株式会社LIFESCAPESは、脳卒中などによって手指の運動機能が低下した人を対象に使用する医療機器「LIFESCAPES 医療用BMI(手指タイプ)」の販売を開始する。
脳の生体信号を読み取り、思考や意図を機器に伝えて操作する「ブレイン・マシン・インターフェース」(BMI)技術を応用した製品となる。医薬品医療機器総合機構(PMDA)との事前相談の上、第三者認証機関での審査を受けた結果、3月26日付で医療機器認証を取得、4月11日付で厚生労働省に保険適用申請を行なった。
「LIFESCAPES 医療用BMI(手指タイプ)」の受注は2024年5月より開始し、量産完了後の6月から随時出荷を予定している。
なお、2024年6月13日(木)~16日(日)に東京都渋谷区で開催される予定の「第61回日本リハビリテーション医学会学術集会」において当該医療機器の実機と、先行利用中の複数の医療機関様における治療実績が確認できるとしている。
リハビリをBMI対応機器で支援
「LIFESCAPES 医療用BMI」はBMI技術を応用し、脳が従来もつ「可塑性」という性質を引き出し、重度麻痺の残る患者のリハビリテーションにおいて、手指等の筋力を維持、回復させることを目的としている。
LIFESCAPESが今般販売を開始する医療機器は、麻痺患者が手指の機能訓練を繰り返し行う中で、BMI技術を応用して頭皮上から生体信号を検出。意図した生体信号が検出されたタイミングで麻痺部に装着したロボットを駆動させ、麻痺の回復をうながす。
回復後は、本製品を体から外した状態でも患者の意志で麻痺した手を再び動かせるようになることを目指す。
多くの医療機関で導入予定
同「医療用BMI」は、2024年6月以降に順天堂大学医学部附属病院順天堂医院リハビリテーション科、世田谷記念病院、豊中平成病院、十勝リハビリテーションセンター、藍の都脳神経外科病院、田上記念病院、さいたま岩槻病院など多くの病院への導入が開始される。また、先行発売済みの「機能訓練用BMI(手指タイプ)」は、JFリハビリテーションクリニック、北海道大学病院、柏葉脳神経外科病院、名古屋市立大学医学部附属みらい光生病院、偕行会リハビリテーション病院、名古屋市総合リハビリテーションセンター附属病院、鹿児島大学病院などで順次、利用が開始されている。
今後の展開
同社は今後、本製品を全国の医療機関に届け。臨床での使いこなし方を支援するほか、ヘッドフォン型脳波計とタブレットPCで構成されたポータブル型BMI製品を開発し、より機器を簡易化させることで、病棟のベッドサイドや退院後の在宅リハビリでの利用を実現させていく考えだ。
<製品の概要>
株式会社LIFESCAPES
LIFESCAPES代表の牛場潤一氏のコメント
LIFESCAPES代表の牛場潤一氏は次のようにコメントしている。
牛場潤一氏
脳と機械をつなぐBMI技術を応用し、製品として開発を進めてきた本品が、このたび医療機器として認められ、リハビリテーション医療の選択肢の1つに加わったことをとても嬉しく思います。医療機関の皆様とともにBMIの臨床での使いこなし方の研究を進めながら、「治ることを諦めない」リハビリテーション医療の創造と発展に貢献してまいります。
今回の認証取得までに、東京都、NEDO等の助成金、並びに多くの出資者のご協力を頂戴して参りました。多大なるご支援に改めまして御礼を申し上げます。
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