カメラを使うVisual SLAM「ZIA SLAM」DMPが提供開始 ロボットの眼となる映像ソフトウエア、機器の高性能化・コスト低減に

株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル(以下、DMP)は低速車両やドローンなどの自動走行・自律移動の実用化を促進している企業。この度、カメラ画像やセンサー情報を用いて、自己位置推定と環境地図作成を同時に行う「Visual SLAM」(Simultaneous Localization and Mapping)技術のソフトウエア製品「ZIA SLAM」の提供を開始した。「NVIDIA Jetson AGX Xavier」をリファレンスプラットフォームとしてサポートしている。

今回DMPが開発したZIA SLAMはLiDARを用いたSLAM技術と比較して安価と言われている「カメラを用いたVisual SLAM技術」によるソフトウエアで、高精度且つ高速に動作し、ユーザーの機器の高性能化、コスト低減に貢献する。また、ロボットアプリケーション用のソフトウエアプラットフォームであるRobot Operation System(ROS)の最新バージョン「ROS2」をサポートすることで、システムへの組み込みを容易にしている。


オフィス内をZIA SLAMで自律走行するRoboCar

PC画面(RoboCarのTrajectoryをビジュアライズした画面)

さらにZIA SLAMは高い汎用性を確保し、GPU、CPU、FPGAなどプラットフォームに依存せずに組込みこむことが可能。特に、様々な産業で組み込みアプリケーションにAIのパワーをもたらし、高性能でエネルギー効率に優れたNVIDIA Jetson AGX Xavierをリファレンスプラットフォームとしてサポートしている。


DMP社について

DMPは世界有数のGPU技術や高度な半導体開発およびアクセラレーション技術、自動運転や安全運転支援向けAIアルゴリズムの豊富な開発実績を有している。近年は業務資本提携関係にあるヤマハ発動機をはじめとしたロボティックス分野向けに、農業機器、自動搬送機といった低速車両領域における自動運転や自律運転用AI技術開発を加速している。

今回DMPが提供を開始するZIA SLAMはVisual SLAM技術に対応したソフトウエア。SLAMはセンサーから三次元の空間認識を行うソフトウエア技術で、SLAMをシステムに組み込むことによってロボットは機械の眼を備えることができる。米国MarketInsights社のレポートによると、SLAMロボットの世界市場規模は2019年の2億4,850万ドルから2025年までに4億7,260万ドルに成長し、自動運転車、お掃除ロボット、AGV(Automatic Guided Vehicle:無人搬送車)、UGV (Unmanned Ground Vehicle:無人地上車両)、惑星探査機、潜水艦、ドローン、介護ロボット、警備ロボット、サービスロボットなど幅広いアプリケーションへの適用が予想されている。

DMPは今後Visual SLAMのビジネスを拡大し、AGV、UGV、お掃除ロボット、ドローンなど各種用途のロボットの実用化並びに普及に貢献していくとしている。

エヌビディア 日本代表兼米国本社副社長 大崎真孝氏は以下のように述べている。

「自律動作マシンではリアルタイムにマルチアルゴリズム処理を行うため、エッジにおける高いコンピューティングパフォーマンスが必要となり、Jetson AGX Xavierは、ZIA SLAMを実行するには最適なプラットフォームです。DMP様の先進的なSLAMソフトウエアとJetsonプラットフォームを組み合わせることにより、お客様の次世代ロボティクス製品の実用化に向けて、強力なサポートとなることでしょう。」

株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル代表取締役社長COO 大澤 剛氏は以下のように述べている。

「自律ロボットアプリケーションには、正確性、安全性とともに、量産・普及に向けたコスト低減も要求されます。ZIA SLAMは、その要求を満たす性能を有しており、お客様のアプリケーション開発から量産化に貢献できるソフトウエアです。当社は、エヌビディア様とも協業し、自動走行・自律移動システムの開発を検討されているお客様にZIA SLAMを含め最適なソリューションをお届けしてまいります。」
関連サイト
「ZIA SLAM」

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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