国内最大規模の医療ビッグデータから学習した「マルチモーダルAI」の開発へ エクサウィザーズとMDVが締結 医療分野のDX活用促進

医療情報のデジタル化や統合は、国際的にも重要な課題とされているが、日本においては思うように進展していないのが現状だという。一方、AIの導入が急速に進み、多様なデータに対応できる柔軟でセキュアなプラットフォームと、それを最大限活用できる多面的な分析機能を持ったマルチモーダルAIの位置づけは以前にも増してその重要性が高まっている。

このような背景により、株式会社エクサウィザーズは、メディカル・データ・ビジョン株式会社(MDV)と、マルチモーダルAIを活用したデータ駆動型事業に関する業務提携の基本合意書を締結した事を2023年4月22日に発表した。

同合意により、MDVが保有する病院データ4322万人、保険者データ1911万人にも及ぶ国内最大規模の医療ビッグデータに、動画、画像、音声、テキストなど多様なデータを用いて予測や学習ができる、同社のマルチモーダルAIが活用される事によって、疾患の発症や再発予測、希少疾患分野でのサービス化、患者中心型のサービス開発などが期待される。





今回の業務提携の基本合意書締結について

社会課題解決に取り組むためにAIを利活用したサービスの開発・実装、戦略立案などの事業展開を行っている同社は、マルチセクター・マルチモーダル戦略として、独自のアルゴリズムを豊富に蓄積している。また、MDVは昨年来、オープンアライアンス戦略を本格化させており、国内最大規模(DV最新診療データmapより)の診療データベースを有効活用しようとする中で、エクサウィザーズを協業先の一つとして選んだ。両社が協力し、デジタルバイオマーカー(デジタル端末を用いて定量的に収集・測定された生体データ)や、リアルワールドデータ(実臨床・実社会から得られるデータ)など、膨大な医療データとAIを利活用するデータ駆動型事業を推進していくことで、今まで見えなかった潜在市場の特定や個別化したサービスの提供が可能になるとしている。


今後の展開について

上記サービスに加え、開発パイプラインが多いため、今後、更なる需要拡大が見込まれる希少疾患分野にも注力する予定だ。診療データをもとに潜在市場の特定やスクリーニングを実施し、希少疾患分野での患者中心型サービスプログラムの開発を行い、両社は、従来ではできなかった革新的な医療サービスの開発とその社会実装を目指すと述べている。なお同業務提携により、製薬企業や医療機関など幅広いユーザーを対象に、2023年度内にMDVのビッグデータとエクサウィザーズのマルチモーダル技術を掛け合わせた新サービスの提供を開始する予定で、その後も順次新しいサービスを提供していく。

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ロボスタ編集部

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