アクセンチュア、モーリシャスにスマートシティ「都市OS」導入の開発と検証に着手 JICAの国際協力DX化プロジェクトを6事業受託

アクセンチュア株式会社は、独立行政法人国際協力機構(JICA)の国際協力におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)のさらなる加速に向けたプロジェクトを受託したことを2021年8月23日に発表した。

同プロジェクトの一環として、インド、ウガンダ、カンボジア、タイ、ベトナム、モーリシャスの6か国において、デジタルを活用したパイロット事業を行う。このうちモーリシャスでは、防災支援を皮切りに、関連データの活用推進、および都市OS導入につながる検証を実施する。(冒頭の画像はイメージ)

【都市OSについて】
都市OSとは、スマートシティのデータ連携やサービス提供の基盤となるデジタルプラットフォームだ。同社が提供する都市OSでは、市民の承諾に基づく(オプトイン)データ活用により、市民一人ひとりに最適化された情報提供が可能になるほか、行政にとっても市民起点のデータに基づく政策立案やまちづくりが可能になる。2015年に福島県会津若松市で導入した後も、奈良県橿原市、宮崎県都農町など、複数の自治体が導入。また、市民の位置データをもとに適切な避難経路を誘導する「マイ ハザード」など、都市OS上に、市民生活の質の向上に資するさまざまなサービスの実装が進んでいる。なお、国外でアクセンチュアの都市OSの導入に向けた検証が行われるのは今回が初めてだ。


同プロジェクトでの役割分担

JICAは、2020年6月、ガバナンス・平和構築部にSTI・DX室を新規設置するなど事業の「DX主流化」に向けた体制を強化するなか、今回のプロジェクトでは、DX主流化の検討やDX主流化を後押しするパイロット事業の実施、それらを下支えする環境整備としての事業関連データ活用構想の策定を行い、アクセンチュアが実行を支援する。6か国で開始されているパイロット事業は、2022年2月まで行われ、JICAによる国際協力DX主流化のモデル案件として、本格的な事業展開を目指すとしている。JICAのガバナンス・平和構築部STI・DX室長を務める斉藤 幹也氏は今回のプロジェクトについて、次のように述べている。

JICA ガバナンス・平和構築部STI・DX室長 斉藤 幹也氏

デジタル技術の急速な発展を背景に、開発途上国において経済活動や社会生活を行う上でのデータの利活用が重要となっており、DXはSDGs達成を加速化させる方策としても期待されています。JICAでは国際協力におけるDXの主流化にあたり、幅広い分野でデジタル技術・データを活用し、世界の国々の課題解決により効果的に貢献することに取り組んでいます。今般のプロジェクトを通して開発途上国の課題に成果をあげる新しい協力モデルを生み出していければと考えています



また、アクセンチュア株式会社ビジネスコンサルティング本部 ストラテジーグループ 公共サービス・医療健康プラクティス日本統括マネジング・ディレクターの海老原 城一氏も以下のようにコメントしている。

アクセンチュア ビジネスコンサルティング本部 海老原 城一氏

JICA事業のDX主流化のプロジェクトを通じて、アクセンチュアが日本の地域や企業の皆様とともに蓄積してきたデジタルを活用した地域力向上に関する知見や経験が、世界の国々の課題解決につながる価値を提供できることを喜ばしく思います。アクセンチュアでは、目の前のお客様のみならず、お客様を取り巻くあらゆる関係者に対する価値向上にも取り組んでおり、まさに今回のプロジェクトはアクセンチュアの姿勢を明確に裏付けるものです。今後も、デジタルの力でよりよい社会の創造に向けて尽力してまいります



実施予定のパイロット事業
インド 現在進行している円借款案件のさらなる効率的運用を目指す民間連携プラットフォーム化支援
ウガンダ データの統合・分析による難民支援施設の利用状況と利用者特性の精緻な可視化
カンボジア デジタル通貨の普及に向けたサービス検証
タイ 水道管路管理における人工知能技術の活用可能性の検証
ベトナム 水質予測モデルを活用した住民向け水質情報提供アプリの導入
モーリシャス 防災・減災のためのデジタル連携プラットフォーム適用可能性の検証


具体的な検証内容(モーリシャス)

南西インド洋に位置するモーリシャスでは、毎年、周辺海域でサイクロンが頻発し、豪雨、高潮、洪水被害のほか、地滑りなどの自然災害が多く発生しており、人的ならびに経済的な被害が継続している。特に都市部における自然災害の被害範囲を最小限に留めるためには、発生時の災害応急対応に加え、都市計画における災害リスクへの配慮や防災施設等への投資、災害発生時の備えといった予防的な対策が必要不可欠だ。
同パイロット事業では、デジタル連携プラットフォーム(都市OS)という考え方を適用することで、気象情報、衛星写真などの災害に関する多元的データの一元的な管理プロセスならびにその活用効果と活用可能性を検証。これにより、防災目的で取得した様々な情報のほか、都市計画・都市インフラ関連データ、動植物の生息データ、船舶の停泊状況を含む沿岸環境など他の分野で収集した多岐にわたるデータも都市OS上で連携・利用することが可能となり、防災計画のより効率的な立案に役立てるとともに、サンゴ礁などの環境保護、観光振興といった、防災・減災以外の対象領域での活用効果も期待できる。



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ロボスタ編集部
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