株式会社ベネッセホールディングスとパーソルキャリア株式会社の合弁会社である、株式会社ベネッセ i-キャリアが運営する、doda発の新卒オファーサービス「dodaキャンパス」は、大学3、4年生を対象に、就活における「ChatGPT(生成AIサービス)」の活用実態を調査し、その結果を2023年7月20日に発表した。
同調査結果によると、大学3、4年生の26.5%が、就活で「ChatGPT」の利用経験があることが明らかになった。また、就活での具体的な利用場面の1位は「企業の志望動機の作成」(63.6%)、利用した理由の1位は「時間短縮のため(企業分析やES作成などの作業時間)」(60%)であった。
また「ChatGPT」利用のメリットは、77.5%が「自分では思いつかない気づきが得られた」と回答。デメリットについては、「なかった(65.3%)」が最多であった。
逆に、「ChatGPT」の利用経験がない学生は、「必要性を感じない」「基本的に就活は自分の力でやりたい」「志望動機や自己PR文は自分の頭で考えて作りたい」などが理由となっていた。
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調査結果について
同調査では、「4人に1人」の大学3、4年生が、就活において、「ChatGPT」を利用した経験があることが明らかになった。具体的にどのような場面で活用したかについては、1位は「企業の志望動機の作成」(63.6%)で、2位の「自己PRの作成」(62.8%)と僅差であった。
利用した理由については、6割の学生が「時間短縮のため(企業分析やES作成などの作業時間)」と回答。2位も「時間短縮のため(今後のキャリアや自己分析などの思考整理)」(45.8%)となり、「ChatGPT」を利用することで確保できた時間を、思考の整理や自身を見つめ直す機会にするなど、有効に活用している学生が多いことが推測される。
また、3位は「話題になっているため/興味本位で」(43.3%)となり、「ChatGPT」などの生成AIサービスに対する学生の興味・関心の高さもうかがえる結果になった。なお、書類選考や面接対策などの就活において役立ったかについては、「役立っていない」と回答した学生は全体の5.8%のみとなっており、「ChatGPT」の利用が、自身の就活に何らかの形で役立ったと感じた学生が多く、就活に利用した学生に今後も「ChatGPT」を利用したいかの問には、63%の学生が「はい」と回答し、「いいえ」(37%)より27pt多い結果になった。
▼就活での具体的な利用場面の1位は「企業の志望動機の作成」
▼利用した理由の1位は「時間短縮のため(企業分析やES作成などの作業時間)」
▼利用のメリットとして77.5%が「自分では思いつかない気づきが得られた」と回答
▼利用のデメリットについては、「なかった」が最多
▼書類選考や面接対策においては、「多少役立った」が最多
▼63%の学生が「今後使ってみたい」と回答
「いまは使っていないが、今後は使いたい・使う可能性がある」学生の自由回答
「面接でよく聞かれる質問やES作成時の注意点などについては、時間短縮のため少し使いたいと思う」
「参考程度には使う可能性はあるが、できるだけ自分の言葉を使いたい」
「頼りすぎてはいけないけれどある程度は便利そう」
「上手な使い方をすれば就活の手助けになると思う」
「これから選考が増えるにつれ、活用していく必要が出てくると思う」
「面接練習といった使い方を見て、相手がいなくても練習できるのは便利だと思った」
就活に「ChatGPT」を利用しない学生について
同調査において、就活で「ChatGPT」を利用していない学生の回答をみると、就活に利用することに対する懸念や不安、面接時の不安、「ChatGPT」の信ぴょう性・信頼性や利用のリスクに対する不安、就活は極力自分の力でやりたいから、などが利用しない主な理由となっている。
就活に利用することに対する懸念や不安、面接時の不安があるから
「生成系AIを、目的を持って使うことが不正のように感じられ、気が引ける」
「『これはAIに書かせたものだな』と採用側に伝わると自分の印象が下がってしまう」
「自分の言葉で書くことができない場合、面接時に文章同様の対応ができないと判断した」
「ChatGPT」の信ぴょう性・信頼性や利用のリスクに対する不安
「精度が悪く、何より話したいことと文脈がずれて使い勝手が悪い」
「正確性、信ぴょう性に欠ける情報を含む場合がある」
「本当に自分のためになる情報を提供してくれる段階にあるとはまだ思えない」 など
就活は極力自分の力でやりたいから
「効率性よりも、自分の言葉で表すことに意義があると思う」
「志望動機や自己PR文は自分の頭で考えて作りたい」
「大学側から使用を禁止されているし、自分で考えることで達成感がある」 など
その他
「利用の必要性を感じない、利用するという考えや発想自体なかった」
「利用により、逆に時間がかかりそうなどの懸念や不安がある」
「『ChatGPT』を理解できていない、利用の機会がない」 など
dodaキャンパス編集長 岡本信也 氏
今回の調査では、就活において「ChatGPT」の利用経験を持つ大学3、4年生は、全体の26.5%という結果になりました。就活に利用した理由の多くは、「ChatGPT」の活用によって捻出できた時間を、企業や自己分析、今後のキャリアについて考える時間に充てたいというものが上位を占めており、実際の利用については、期待する一定の成果を感じている学生が多い結果となりました。
一方で、就活において「ChatGPT」を利用したことがない学生が、まだ大半を占めていることも明らかになりました。利用していない理由としてあがったコメントを分析すると、「自分の言葉や思いを大切にしたい」「利用に対する抵抗や気持ちの面での不安」「AI利用のリスクや倫理的な懸念」「文章の正確性と信頼性の重視」「『ChatGPT』の理解や知識不足」があげられています。AIに頼ることへの抵抗、学生自身の言葉で表現したい気持ち、就活へのリスクの不安、情報の正確性や信頼性においての懸念など、利用していない学生のリアルな気持ちや状況が浮き彫りになりました。またこれまで利用していない学生の中でも、今後は使いたい・使う可能性があるとの回答も見受けられました。
「ChatGPT」の利用に関しては、学生の就活利用に限らず、国や社会として明確な方針やガイドラインが定まっておらず、リスクも想定しきれていないというのが実情です。また、現時点では個人情報/プライバシー情報などがすべてデータ化されるリスクもあります。そのため、利用時にはこれらのリスクを正しく理解し、不確実・信ぴょう性のないものも含んだ膨大なデータをもとに予測した結果であること、「ChatGPT」の得意・不得意を理解、把握した上で利用することが大切です。また、日ごろから情報リテラシーを高めていくことも今後より重要になってくるでしょう。
▼調査概要
調査期間 | 2023年6月12日(月)~6月18日(日) |
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調査対象 | dodaキャンパス会員の大学3、4年生(25年卒、24年卒) |
調査方法 | Webアンケート回答方式 |
有効回答数 | 452人 |
doda発 新卒オファーサービス「dodaキャンパス」について
「dodaキャンパス」は、学生が自身の努力や学び・経験などをデータベースに蓄積し、個性を可視化することにより、企業が自社のキャリア教育プログラムやインターン・採用選考等のオファーを送ることができる「doda発 新卒オファーサービス」だ。2023年1月時点で約93万4,000人の学生が登録をしており、国内最大級の学生データベースを保有している。
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