NECは日本政府の新型コロナワクチン接種証明書アプリ(ワクチンパスポート電子版)と連携して、顔情報と証明書情報を紐づけ、施設に入場する際、顔認証でワクチン接種完了の有無を非接触で確認できるシステムを発表した。
主に観光施設やイベント等の様々なシーンでの利用を想定し、2023年度中に1,000か所への導入を目指す。
顔認証を活用してワクチン接種を完了していることを迅速に確認できるクラウドサービスを新たに開発し、2022年3月末に、生体認証とID連携機能を一体化したクラウド基盤サービス「NEC I:Delight Services」のひとつの機能として提供を開始する。
ワクチン接種証明書の確認を迅速に
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、様々な施設において感染拡大防止対策が講じられている。しかし、現在、ワクチン接種証明書の確認を施設の入り口で行う場合、係員の目視での確認による運用で時間や手間がかかったり、係員と利用者との間の距離を保てないなど、確認作業の効率化や安全対策が課題となっている。
NECは、米国国立標準技術研究所(NIST)による顔認証ベンチマークテストで第1位を獲得した実績を持つ。コロナ禍の課題を背景に、その世界No.1の精度の顔認証技術を活用し、ワクチン接種完了のスムーズな確認を実現し、より安全・安心な観光・生活体験の実現に貢献したいとしている。
顔認証とワクチンパスポートを連携
1. 接種完了確認を簡単かつ安全に
利用者が事前に新型コロナワクチン接種証明書アプリの接種証明情報と顔情報を専用WEBサイトから登録し、紐づけすることで、施設管理者は入場の際に証明書やスマートフォンなどの提示を受けることなく、顔認証によって簡単かつ安全にワクチン接種の完了確認ができる。また、従来の係員が目視で行ってきた確認作業工数を大幅に削減できる。
2. 導入準備の短期化、運用の容易化を実現
クラウドサービスとして提供するため、初期費用の抑制や短期間での導入が可能。また、個別のアプリケーション開発やメンテナンス等が不要となり、導入後の容易な運用も実現できる。
ワクチン接種+入場チケット所有の顔認証も
NECは本サービスの機能強化を今後も検討し、例えば、ワクチン接種完了だけでなく、入場チケットの同時確認も顔認証で実施することで、大規模イベントにおける入場のさらなる簡便化、時短化も目指す。
NECは、顔や虹彩を使った生体認証による共通のIDで、複数の場所やサービスにおいて顧客へ一貫した体験を提供する「NEC I:Delight(アイディライト)」というブランドのもと、今後も先進技術を用いたソリューションやサービスの開発を加速・強化し、安全・安心で豊かな社会の実現に貢献したい、とリリースを通じてコメントしている。