開閉可能なハンドユニットを搭載した「Robovie-Z」が発売開始 通常版からの組み替えサービスも実施

ヴイストン株式会社は二足歩行ロボット「Robovie-Z」(ロボビー・ゼット)にハンドユニットを追加した「Robovie-Z Raspberry Pi版 ハンドユニット搭載」を発売することを発表した。価格は33万円(税込)。

なお、すでに通常版のRobovie-Zを購入している人は「ハンドユニット搭載版への組み替えサービス」を実施する。費用は3万3千円(税込)。


ハンドを開閉させる機能と肘ヨー軸を追加

Robovie-Zは専用に開発されたサーボモーター・ロボット制御基板・フレーム構造を採用し、メイン基板としてRaspberry Pi 4 Model B(RAM容量4GB版)を搭載した高性能二足歩行ロボット。今回発売する「Robovie-Z Raspberry Pi版 ハンドユニット搭載」はRobovie-Zにハンドを開閉させる機能と肘ヨー軸を追加したバリエーションモデル。


Robovie-Zの通常版に搭載されている20軸に追加して、左右の腕に2軸ずつ(ハンド開閉軸および肘ヨー軸)のサーボモーターを搭載。これにより、左右のハンド開閉が制御できる構造となり、小型の物体を持ち上げることが可能。

競技会などでの活用が可能(画像のブロックは発泡スチロール製)

通常の無線コントローラーで発動するモーションとして「物体を持つ」機能を実装できるほか、Raspberry Pi基板を利用したVR操縦において活用したり、ハンド軸が前提となる競技会へ出場するなど、二足歩行ロボットとしての実用性・表現力や可能性が大きく向上した。なお、Robovie-Zは小型機体であるため、実際に保持できる物体の重量・サイズには限界がある。

ハンドを開いた場合の最大幅は約50mm。

【動画】ハンドユニットが活躍する「テレイグジスタンスでテレワークしてみた」


Robovie-Zの特徴


1.Raspberry Pi 4を搭載し高度な処理が可能

Robovie-ZはRAM容量4GBのRaspberry Pi 4 Model B基板を搭載。1.5GHz クアッドコアのARM Cortex-A72プロセッサーにより、画像処理やネットワーク連携など、これまでの二足歩行ロボットを超える高度な演算処理をロボット本体内で行うことができる。Raspberry Pi 4には冷却用のファンを装着しており、複雑な処理を安定して実行することが可能。




2.Raspberry Pi 4対応のカメラを標準搭載

Robovie-ZはRaspberry Pi 4に対応した小型カメラ「Raspberry Pi Camera V2」を標準搭載。Raspberry Pi 4の処理能力を活用し、画像処理などの演算結果をロボットの動作に反映させることができるため、いわゆるAI処理などに基づいた高度な自律動作をプログラムすることができる。


3.専用開発のロボット制御基板「VS-RC026」を搭載

Robovie-Zにはサーボモーターを直接接続するロボット制御基板として、専用に開発したVS-RC026が搭載されている。VS-RC026には3軸ジャイロセンサーや3軸加速度センサーが搭載され、二足歩行ロボットとしての基本的な動作と制御を完結できるように設計されている。高度な情報処理はRaspberry Pi 4上で行い、サーボモーター等の直接的な制御はVS-RC026で行うことにより、Raspberry Pi 4の状態によらず、安定した動作制御が可能。

また、VS-RC026はシリアルサーボモーターに合わせて専用設計されており、サーボモーターの現在角度を取得する、サーボモーターの動作特性を変更するなど、双方向通信を利用した高度な制御が可能。専用のモーション作成ソフトウェアとして「Motion Works for VS-RC026」を付属しており、GUIを利用した効率的なロボットモーションの作成や、各種センサーを用いたプログラム作成を手軽に行うことができる。


4.各種センサー、無線コントローラーを搭載

VS-RC026上に3軸ジャイロセンサー、3軸加速度センサーを搭載。また、専用無線コントローラーとして「VS-C3」も搭載し、手動でのロボットの操縦にも対応する。


5.ROSに対応

Robovie-Zは搭載するRaspberry Pi 4上にROS Melodicを導入することが可能。「Motion Works for VS-RC026」で作成・登録したモーションプログラムをROS経由で呼び出す、ロボット本体の簡単なステータスを取得するなどの機能を実現。外部のROSデバイスから任意のモーションを再生することができるため、様々な目的に合わせた活用が可能。



関連サイト
Robovie-Z

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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