デジタルの力で東京のポテンシャルを引き出す「スマート東京」の実現を目指し、先行実施エリアである西新宿で先端技術サービスの都市実装に取り組んでいる東京都は、その一環で「西新宿先端サービス実装・産官学コンソーシアム」を2022年9月に設立した。
慶應義塾大学初のスタートアップであるモーションリブ株式会社は、同コンソーシアムにて、本年度中に実装に向けた成果を上げ、各分科会の中核となるサービスプロジェクト「5G等先端技術サービスプロジェクト」に同社の企画提案する「新宿感触動物園HapticZoo」が、同コンソーシアムでの採択されたことを、同年10月3日に発表した。
なお、「新宿感触動物園 HapticZoo」のイベントは2023年2月中旬頃の開催を予定している。
「新宿感触動物園 HapticZoo」について
「新宿感触動物園 HapticZoo」とは、西新宿を舞台に広大なフィールドに生息する様々な仮想の動物と触れ合える「感触動物園」を出現させる企画で、同社は、同社のもつ世界最先端の感触制御技術「リアルハプティクス」と「5G」「AR・VR技術」を組み合わせて、仮想空間上の動物と触れ合える、子どもから大人まで楽しめるかつてない感触エデュテインメントサービスを提供すると述べている。また、東京=最先端というブランドイメージに寄与することを期待しているとのことだ。
リアルハプティクスとは
市販のアクチュエータ(電動、油圧、空気圧等)で、適切な力加減をリアルタイムに実現する制御技術です。力加減を伴う遠隔作業、熟練者の力加減を記録した作業再現、物の物理特性をデータ化した感触再現など、力の加減、感触の硬軟を自在に操ることができる。
リアルハプティクスの実装を簡便にする「AbcCore」
モーションリブ株式会社が開発した、リアルハプティクスの実装を簡便にする力触覚制御ICチップ「AbcCore」には、以下の特徴がある。
力加減の制御 | リアルハプティクスをモジュール化し、リアルタイムな力加減の計測と制御を実現。 |
---|---|
力触覚を伝送 | 力加減をデータ化して、遠隔地に伝送。双方向に力触覚を伝え合うことを簡単に実現。 |
力センサレス | 独自の力推定アルゴリズムにより力センサの設置が不要。(力センサの使用も可能) |
高い汎用性 | 市販のアクチュエータ・機器を使用して力の制御が可能。既存システムへの組込みも容易。 |
スカパー! が未来的な『さわれるVR握手会』開催!感覚をリアルに伝える握手ロボットとVRで鹿沼亜美がファンと遠隔交流
リアルな感触を再現する遠隔操作やVRのデモシステム モーションリブが販売開始 イベント・展示会の展示物として使用可能
PCR検査での感染リスクを遠隔操作ロボットで軽減 モーションリブ、慶応大、横浜国大が力触覚ロボットで基礎検証
市販の協働ロボットに双方向の力触覚を追加できる汎用力触覚IC「AbcCore」 慶應大発ベンチャーのモーションリブが開発
西新宿先端サービス実装・産官学コンソーシアムについて
東京都では、2021年に「『未来の東京』戦略」を発表し、デジタルの力で東京のポテンシャルを引き出し、都民が質の高い生活を送ることができる「スマート東京」という概念を示し、同概念の先行実施エリアである西新宿では、5Gや先端技術を活用した、まちづくりや働き方等の分野横断的なサービスの都市実装に向けた取組を推進。サービスの都市実装を一層加速させるため、2022年9月に「西新宿先端サービス実装・産官学コンソーシアム」を設立し、地元の企業、サービス提供事業者や大学発スタートアップ等が連携した産官学の多様な主体が一体となった新たなサービスの実装を目指している。
5G等先端技術サービスプロジェクト
同プロジェクトでは、民間企業を対象とした「5Gサービス都市実装プロジェクト」4件と「大学発先端技術実装プロジェクト」3件の、合計7件が採択されている。
5G等先端技術サービスプロジェクト | ●【ITのチカラで西新宿を賑わいのある街へ】ジョルダン株式会社 ●【XRの社会実装に向けた仕組みの構築ならびにVR・ARサービスの提供】小田急電鉄株式会社 ●【西新宿「シン・デジタルツイン」プロジェクト】大成建設株式会社 ●【西新宿での5Gを活用した自動配送サービス事業実装プロジェクト】川崎重工業株式会社 |
---|---|
大学発先端技術実装プロジェクト | ●【Sounding City プロジェクト】株式会社coton(東京藝術大学発ベンチャー) ●【新宿感触動物園Haptic Zoo】モーションリブ株式会社(慶應義塾大学発スタートアップ) ●【歩行体験を提供する西新宿サイバーフィジカル美術館】筑波大学岩田研究室 |