AIロボットが高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上を支援 ハタプロ「ズック」が武田病院グループ施設内で実証実験へ

AIロボットベンチャーの株式会社ハタプロは高齢社会における持続可能な地域づくりに貢献するため、AIロボットによる高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上支援プログラム「オーラル(口腔)フレイル予防プログラム」を武田病院グループと連携のもと、京都市産業観光局および京都高度技術研究所の支援を受け、研究開発に取り組んでいる。その一環として、11月10日、13日、18日、20日、25日の計5日実証実験を行うことを発表した。


実証実験内容

「オーラル(口腔)フレイル予防プログラム」では武田病院グループが提供する医療介護技術および関連情報を学習したAIロボット「ZUKKU」(ズック)が、ユーザーと対話形式でおこなうフレイルチェックおよび、口腔機能トレーニングを搭載。利用者の状態やレベルに合わせて提供内容の変更が可能なため、ユーザーは無理なく継続することができる。

実証実験では武田病院グループ施設内の65歳以上の高齢者(延べ25名程度)を対象とし、AIロボットとの対話と画像認識結果によるアドバイス提供する他、AIロボットの音声案内に従い、オーラルケア(「パタカラ体操」、「頬の運動」、「唾液腺マッサージ」)を実施する。所要時間は約20分。(同プログラムは京都市の「スタートアップによる新型コロナ課題解決事業」に採択されている)




プロトタイプを武田病院グループと共同開発

ハタプロは京都高度技術研究所主催の京都の医療従事者から臨床ニーズの発表を行う「京都臨床ニーズマッチング会」(2019年11月22日開催)において、武田病院グループとAIの共同研究を行い、地域社会の課題解決に取り組むことで同意。その研究の一環として、ハタプロが製造・販売をおこなうAIロボット「ZUKKU」(ズック)に搭載されている自動対話技術と画像解析技術を応用し、武田病院グループが提供する医療介護技術及び関連情報を学習させた「オーラル(口腔)フレイル予防プログラム」のプロトタイプを開発し、今回実証実験を開始する。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、口腔機能訓練など、フレイル予防対策の取組が難しくなってきている。オーラル(口腔)フレイル予防プログラムでは、コロナ禍における高齢者のオーラル(口腔)フレイル発症リスク軽減や医療・福祉施設の人手不足解消及び働き方改革の促進のため、実証実験を通して、システムの改善を行い、高齢者のQOLの向上を目指す。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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