アシストスーツを製造・販売する、東京理科大学発スタートアップの株式会社イノフィスは、ニラ、アスパラガスの産地、山形県最上町の黒沢地区に、サポータータイプで腰の負担を35%軽減するアシストスーツ「マッスルスーツ Soft-Power」を40台納品したと発表した。アシストスーツは、農作業時の中腰姿勢やコンテナ運搬時の身体的負担軽減、営農継続に寄与する。「マッスルスーツ Soft-Power」のメーカー希望小売価格は税込59,400円。
全国へ合計550トン超を出荷するアスパラガスとニラの収穫と出荷を支援
最上町は2004年に産地化に向けて栽培を始めて以降、現在では山形県内一のアスパラガス生産量を誇り、出荷量も400トンを超えるほど急成長中。また、主力ブランド「達者de菜」を全国に約176トン出荷するニラも主要産業だ。
しかしながら、常に付きまとっているのは、農業従事者減少による「担い手不足」。農業の倒産は2年連続で最多を更新し、基幹的農業従事者数人口は2005年時点では224.1万人いたところ、2023年の推概数値では約半分の116.4万人まで減少している。(農林水産省 農業労働力に関する統計より)
さらに、山形県の耕地面積や総農家数の約6割を、中山間地域(山間地やその周りの地域、その他地理的条件が悪く、農業をするのに不利な地域)が占めており、平地等に比べて高齢化や人口減少が進行。人材の問題だけではなく、急傾斜かつ長大で、草刈り機などの大型機械が入れない場所もあり、まだまだ人の手で収穫をしている農家も多く存在している。営農を維持するにも、身体的負担感を軽減するアシストスーツのようなツール導入が急務だった。
山形県最上町黒沢集落協定のコメント
山形県最上町黒沢集落協定からは、下記のコメントが寄せられている。
山形県最上町黒沢集落協定
山形県最上町黒沢地区は、ニラ、アスパラガスの生産が盛んなエリアです。農業機械導入にかかるコストの高騰や農業用施設の損害(水路など)、農作業に起因する腰の怪我などで営農を断念する方もおり、産地維持の取組が急務です。これまでは中山間地域等直接支払交付金事業を活用して農業機械などを導入し生産者に貸出し、経営面で営農支援を行ってきましたが、今年度からは、生産者の身体的負荷軽減の取組を進めることを決め、アシストスーツ導入を進めました。中腰姿勢の負担を軽減できるしっかりとした補助力はもちろんのこと、連続作業や軽トラック、農業機械に乗ることも想定し、装着した状態で運転ができる利便性や動きやすさ、着脱のしやすさも重視して「マッスルスーツ Soft-Power」を導入することといたしました。
他製品と比べ電力不使用で価格面での導入ハードルも低く、使用している生産者の方からは「中腰姿勢が楽になって助かっている」、「腰の負担軽減を実感できる」といった好評の声が出ています。作業中の腰の負担軽減を実感してもらい、怪我が原因で営農を断念する方を減らし、営農継続の一助に繋がることを期待しています。
イノフェス「マッスルスーツSoft-Power」(ソフトパワー)について
マッスルスーツシリーズで培った人工筋肉のアシスト技術をサポーターの背面部に組み込むことで、サポータータイプでは同社では最強クラスの補助力を実現。腰の負担を35%軽減する(同社調べ)。製造・物流倉庫での持ち上げ・持ち運び作業や、介護現場でのつらい姿勢維持、農作業の前傾姿勢など腰に負担のかかる作業で効果を発揮する。
サイズ:1サイズ(適用身長:150㎝~190㎝、ウエストサイズ:フリー)
メーカー希望小売価格:59,400円(税込)
ブランドサイト:https://musclesuit.co.jp/soft_power/