眼内内視鏡・眼内照明保持ロボット「OQrimo」(オクリモ)を製品化 九州大学/東京工業大学/順天堂大学/山口大学/リバーフィールドが共同開発

九州大学、東京工業大学、順天堂大学、山口大学およびリバーフィールドは、共同開発した眼内内視鏡・眼内照明保持ロボット「OQrimo(オクリモ)」の製品化に成功したことを発表した。
また、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)への、リバーフィールドによる一般医療機器販売届出が2023年4月13日に受理された。



眼科手術専用の手術支援ロボット

「OQrimo」は、眼科医の要望から生まれた眼科手術専用の手術支援ロボット。眼内手術を行う際、眼内内視鏡や眼内照明は重要なツールで、現在は片手でツールを保持しながら手術を行っているため、肝心の手術操作は(ツールを保持していない)もう一方の片手のみで行っている。そこで、より安全に眼内内視鏡や眼内照明を保持する手段があれば、術者は両手を使って操作を行うことができるようになることから開発に至った。

「OQrimo」はジンバル構造を有し、眼内内視鏡や眼内照明(ライトガイド)を把持し、意図する位置に自在に誘導します。フットコントローラーで、あたかも術者の「第3の手」のように滑らかに動くという。また、眼内の空間把握をサポートするマッピング画面を有し、より直感的な操作を実現している。術者は両手を自由に使えるようになり、これは特に難易度の高い眼内手術において重要なアドバンテージとなる。としている。



開発の背景

眼科手術支援ロボット開発は、2017年にAMED(日本医療研究開発機構)の「未来医療を実現する医療機器・システム研究開発事業」に採択され、AMED研究開発事業参加企業・研究機関をはじめとした研究機関・企業にて共同で開発、製品化を進めてきた。
また、OQrimoの開発過程において、アドバイザーの立場として各研究機関からの助言を踏まえながら、より医療の現場に対応できる製品の開発に努めてきた。


「OQrimo」(オクリモ)名前の由来

眼内を隈なく観察する探検者のようなロボットの特徴から、ラテン語で目を意味するoculous(オクラス)と、探検者を意味するrimor(リモール)のふたつを合わせてOQrimo®(オクリモ)とした。また、OQは両目を、特にQの部分は内視鏡で観察していることをイメージしたロゴとした。

共同開発の研究機関・企業
園田 康平 教授 (九州大学大学院医学研究院眼科学)
只野 耕太郎 准教授 (東京工業大学科学技術創成研究院未来産業技術研究所)
中尾 新太郎 教授 (順天堂大学大学院医学研究科眼科学)
木村 和博 教授 (山口大学大学院医学系研究科眼科学)
リバーフィールド株式会社

アドバイザー
大路 正人 教授 (滋賀医科大学眼科学)
喜多 美穂里 診療部長・眼科科長 (京都医療センター)
井上 真 教授 (杏林大学医学部眼科学)
厚東 隆志 准教授 (杏林大学医学部眼科学)
※一部敬称略


主な仕様

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ロボスタ編集部

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