ベネッセとソフトバンクロボティクスが生成AIを搭載した幼児向け会話型新サービスAI「しまじろう」を共同開発
ベネッセとソフトバンクロボティクスは、生成AIを搭載した幼児向け会話型新サービスAI「しまじろう」を共同開発したと発表した。年少向け講座「こどもちゃれんじ ほっぷ」4月号受講者から抽選で1万名にモニター提供を行う。
ベネッセは生成AIを活用したサービスの開発を検討
これからの“変化の激しい未来”を生きる子どもたちにとって、「コミュニケーション力」「主体性・発信力」「課題解決力」といった資質がこれまで以上に必要になると考えられている。
ベネッセは、そうした資質の基盤となる「言葉の豊かさ」を育むために、「こどもちゃれんじ」で培った35年にわたる幼児教育の知見を活かし、生成AIを活用したサービスの開発を検討をしていた。この考えに「生成AIの活用知見」とロボット開発において豊かな実績があるソフトバンクロボティクスが賛同し、両社で共同開発を行うことを決定した。
今回は研究開発という位置づけで、「こどもちゃれんじ」年少向け講座「ほっぷ」受講者限定でモニターを募集。無料で体験をしてもらいユーザーの意見を参考にしながら、今後の本格導入に向け、ブラッシュアップを続けていきたいとしている。今後の本格導入に向けての詳細は両社で検討中とのことだ。
AI「しまじろう」商品概要
AI「しまじろう」は、専用のスマートフォンアプリと、スマートフォンをホールドできる専用の「しまじろうぬいぐるみ」を組み合わせて使用。
しまじろうの声を再現したAI「しまじろう」と子どもが自由に会話できる「おしゃべり」機能や、子ども一人でも飽きずに取り組める「あそび」機能などを搭載。さらに、会話中の子どもの感情や興味の動きについて、専用サイトで保護者にレポートを行う機能も有している。
1:しまじろうと自由に会話できる「おしゃべり」機能
「こどもちゃれんじ」で培った35年のノウハウを活かし、生成AIを独自にカスタマイズ。年少に合った会話テーマをしまじろうから投げかけるため、自然とお子んの語彙を増やしていくことができる。
2:お子さん一人で取り組める「あそび」機能
しまじろうと一緒にできるごっこ遊び・連想ゲームなど20種以上の「あそび」や、40種以上の一緒に歌える「うた」や「おはなし」 の読み聞かせまで、子ども一人でも継続的に遊べて、しまじろうと楽しめるコンテンツが充実している。
3:全機能「英語」に対応
「おしゃべり」「あそび」「うた」「おはなし」は、日本語だけでなく英語にも対応。しまじろうと会話しながらたっぷり英語を聞くことができるので、年少のうちに伸ばしておきたい英語力の基礎が身につく。
4:しまじろうとの会話内容を保護者の方へレポート
しまじろうとの「おしゃべり」や「あそび」の中で見えた「興味」や「感情」をAIが分析し、専用サイトでレポートを表示。お子さんの成長が見えることに加え、気づかなかった興味や好きを発見し、伸ばしてあげることをサポートが可能となっている。
提供方法
提供方法 | 年少向け講座<こどもちゃれんじ ほっぷ>4月号受講者から抽選で1万名様に無料で提供 |
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申込ページ | https://shimajiro.benesse.ne.jp/cp/35th/ |
モニター利用期間 | 当選者に2024年5月中旬にお届け、2024年7月31日まで利用可能 ※モニター期間は、アンケートなど本商品のフィードバックにも協力してもらい、商品向上に役立てるとしている |
研究開発・モニター提供背景
直近の幼児と保護者を取り巻く環境変化として、共働き世帯は増加し、「忙しく子と十分に関わり切れない」という課題を抱えている保護者が増えており、なかでもワーキングマザーは、5年前と比較して18%も増加傾向が続いている(図1)。
一方で、“変化の激しい未来”を生きる子どもたちにとって、「コミュニケーション力」「主体性・発信力」「課題解決力」といった資質がこれまで以上に必要になると考えられている。ベネッセが2023年に実施した保護者調査によると、子どもに身につけさせたい力として、「生活習慣」に次いで「言葉による伝え合い」が高く、また「基礎学力」や「英語力」を身につけさせたいと考えており、忙しい中でも、生活習慣などだけではなく「コミュニケーション能力を高めたい」「英語の力をつけたい」といったニーズが高いことも分かっている(図2)。
加えて、昨今のAI技術の進化、特にChatGPTに代表される「生成AI」の進化は飛躍的なものになっており、多くの企業・サービスでの実装が検討されている。ベネッセにおいても「自由研究」や「教科質問」において、生成AIを活用したサービスを提供してきた。
そうした顧客の変化や技術の進化を受け、ベネッセの「こどもちゃれんじ」が持つ幼児教育の知見やノウハウをと、ロボット開発において実績があるソフトバンクロボティクスの「生成AIの活用知見」を活かし、両社による共同開発とサービスのモニター提供を決定した。今回は研究開発という位置づけで、モニターを募集し無料で体験をしてもらい、顧客の多くの意見を参考にしながら、今後の本格導入に向け、ブラッシュアップを続けていきたいと考えており、今後の本格導入に向けての詳細は両社で検討中とのこと。
なお、ベネッセは「Generative AI Japan」の理事、ソフトバンクロボティクスは会員企業で、その縁もあり今回の共同開発を行う運びになった。「Generative AI Japan」においても、このような企業間コラボなどの事例を今後増やしていくとしている。