NVIDIAはNVIDIA Jetson AGX Orin 32GBモジュールの提供を開始したことを発表した。これはGTCで発表された4種のJetson Orinベースのモジュールのうちの第一弾となる。
開発者はエッジ AI、ロボティクス、AIoT、および組込みアプリケーションに適したカメラ、センサー、ソフトウェアおよび接続性を備えた、Orin ベースの製品を構築することが可能となる。企業は製造、小売、建設から農業、物流、ヘルスケア、スマートシティ、ラストマイル デリバリーなどの業界の課題に取り組むことができる。国内では菱洋エレクトロ株式会社、株式会社ネクスティ エレクトロニクス、株式会社マクニカから本日8月4日より販売される。
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より多くの機能を備えたAI対応製品の迅速な構築を支援
これまで開発者やエンジニアは複雑なアプリケーション環境で複数のデータの同時ストリーミングを処理することが極めて困難で、厳しい遅延要件、エネルギー効率の制約、および高帯域幅のワイヤレス接続などの課題に直面してきた。また、無線によるソフトウェアアップデートを簡単に管理できる必要があるほか、増え続ける多様なデータの処理に必要なコンピューティングリソースを確保するため、設計に複数のチップを搭載することを余儀なくされている。
NVIDIA Jetson AGX Orinはこれらすべての課題を克服する。毎秒最大275兆回の処理が可能なJetson AGX Orin開発者キットは、NVIDIA AmpereアーキテクチャGPU、次世代ディープラーニングおよびビジョンアクセラレータ、高速I/O、高速メモリ帯域幅を備え、複数のAIアプリケーションパイプラインの同時処理をサポートする。Jetson AGX Orinにより、顧客は最大かつ最も複雑なAIモデルを使用してソリューションを開発し、自然言語理解、3D認識、マルチセンサーフュージョンなどの問題を解決することが可能。
開発者キットと4種の量産モジュール
GTCで発表された4種のJetson Orinベースのモジュールは、サーバークラスのAIパフォーマンスを幅広い顧客に提供する。Jetson AGX Orin 32GBモジュールは今回販売を開始し、64GBバージョンは11月に発売予定。また、サイズが小さい2種のOrin NXモジュールは今年後半に発売される予定となっている。
これらの量産システムはNVIDIA Jetsonソフトウェアスタックに対応しており、これにより数千の企業と数百万の開発者が完全に高速化されたAIソリューションをJetson上で構築および展開できるようになる。
NVIDIA CUDA-X アクセラレーション スタックを含む JetPack SDKに加えて、Jetson Orinは複数のNVIDIAのプラットフォームやフレームワークに対応している。例えば、ロボティクス用のIsaac、コンピュータービジョン用のDeepStream、自然言語理解用のRiva、事前トレーニング済みモデルでモデル開発を加速するTAO Toolkitが含まれる。また、さまざまな業界における運用効率と安全性を向上させるためにビジュアルデータとAIを統合するアプリケーション フレームワーク、および開発者ツールセットとパートナーエコシステムで構成されるMetropolisもサポートする。
顧客はJetson AGX Orin開発者キットであらゆるJetson Orinベースのモジュールを最初にエミュレートすることにより、次世代のエッジAIおよびロボティクスアプリケーションをはるかに迅速に市場に投入できるようになる。
開発者コミュニティと Jetson エコシステム パートナーの拡大
100万人以上の開発者と6,000以上の企業がNVIDIA JetsonエッジAIおよびロボティクスコンピューティングプラットフォーム上で市販向け製品を構築し、自律動作マシンとエッジAIアプリケーションを開発および展開している。
150を超えるメンバー企業を擁し、拡大し続けるJetsonエコシステムのパートナーは、AIソフトウェアおよびハードウェアとアプリケーションの設計サービス、カメラ、センサーと周辺機器、開発者ツール、開発システムを専門とする企業など、幅広いサポートを提供している。新しいJetson AGX Orin モジュールを搭載した市販の製品は約32のパートナーが提供しており、これらの製品は最先端のアプリケーションをサポートし、同時に市場投入までの時間を短縮するための多数のオプションも提供している。
キャリアボードと完全なハードウェアシステムを探している開発者はAAEON、Auvidea、Connect Tech、MiiVii、Plink-AI、RealtimesTZTEKなどの企業から提供される多数の製品から選ぶことができる。
Allied Vision、Appropho、Basler AG、e-Con Systems、Framos、Leopard Imaging、LIPS、Robosense、Shenzhen Sensing、Stereolabs、Thundersoft、Unicorecomm、Velodyneからは350を超えるカメラやセンサーが提供されている。これらは屋内/屋外の厳しい照明条件に加えて、ロボティクスや自律動作マシンにおけるマッピング、自己位置推定、ナビゲーションのためのLiDARなどの機能をサポートできる。
デバイス管理、オペレーティングシステム (Yocto & Realtime OS)、AI ソフトウェア、ツールキットなどの包括的なソフトウェアサポートについては、開発者はAllxon、Cogniteam、Concurrent Realtime、Deci.AI、DriveU、Novauto、RidgeRun、Sequitur Labsといった企業に相談することができる。また、WiFi 6/6E、LTE、5G などの接続オプションについて、開発者はTelit、Quectel、Infineon、Silexなどの企業の製品を活用することができる。
新しいNVIDIA Jetson AGX Orin32GBモジュールは国内では菱洋エレクトロ株式会社、株式会社ネクスティ エレクトロニクス、株式会社マクニカより、8月4日より販売開始する。
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。