショートカットがしやすいことに加え、コロナ禍ということもあり、不特定多数が物に触れる機会を減らすことが出来るのもメリットとなるだろう。
そして、特筆すべきは「ドコモAIエージェントAPI」の音声認識機能と自然対話機能を使うことで、訪問者の抽象的な要求にも対応することが可能な点だろう。
GUI化された対話シナリオを作成ツールやQAリストから対話シナリオを自動生成する機能などを活用すれば、ユーザー側でも問い合わせ対応クォリティをあげていく事ができそうだ。


既存のサービスと連携させることでさらにコストを削減可能な交換システム

そして、この受付UIを通して担当者を検索したあとに必要になる部分が、担当者への交換業務だ。「おくだけレセプション」は直接担当者の外線をコールすることが出来、内線に関してもドコモが提供する内線通話サービスと連携することが可能、ということなので交換業務は大幅に削減することが可能だろう。その他にも、ドコモが提供するエンタープライズ向けクラウド電話帳サービスと連携させることで人事異動に伴う情報更新作業なども大幅に軽減することが出来るので、自動受付システムを導入したあとの運用コストや更新コストなどを考えた場合にドコモのシステムをパッケージとして導入する企業が増えてくるかもしれない。


研究開発、法人部門を横断した新しい開発体制

この「おくだけレセプション」はドコモの研究開発部門・法人部門が組織を横断して顧客の課題解決に乗り出す「トップガン」という取り組みによって創出されたという。
自社の持つ複数のオフィス向けソリューションを、それぞれと連携可能で安価なAI受付サービスを開発することで商品価値をあげ、コロナというアクシデントでポッカリと空いた受付業務を突破口に売り込んでいくというのはなかなかおもしろいアプローチだ。
これからもドコモのAI資産の活用とトップガンの取り組みに注目していきたい。

サービス名 おくだけレセプション
利用料金 初期費用:23万円(機材費+セットアップ作業費)※
月額利用料:1万円
(通信料別)
対象企業 受付をもつ企業、問合せ対応の必要なホームセンターなど全国の法人企業
対応端末 iPad(第7世代)

※台座・セキュリティワイヤーや什器手配に必要な費用は含まれてない。

ABOUT THE AUTHOR / 

梅田 正人

大手電機メーカーで生産技術系エンジニアとして勤務後、メディアアーティストのもとでアシスタントワークを続け、プロダクトデザイナーとして独立。その後、アビダルマ株式会社にてデザイナー、コミュニティマネージャー、コンサルタントとして勤務。 ソフトバンクロボティクスでのPepper事業立ち上げ時からコミュニティマネジメント業務のサポートに携わる。今後は活動の範囲をIoT分野にも広げていくにあたりロボットスタートの業務にも合流する。

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