メーカーを問わずロボットとエレベーターが通信するための共通規格を策定 経済産業省が発表 ロボットフレンドリーな未来へ

経済産業省はサービスロボットの普及に向けて、ロボットを導入し易い環境(ロボットフレンドリーな環境)を実現するため、2019年に「ロボット実装モデル構築推進タスクフォース」を設置し、必要な施策を推進している。この取組の一つとして、ロボットとエレベーターの連携に関する規格を策定したことを発表した。また、同タスクフォースが目指すロボットフレンドリーな未来を紹介する動画も公開した。

同規格はエレベーターに人とロボットが安全に同乗するに当たり、新設のみならず、既設エレベーターにも組み込むことができる、シンプルかつ安価な連携システムを構築することを目的としている。また、同規格は施設管理テクニカルコミッティーの以下の事業者によって策定作業が進められた。

規格策定メンバー(五十音順)
株式会社JR東日本商事、清水建設株式会社、大成建設株式会社、東芝エレベーター株式会社、トヨタ自動車株式会社、日本オーチス・エレベータ株式会社、一般財団法人日本品質保証機構、パナソニック株式会社、株式会社パルコ、東日本旅客鉄道株式会社、株式会社日立ビルシステム、株式会社Preferred Networks、株式会社本田技術研究所(施設管理TC長企業)、三菱地所株式会社(施設管理副TC長企業)、三菱電機株式会社、森トラスト株式会社


ロボットを導入し易い「ロボットフレンドリーな環境」の実現

サービスロボットは搬送・清掃・警備など用途に活用されつつあるが、現時点では、各々のユーザーの環境に適応するようカスタマイズする必要がある。このことが導入する際の手間やコストに繋がり、サービスロボットの普及の妨げになっている。このため、経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)は、ロボットの価格や導入コストの低減を図るべく、2019年に、ロボットのユーザーを中心とする「ロボット実装モデル構築推進タスクフォース」を立ち上げ、ロボットを導入し易い環境(ロボットフレンドリーな環境=“ロボフレ”)の実現に向けた検討を開始した。

現在、同タスクフォースは「ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会」(以下「RRI」)の下に設置し、人手不足への対応や非接触化の実現が求められる業種(施設管理、小売、食品製造)ごとにテクニカルコミッティー(以下、TC)を設置し、“ロボフレ”の実現に向けた検討を進めている。


ロボットとエレベーターの連携に関する規格を策定

その一例として、施設管理の分野では、オフィスビル、商業施設、駅、ホテル、病院等といった施設において、ロボットがあらゆるフロアへ自律的に移動できるように、メーカーを問わず、ロボットとエレベーターが連携できることが重要。このため、令和2年度から実施している「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」において、ロボットとエレベーターの連携に関する研究開発を進めるとともに、その成果を活用し、施設管理TCの下で、ロボットとエレベーター間の通信連携に関する規格の検討を進めてきた。

今回、同規格が策定され、RRIから公表することになった。同規格については、すでに、施設管理TC参加事業者の施設で活用していく。また、同規格を利用し、利用結果についてフィードバックしてくれる他の事業者に対しても、規格に関する詳細な情報を提供して、同規格の精度を高めていく。今後、これら利用される事業者からのフィードバック結果も踏まえて規格の改定を進め、国際標準化を目指していくとしている。

関連サイト
規格の詳細



“ロボフレ”な未来を紹介する動画

ロボフレの実現は生産性向上や非接触化を実現し、ロボットのユーザーである人の生活を豊かなものにする。今回、NEDOと連携して、施設管理、小売、食品製造の各業種を題材に、ロボフレな未来を紹介する動画を公開した。

ロボットで変わる少し未来の生活



ダイジェスト版:ロボフレ環境構築について(事業者の皆さまへ)

ロング版は以下から視聴可能。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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