AIで注目のトピックはOpen AIが開発した「GPT-3」、自然言語/画像/映像などの分野でAIは更に飛躍へ 松尾豊氏 年頭所感

ディープラーニングなどのAI技術によって日本の産業競争力の向上を目指している日本ディープラーニング協会(JDLA)は、2021年の年頭にあたり、理事長の松尾豊氏による年頭所感を発表した。

松尾氏は、在宅時間の増えるコロナ禍をオンラインでの学習の機会と捉え、認定事業者の協力を得てオンラインの講義コンテンツを無償で提供したり、G検定の受験料を半額にしたことなどに触れた。また、ディープラーニングの分野で昨年の大きなトピックの1つは、Open AIが開発した「GPT-3」(まるで人間が書いたような文章を生成する言語モデル)とした。
更に、AIはウェブやDB、UI/UX、SaaS関連など、他の技術と連携して価値を提供する実用化が進んでいることも指摘した。以下、松尾氏の年頭所感の全文(章見出しのみ編集部で追加、冒頭の写真 日本ディープラーニング協会 理事長:松尾豊氏、東京大学大学院工学系研究科 教授(2020年に発表の写真)。


日本ディープラーニング協会理事長 松尾豊氏 2021年 年頭所感



G検定・E資格の受験者数は約5万人に増加

皆様、あけましておめでとうございます。

昨年は、コロナ禍により社会全体が大きな変化を余儀なくされた年でした。人々の日常生活や仕事に大きな影響があり、さまざまな産業セクターに負の影響がありました。一方で、テレワークやオンライン会議が普及し、デジタル庁の設置が決まるなど、デジタルに関しての浸透が一気に進んだ年でもありました。

日本ディープラーニング協会では、在宅時間の増えるコロナ禍をオンラインでの学習の機会と捉え、「認定事業者の協力を得てオンラインの講義コンテンツを無償で提供する」、「G検定の受験料を半額にする」などの活動を展開しました。結果として、一昨年までは累計で約2万人だったG検定・E資格の受験者数は、昨年末までに累計で約5万人まで拡大しています。
高専DCONも大きく躍進しました。一昨年と比べて倍に近い数のチームがエントリーし、決勝戦では大変レベルの高い争いが繰り広げられ、その模様はNHK Eテレ“サイエンスZERO”で2回に渡って放送されました。また、昨年度の上位入賞のチームのうち2チームが実際に起業に至ったのは、事業創出コンテストとして大きな躍進です。

ディープラーニングの分野で昨年の大きなトピックの1つは、Open AIが開発したGPT-3だったでしょう。かつてないほどの大規模なtransformerのモデルは、自然言語処理分野でさまざまな驚くべき実例を生み出しました。また、自己教師あり学習の威力を改めて見せつけ、画像や映像における応用にも大きな可能性を開きました。2021年は、こうした分野でさらに大きな進展が期待できると思います。


AIは他の技術と連携して価値を提供するフェーズに

2つ目の大きなトピックは、2020年はディープラーニングを含むAI技術の立ち位置が問い直される年であったことです。2019年ごろから顕著になってきましたが、企業におけるデジタル化、さらには業務改革全体のなかで、AIがその部分的な役割を果たすという立ち位置がより明確になってきました。
そういった意味ではディープラーニングとAIは、さまざまな他の技術と組み合わせてはじめて大きな価値を社会に対して提供できるものであると考えます。他の技術とは例えば、ウェブやDB・UI/UX・SaaS関連技術などのIT技術を指します。
もともと本協会では、ビジネス層をターゲットとしたG検定や産業活用促進の取り組みを重点的におこなってきましたが、社会全体でこうした取り組みのニーズが高まっていると感じました。

2021年は、以上2つの流れがさらに加速することでしょう。日本全体でデジタル化が進み、そのなかで重要な技術としてAIならびにディープラーニングがますます社会の中に浸透してくると思います。また、GPT-3のようなディープラーニングの技術起点の新たなイノベーションが起こることも引き続き大変楽しみです。

本年も日本ディープラーニング協会は日本全体の産業競争力に資するため、人材育成・産業活用の促進・政策の提言等、さまざまな活動を加速させていく予定です。引き続き協会へのご支援・ご指導を賜れますようお願い申し上げます。新年が皆様方にとりまして良い年となりますようにお祈りいたします。

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ロボスタ編集部
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