2021年9月9日、Uber Japan主催のオンラインカンファレンス『MaaSが変えるモビリティの未来』が開催され、基調講演に国土交通省、Uber Technologies、Uber Japan、日本航空、WILLERが登壇し、現在のMaaSに関する取り組みと今後のビジョン等を語った。
日本航空(JAL)からはMaaSグループ長 清水氏が登壇し、UberとはMaaSの取り組みで今年3月より協業を開始していることを紹介した。
また将来に向けては「JAL 未来の空飛ぶモビリティのある世界」(Future World with New Flying Mobility)の動画を紹介し、空飛ぶクルマやドローンを含めて、航空業界とMaaS視点から見たQOLが向上する未来を紹介した(※冒頭の画像は動画より引用)。
清水氏は将来像として、5年後には「出発地から目的地までの交通手段がシームレスに予約、決済、利用ができるようになっていて、10年後には空飛ぶクルマの実現も見えているのではないか」と語った。
■JAL 未来の空飛ぶモビリティのある世界(Future World with New Flying Mobility)
JALとUber Japanは戦略的パートナーシップを締結
JALとUber Japanは戦略的パートナーシップを締結し、アプリを通じて航空を軸としてUBER RIDESと連携したシームレスな目的地まで移動をアプリで提供しているという。また、UBER RIDESだけでなく、デリバリーのUBER EATSによる滞在体験も含めて提供しているこしを紹介した。
また、新たな移動体験への挑戦はUBERとの連携に限らず、国内外やワーケーションとの連動も視野に入れた企画商品も提供を開始していて、「オンデマンドシャトルバス」については提携前と比較して月間利用者数が10倍に急増しているという。
また、JALとKabuK Styleが実証実験をおこなった「航空券3往復とホテル3泊がセットになったサブスクで36,000円」(2021年7月)の「航空サブスクサービス」は300名の募集がわずか4時間で完売したという。
コロナ禍で乗客数は9割減、史上最悪の航空需要
コロナ禍で航空を取り巻く市場環境はとても厳しく、乗客数は国際線で9割減(国内線は約6割減)、史上最悪と言える航空需要だとした。
また、ワーケーションをはじめとしたワークスタイルの変化にも触れ、同社では「ニューノーマル」のライフスタイルが注目される前から、「ワーケーションの推奨」「出張に併せて休暇がとれる」制度等に着手してきていることを紹介した。また、「旅行目的・スタイルの変化」として、デジタル空間を使ったバーチャル旅行や地産の商品をスピーディに届ける需要の高まりに期待しつつ、「市場環境の変化や価値観の多様化に合わせた、新たなサービスの創出が必要」とした。
■参考 Volocopter introduces the VoloConnect to complement their UAM aircraft family
■参考 Autonomous Flight – Made in Germany! Volocopter Explains Autonomous Air Taxis
Uber Technologies、Uber Japanなどオンラインカンファレンス『MaaSが変えるモビリティの未来』の公演内容等については別の記事でのレポートを予定している。
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神崎 洋治神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。