神奈川県では、情報学分野の最新の研究動向等を広く県民の皆様に紹介するため、国立情報学研究所(NII)と共同での講演会事業を湘南国際村で定期的に開催している。
第10回となる今回は、近年、話題となっているデジタルツイン技術が、人の経験を拡張させ、かつ、ロボットの知能を発展させるために有用な技術であることをNII 稲邑 哲也(いなむら てつなり)准教授が概説。また、現実世界をコンピュータ上で再現する技術のことで、仮想世界を3Dで構築するメタバースとは異なり、現実世界の特定現象をコンピュータ上でシュミレーションすることが可能となるデジタルツインとバーチャルリアリティーを融合することで、人の行動の活力を引き出す支援技術について、最新の取組みを紹介する。
なお、同講演会は無料だが、事前登録が必要。会場(湘南国際村)とオンラインのハイブリッド形式で開催し、会場では新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を講じて開催する。
NII湘南会議はアジアにおける最初のダグストゥール(Dagstuhl)形式のセミナーとして開催され、情報学の難問を解決することを目標に、世界トップクラスの研究者が集まり、情報学分野における課題について合宿形式で集中的に議論する。同会議開催にあたっては、神奈川県と協定を結び、連携・協力して実施。また、毎年、神奈川県との共催により、NII湘南会議 記念講演会を開催し、NIIの研究者が、情報学分野の最新の研究トピックについて一般の方を対象に講演を行っている。
デジタルツイン体験について
同講演会開始前に行われる「デジタルツイン体験」では、VR空間の中で、ロボットと対話をしながら探し物をする。ロボットがあなたの状態を観察し、あなたが迷わないように言葉で目的の場所を説明。日常生活支援ロボットの「説明する能力」を無料体験することができる機会だ。
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同講演会講師 稲邑 哲也氏プロフィール
今回の講師、稲邑 哲也(いなむら てつなり)氏は、2007年より国立情報学研究所 情報学プリンシプル研究系および総合研究大学院大学複合科学研究科情報学専攻 准教授をつとめている。対話経験に基づくロボットの行動知能獲得、ヒトの動作の見まねによるロボットの動作獲得等の研究に従事。人間とロボットとの対話をリアルタイムにVR上に再現可能なシミュレーションの統合環境SIGVerseを開発し、オープンソースとして世界に発信している。また、同システムをベースとして、人間とロボットの対話機能を評価するロボット競技会(ロボカップ@ホーム)をシミュレーション化し、高価なロボットを持たない一般の方々でもロボット競技会に参加できる道筋を拓く。またVRを活用した人の自己効力感を向上させるAIロボットの研究も推進している。
同講演会の概要
テーマ | 「人とロボットの経験を拡張するデジタルツイン」~コンピュータで再現された現実世界。日常生活をアシストするロボットとそれによる人の行動の実現。その共進関係を支えるデジタルツイン技術とは~ |
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講師 | 稲邑 哲也(いなむら てつなり)氏(国立情報学研究所 情報学プリンシプル研究系准教授) |
日時 | 令和5年3月25日(土)14:40〜16:10 ※デジタルツイン体験(講演会開催前13:30〜14:40) |
会場 | 総合研究大学院大学葉山キャンパス共通棟講義室(神奈川県三浦郡葉山町上山口1560-35(湘南国際村))又はオンライン |
定員 | 会場参加は先着150人、オンラインは定員なし ※神奈川県、国立情報学研究所及び湘南国際村事業発信強化委員会の主催により実施。 |
申込み方法
令和5年3月17日(金)までに、申込みフォームまたはFAXで申込。
※オンラインでの参加者には、3日前までに視聴URLが送られる。
※詳細は別添チラシ又は公式サイトにて確認できる。
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/y2w/cnt/f5962/nii10.html