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日本通運が物流倉庫に電源不要サポータータイプの「アシストスーツ」を4基導入　荷役作業の身体的負担を軽減へ　イノフィス

2024年5月30日 By ロボスタ編集部

東京理科大学発のスタートアップ企業、株式会社イノフィスは、日本通運で貨物の保管や出荷などの倉庫業務を行う相模原オペレーション課に、電源不要のサポータータイプではハイエンドクラスの補助力を持ち、腰の負担を35％軽減するアシストスーツ「マッスルスーツ Soft-Power」（ソフトパワー）を4台納品したことを発表した。このアシストスーツは、物流倉庫などの荷役作業時に足腰の筋力を補完し、スタッフの身体的な負担軽減が期待できる。

現場の課題「従業員の身体的負担感」の軽減に

倉庫内作業ではICTやロボット導入など、倉庫内作業のDX化が急速に進む一方で、数十ある荷役作業工程のすべてを省人化することは難しく、保管用のパレット積み替えや、段ボールを開封して中身を取り出す作業、パレットに荷物の結束作業など、細かな人力作業はそのまま残っているケースが多い。このような作業が従業員の身体的負担感を生み出している。と同社は分析する。

また、様々な業界が人手不足に悩む中、特に身体的負担の大きい作業場は嫌厭され、さらに少子高齢化によって、若い世代の確保が厳しく、ベテラン作業員への負荷が増大しているが実状だ。
腰痛による身体への負担は、労災認定される可能性も高く、仕事の継続ができなくなって離職してしまうほど深刻なケースに発展する場合もある。さらに昨今は、EC需要の増加により、小口多品種化が進み、現場の作業量も増加。燃料高騰や物流コスト削減のニーズも高まり、待遇改善には舵を切りづらいという課題もある。
これらの過酷な作業環境による身体的負担を、なるべくローコストで減らすことが、物流業界の今の人材課題を解決する一つだとしている。

日本通運、導入までの流れ

日本通運の相模原オペレーション課は、製造業の企業から委託を受けて、貨物の保管や出荷などの倉庫業務を行っている部署。倉庫での荷役作業というと、パレットを使ったフォークリフト運搬を想像する人が多いが、実は、納品された荷物を、保管用のパレットに積み替える作業や、段ボールを開封して中身を取り出す作業、パレットに荷物を結束する際の作業など、人が行う作業も多く存在している。それによる腰の痛みを訴えるケースも多い。特定の作業者に負荷が偏ることがないような作業ローテーションを組む工夫をしても、それにも限界があり、数年前から作業中の従業員の身体的負担軽減のために、アシストスーツを含む様々な外的補填を検討してきた。そんな矢先、イノフィス社が動きやすい新製品を発売したと知り、現場でトライアルしたという。

日本通運のコメント

イノフィス社だけではありませんが、バネや空気圧などの力を利用した外骨格型のアシストスーツだと、大きすぎて荷役作業では邪魔になるものもありましたが、今回納品いただきました「マッスルスーツ Soft-Power （ソフトパワー）」は、動きやすさはありつつも補助力も実感でき、当社の作業に合致すると判断ができたため導入することにいたしました。
従業員からも、「装着することで正しい姿勢が保てる」「腰の負担の軽減が実感できている」という、身体的負担の改善の声が出ています。

マッスルスーツ Soft-Powerについて

今回導入した「マッスルスーツ Soft-Power」（ソフトパワー）は電源接続やバッテリーが不要。屋内外問わず、さまざまな作業シーンで活躍する、サポータータイプのマッスルスーツ。マッスルスーツシリーズで培った人工筋肉のアシスト技術をサポーターの背面部に組み込むことで、サポータータイプでは最強クラスの補助力を実現するという。

腰の負担は35％軽減(同社調べ)。製造・物流倉庫での持ち上げ・持ち運び作業や、介護現場でのつらい姿勢維持、農作業の前傾姿勢など腰に負担のかかる作業で効果を発揮する。