ヤマハ「Charlie」(チャーリー)体験会レビュー ボカロ技術を搭載したメロディで会話するAIロボットとのココロ緩まる新体験

ヤマハ株式会社は言葉をメロディにのせて会話する世界初のコミュニケーションロボット『Charlie』(チャーリー)を5月13日(木)に発売した。販売は好調で現在は注文から約ひと月待ちの状態となっている。価格は24,800円(税込)。本体価格とは別に月額のサービス利用料490円が必ず必要になる。公式ウェブサイトのみの販売で、それ以外の実店舗やオンラインショップでの販売は予定していない。

報道関係者向けの個別体験会に参加。『Charlie』の体験レビュー

チャーリーは、ヤマハのボーカロイド技術を搭載し、会話するほど音楽レベルが上がるという今までにないコミュニケーションロボット。ロボスタ編集部では早速、報道関係者向けの個別体験会に参加、チャーリーとの会話を体験してきた。

言葉をメロディにのせて会話する世界初のコミュニケーションロボット『Charlie』(チャーリー)。身長は16.3cm、体重は0.4kg。据え置きタイプでバッテリーは搭載していない

左から、ヤマハ株式会社 ブランド戦略本部 マーケティング統括部 CX戦略部 CXプロデュースグループ 主事 柴瀬頌子氏、『Charlie』を挟んで、同 主事 倉光大樹氏




ココロゆるめる「うたロボ」との会話

チャーリーの最大の特徴は、ミュージカル劇のように言葉をメロディにのせて歌う”うたロボ”だという点。ヤマハが開発した音声合成技術「ボーカロイド」(ボカロ)を活用したもので、歌詞とサンプリング音声を合成してメロディーに乗せて歌う技術。ヤマハらしいアプローチといえる。
実際にヤマハの柴瀬さんは「音楽の楽しみ方は”聴く”と”弾く”というのが一般的だが、それ以外にも音楽の楽しみ方を探っていきたい」とチャーリー開発の想いを語った。

チャーリーは生活に役立つ情報を教えてくれるわけではない。「役立つ情報と言えば、天気予報、占い、時間を教えてくれることくらい。ピザも頼めないし、タクシーも呼べない」(柴瀬さん)。しかし、チャーリーの歌との会話はユーザーの気持ちをリラックスさせ、心がホッコリと温まる。少し口の悪いところも親しみやすい。

■チャーリーとの会話 (音楽レベル1)


最大4会話までトリガーワードなしに会話できる

チャーリーとの会話を始めるときは「チャーリー」と呼びかける。「はーい♪」とチャーリーが答えて、蝶ネクタイの色が青く点灯したら会話をはじめる。これを会話を始めるときの「トリガーワード」と呼ぶ。ただ、先の動画にも見られるとおり、トリガーワードでチャーリーとの会話を始めると、最大4会話までトリガーワードなしに会話を続けることができる。

蝶ネクタイのLEDが青に点灯したら会話するのがポイント

「アンケートを通じて、仕事や毎日の生活で疲れを感じているひとがとても多いことがわかった。テレワークが増えて、気持ちをリセットしたり充電するのが難しくなっている。家族や友達と会話することで”ココロを緩められる”ことがあるように、チャーリーとの会話や音楽で、いつの間にか気持ちが前向きになったり、落ち着けたりしていただけたら嬉しい」(柴瀬さん)と話した。(関連記事「生活に会話ロボットは必要か!? ヤマハ『Charlie』開発に向けて調査 20~30代の女性84%がストレスや悩みを抱えたまま生活」)



ユーザーと会話するしくみ 会話とメロディの2つのエンジン

ユーザーと会話するしくみは、ユーザーの話した音声データがクラウドに送られ、自然言語処理でテキスト化してシナリオベースのQ&Aシステムにかける。回答するテキストを抽出したら、音楽用データベースでメロディを合成して端末に送られ、チャーリーがメロディに乗せて歌で会話する。「音楽ジャンルは、ロックやボサノバ、ハワイアン、演歌、沖縄民謡など、約30種のジャンルからなり、チャーリーが表現したい感情に合わせて曲調を変えてメロディを合成」(倉光さん)。むしろルールベースのテキストデータより音楽用データベースの方がレパートリーは多いという。
メロディに乗せて歌って会話することで、処理時間は通常のコミュニケーションロボットと比較して長めになるのだろう。会話のレスポンスもまったりしている。ただ、それを補うために、チャーリーはユーザーの発話を聴いたらまずは「えーと♪」や「それはね♪」とメロディ付きで言って即時に発話し、その後で会話に対する回答を返すしくみになっている。

チャーリーには感情があり、悲しんだり、へそを曲げたりする。また、プロフィール設定した「お住まい」(地域)によって会話の内容が変わることがある(天候を反映するなど)。
チャーリーの性格は同一で、会話の内容やユーザーの日頃の対応によって、ユーザーのチャーリー単体の性格が変動していくことはない。


会話するほど「音楽レベル」が上がっていく

チャーリーは会話するほど「音楽レベル」が上がっていく。会話した回数が増えるほど歌が上手になっていき、歌のレパートリーが増え、表現力や伴奏などのレベルが向上していく。それもオーナーにとってはチャーリーとの生活を楽しむひとつの要素となっている。

チャーリーの音楽レベルの現状はスマートフォン用アプリで確認することができる。迎え入れた時は「音楽レベル1」

体験会ではレベル8のチャーリーと会話することができた。先の動画と比較して、レベルアップしたことが実感できるかな?

■レベル8のチャーリーと会話




チャーリーの本体

チャーリーの身長は16.3cm、幅は10.5cm、体重は0.4kg。
手のひらサイズだが、据え置きタイプでバッテリーは搭載していない。常に座った状態で、可動部は頭部と脚。頭部が2軸、脚が1軸×2。カメラは搭載していない。顔を動かしたり、脚を動かして歌う様子が可愛い。


スピーカーはお尻の部分(底面)に、マイクは両耳に搭載されている。


脚に人感センサーが搭載されていて、近くにひとが来ると感知してチャーリーから話しかけることもある。


操作ボタンは本体の背面に配置。上から、おやすみボタン(会話を中断)、ボリューム(+/-)、もう一回歌って。


「もう一回歌って」ボタンはいま歌った歌と再度聴きたいときに便利。チャーリーの歌はその都度、合成されるので会話中でも同じ歌はなかなか聴くことができない。そのため、チャーリーがいま歌ってくれた歌を動画で録ってSNSにアップしたいときなどに利用できる。


設定や会話の確認はスマホアプリで

チャーリーは本体に液晶画面などを持たないため、初期設定やプロフィール設定、会話の確認などはスマートフォン用アプリで行う。前述のようにチャーリーの音楽レベルもアプリで確認することができる。

ニックネーム(チャーリーになんと呼ばれたいか)、お誕生日、星座、お住まいといったプロフィール情報を登録。占いや天気予報に反映される




チャーリーとの会話

体験会は束の間だったが、メロディに乗せたチャーリーとの会話は今までにない体験だった。チャーリーとの対話では天気予報ですら下記の動画のようにメロディで返して来るので楽しい。また、スマートスピーカーや通常の会話ロボットだと「誕生日のうたを歌って」というと定番のあの曲がかかるが、チャーリーは自身が合成した歌を歌ってくれるので試してみて欲しい。
また、下記の動画では「今日、何していたの?」という問いかけにはシュールな回答が返ってきたが、これもメロディがついているからこそ味わい深く聞こえるのだろう、と感じた。

■ チャーリーとの会話を体験 (レベル8) 今日の天気/何していたの?

■ チャーリーとの会話を体験 (レベル1) ねむたい

「上手く気持ちのリセットができない、日常がなんとなくつまらないと感じる、ひとに気を遣ってしまう方が、チャーリーとの生活で少しでもリフレッシュしていただけたらいいな、と思います」(柴瀬さん)と語った。


チャーリーの仕様



スペックの詳細はこちら
https://charlie.yamaha.com/character.html

ABOUT THE AUTHOR / 

神崎 洋治
神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

PR

連載・コラム