INCJがKyoto Roboticsの全株式を日立製作所に譲渡 物流/工場の自動化向け「3次元ビジョンセンサ」「ピッキングロボット」開発

株式会社INCJは、同社が保有するKyoto Robotics株式会社の株式の全部を株式会社日立製作所に譲渡することを決定し、既に譲渡が完了し、いわゆるExitしたことを発表した。Kyoto Roboticsは工場自動化向けの3次元ロボットビジョンセンサと物流自動化向けのケースピッキングロボットの開発・販売を行う企業。

Kyoto Robotics 株式会社について
設立 :2000年 12月(旧社名:株式会社三次元メディア)
所在地 :滋賀県草津市
代表者 :代表取締役社長 徐 剛 氏
事業内容 :工場自動化向けの3次元ロボットビジョンセンサと物流自動化向けのケー
スピッキングロボットの開発・販売
URL :https://www.kyotorobotics.co.jp/

■ Kyoto Robotics会社案内動画


INCJについて

産業革新機構は、2009年7月、産業や組織の壁を越えて、オープンイノベーションにより次世代の国富を担う産業を育成・創出することを目的に設立されたが、根拠法である産業競争力強化法の改正に伴い、同機構は株式会社産業革新投資機構に商号変更し、新たな活動を開始した。
INCJは、2018年9月、既存の官民ファンドである株式会社産業革新機構から新設分割する形で発足。産業革新機構の事業を引き継ぐ形で、既投資先の Value up 活動や追加投資、マイルストーン投資、EXIT に向けた活動を主要業務として、2025年3月末まで投資活動を行っている。


Kyoto Roboticsの設立からEXITまでの経緯

Kyoto Robotics(KRC)は、立命館大学発ベンチャーの第1号として2000年に設立、 2011年に世界で初めて産業用ロボットに取り付ける3次元ロボットビジョンセンサ「TVS」を開発した。翌2012年には第5回ロボット大賞「最優秀・中小企業ベンチャー賞」を受賞するなど、その先進的な技術は高い評価を得て、200社以上の企業の生産現場に採用され、工場における自動化に貢献してきた。
INCJ は、KRC が提供するシステムが、労働者不足への対応や製造業における生産性向上・効率化に貢献できること、また、システムインテグレーター、ロボットメーカーとの協業によるオープンイノベーションの促進により、製造業における革新的な競争力強化が期待できることなどから、2016年5月に8億円を上限とする出資を公表し、4億円の出資を実行した。

KRCは3次元ロボットビジョンセンサ「TVS」の更なる開発や生産現場への導入推進に加え、本事業で得たノウハウを活かし、2017年からはロジスティクス分野の自動化にも取り組む。「目」の役割をする3次元ビジョンシステムや、「脳」の役割を果たす独自のAI技術を活用することで、ロジスティクス分野での課題であるパレットへの荷積みや荷下ろし作業の自動化において着実に実績を積んだ。

KRCは、知能ロボットシステムに関する独自技術の開発力から、製造・ロジスティクス分野で高く評価されているという。一方で、KRCの将来の事業発展のためには、SI(システムインテグレーション)企業との密接な連携により、エンドユーザーのニーズをより正確に捉えたソリューション開発が必要と判断した。INCJは、KRCと日立が連携することで、顧客基盤を拡大するとともに、昨今の労働力不足問題への解消にも貢献できると判断し、両社の提携交渉を支援した。
一方の日立グループでは、ロジスティクスおよび FA分野における自動化ライン全体のロボット SIをワンストップかつスピーディーに提供することを目指しており、KRCを傘下に入れることで、同社の有する知能ロボット技術とのシナジー効果を見込む考え。

INCJは、このような状況を踏まえ、KRCにおける技術開発の進展や同社が保有する技術の社会実装をより加速するためには、日立の傘下で事業を行うことが望ましいと判断し、今回、INCJが保有する株式の全部を同社に譲渡することとなった。

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ロボスタ編集部
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