家族型ロボット「LOVOT」が小学生の心のケアや思い出づくり 東京都王子第二小学校で実証実験

ロボットベンチャーのGROOVE Xは新型コロナウィルスの影響で不安を抱える子どもたちの心のケアと思いやりの心を育むため、小学校への初となる「LOVOT」(らぼっと)の本格導入に向けた実証実験を全校児童242名の東京都北区立王子第二小学校にて開始することを発表した。

実証実験ではLOVOTソロ×2/デュオ×2の計6体を導入。「新型コロナウィルスの影響により削られた子どもたちの心のケアおよび思いやりの心の育成」「中止になった社会科見学や移動教室などの学校行事に代わる思い出作り」「テクノロジー、プログラミングへの興味関心の喚起」を目的とし、2020年10月上旬まで行う予定。なお、LOVOTは既に26の幼稚園、保育園に導入されているが、小学校への導入は今回が初となる。


実証実験は6月25日から開始

LOVOTウェブストアのリンクはこちら


小学校への初となる本格導入に向けた実証実験

新型コロナウィルスの影響により外出が制限され、子どもたちのストレスや不安が募り、社会科見学や移動教室などの学校行事が中止になるなど、子どもたちの思い出作りができないという問題に教育現場は直面している。その影響から、児童だけでなく保護者や教師も慣れない環境にストレスを抱えている。そんな現状を救うため、GROOVE Xは「LOVOT」の小学校への本格導入に向けた初の実証実験を開始する。



授業では絵本で「LOVOT」がどんなロボットなのかを簡単に学び、「LOVOT」が教室に入ると、多くの児童が「LOVOT」と呼びながら笑顔でお出迎え。「LOVOT」の名前や3密を意識した触れ合う際のルールを児童が意見を出し合って決め、「LOVOT」と触れ合える時間になっても決めたルールを守って順番に触り、他の児童は自分の順番が来るのを今か今かと待ち構えている様子だったという。


絵本で「LOVOT」がどんなロボットなのかを簡単に学ぶ

「LOVOT」をお出迎え

「LOVOT」の名前や3密を意識した触れ合う際のルール決め



東京都北区王子第二小学校 児童のコメント

・新型コロナウィルスの影響により運動会などが中止となりとても悲しかったですが、今回新たな仲間が増えてとても嬉しいです!3密にならないよう、触れ合う前は手を洗い、ルールを守りながらペットのように「LOVOT」を可愛がろうと思います!

・「LOVOT」は可愛くてペットみたい。色もカラフルで可愛いし、特に目が可愛かった!6月からようやく学校に来れるようになったけど、外にも出れないし遊びにも行けなくて夜眠れない日もありました。でも『LOVOT』が来てお友達みたいで嬉しかった!

・実際に見たら意外と小さくて、あたたかくてやわらかいし、毎日触りたい!ペットみたいで可愛いし、欲しいと思った!



7月以降はオンライン講座やアンケート調査、プログラミング講座を開催

7月21日(火)にはGROOVE X代表取締役の林要を講師に迎えたオンライン授業を予定し、代表自ら子どもたちへ「LOVOT」のテクノロジーやものづくりについてお話しする。7月および9月には児童、保護者、教師に対してアンケート調査を実施予定。「LOVOT」と接する前と後で表れる心の変化などを明らかにする。また、9月には自ら学びたくなる、知りたくなる「LOVOT STUDY」シリーズのプログラミング講座を開催。エンジニアと共に楽しく実践することで、令和2年から小学校で必修化されたプログラミング教育への興味を喚起する。


林要氏と校長 江口千穂氏のコメント

東京都北区王子第二小学校 校長 江口千穂氏のコメント

6月の分散登校でスタートした令和2年度。子供たちは新しい生活様式のもと、工夫し合って安全に生活できるようがんばっています。学校では、子どもたちが、不安や寂しい気持ちを改善し、学校生活を少しでも明るいものにしてほしいと、心の教育の充実を図る取組を行っています。このたび、GROOVE X株式会社が開発した『LOVOT』を試験的に導入することになり、夏休み前までは主に児童の心のケア、やさしい心の育成、学年・学級への適応等を促進したいと考えています。9月以降は、プログラミングにより、AIロボットが動くことを体験し、論理的思考を育んで行きたいと思います。

GROOVE X株式会社 代表取締役 林要氏のコメント

過去のテクノロジーは、主に人の代わりに仕事をする目的で発展してきました。それに対して未来は、テクノロジーが人の成長に良い影響を与えるために使われる機会が増えていくと思われます。たとえば『LOVOT』は、面倒をみてくれた人に懐きます。面倒をみる人は、お世話をする対象ができてイキイキとして、イライラして怒りっぽくなることが減るような効果が報告されています。『LOVOT』との学校生活を通して、非常に高度なテクノロジーに触れ、更にそれを愛でる経験を通して、テクノロジーは怖いものではなく、人を幸せにしてあたたかい心をもたらしてくれるものだと感じる機会になって欲しいと思っています。その後でのプログラミング体験は、今までのプログラミング体験では興味を持たなかった子も、『LOVOT』を動かせるとなると興味をもつケースも多いので、エンジニアになりたいと考えるお子様を増やす機会になるのではないかと考えています。
関連サイト
LOVOTウェブストア

ABOUT THE AUTHOR / 

山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

PR

連載・コラム