建ロボテック、資材搬送の重労働作業を人の代わりに行う建設資材搬送ロボット「運搬トモロボ」を開発

建設現場の省力化・省人化を実現するロボットソリューションを提供する建ロボテック株式会社は、建設現場で「人の手」で行われている重労働の「運搬作業」をサポートする建設資材搬送ロボット「運搬トモロボ」を開発した。

今回開発した「運搬トモロボ」は、軽量・小型で不整地を走行し、自重の10倍以上もの資材を運ぶことが可能な牽引ロボット。“導入が容易であること”や“利用地条件が限られない”といったコンセプトのもと開発。建設現場には不整地が多いことや、自走式ロボットには運搬経路を明確にする必要があること、運搬装置は人の手で設置できる重量であることなど、様々な建設現場の様々な問題を、小型軽量ロボ、カスタマイズ可能な台車、専用レールのシステム化で解決可能にした。


「運搬トモロボ」開発の背景と今後の展開

建設現場での資材運搬は、クレーンや車両が入れない場所では全て「人の手」で運搬が行われている。例えば、1日2tの鉄筋を肩に担いで4kmを歩いて運んだり、1回100kg以上のコンクリートブロックを台車で運んだりなど、身体に負担がかかる重労働になる。にもかかわらず、建設に関わる資材や廃材の運搬作業は、建設業を構成する29ある建設工事の内、ほぼすべての工事で必要とされる作業になる。また、建設業は高齢化や若年層の職離れなどが原因で、慢性的な労働力不足が問題となっており、職人を単純な重労働の作業から解放し、高度な技術を必要とする作業に注力することで身体的負担を軽減し、作業環境・生産性の改善が必要だと考えた同社は、今回の「運搬トモロボ」を開発した。今後、試験運用を重ね、各建設現場でのサービスを提供予定だ。



「運搬トモロボ」の6つの特徴

開発当初に掲げたコンセプトを見事に実現した「運搬トモロボ」は、25kg以下のロボット2台が最大500kgを運搬でき、実働約8時間以上を実現した。牽引式で運搬物によって台車をセレクトできる他、高耐久仮設レールで様々な地形に対応している。 運搬軌道が明確化、運搬経路の安全確保も容易であり、人と協働することを考えた安全装備も備わっている。


25kg以下のロボット2台が最大500kgを運搬

ロボット本体は軽自動車のトランクに収まる大きさと、大人が1人で運べる重さを実現し、足場上でも人力で容易に運ぶことができます。自重の10倍以上を運搬するための牽引力と設置摩擦を確保し、最大500kgの運搬が可能だ。




牽引式で運搬物によって台車をセレクト

鉄筋、ブロック、セメント袋、ミキサー機、木材、鉄骨など、用途や資材に合わせて専用台車を開発します。台車を変更するだけで様々な運搬物を同じロボットで運搬できる。




高耐久仮設レールで様々な地形に対応

現場の段差や開口がある不整地の走行を仮設レールによって走行を可能にする。また、軽量で強固なトラス形状仮設レール(特許出願中)は約4mのユニットを、並べてジョイントするだけで簡単に設置できる。




実働約8時間以上を実現(連続5時間・約6kmの稼働)

荷積み・荷降ろし作業による停止時間を含む約8時間の稼働を実現。一般的な作業時間では、無充電運転が可能だ。また、夜間に充電することで翌日の朝から利用できる(充電時間:6時間)。


運搬軌道が明確化、運搬経路の安全確保も容易

レール上を走行するため、運搬軌道が明確化され経路の安全確保も簡単です。建設現場では多くの重機が稼働しており、運搬する自走式のロボットには運搬経路の明確化と立ち入り禁止措置が必要とされている。


人と協働することを考えた安全装備

人や障害物に触れた時などにバンパーセンサ、接触センサが感知し、非常停止する。また、運転中に警告するブザーとパトランプが備わっており、前進側のみライトが点灯&ブザー音の発生で昼夜問わず安全に運用できる。


■【動画】運搬トモロボ 1



▼「運搬トモロボ」基本仕様

搬送可能重量 500kg
搬送スピード 350mm/sec
登坂能力 10%
重量 25kg以下(1台)
外形寸法(mm) W600×T670(接触センサ除く)×H380(パトライト含む)
電源 リン酸鉄リチウムバッテリー
安全機能 前後レール端部停止機能、前後下部接触停止機能、前後上部接触停止機能、転倒時停止機能、小雨の運用可能な防滴仕様
備考 ※仕様は予告なく変更される場合がある。


【「トモロボ」シリーズとは】
「トモロボ」は建ロボテックが目指す「世界一ひとにやさしい現場」を実現するための建設現場専用COBOT(Collaborative Robot/協業ロボット)ブランドだ。職人と共に働き、単純大量作業を担うことによって省力化と生産性向上を実現する。

■【動画】tomorobo image


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ロボスタ編集部

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