イノフィス 新タイプのアシストスーツを発売開始 外骨格型とサポーター型(内骨格型)の利点を両立 日本シグマックスと連携

東京理科大学発ベンチャーのイノフィスは、医療用およびスポーツ用サポーターやリハビリ関連製品など、運動器を対象とした製品を広く展開する日本シグマックスと共同開発した新たなタイプのアシストスーツ「マッスルスーツSoft-Power(ソフトパワー)」を、2023年6月27日より、全国の販売代理店やマッスルスーツブランドサイト内のECショップで販売を開始した。

外骨格型のイノフィスとサポーター型の日本シグマックスが新タイプのアシストスーツを共同開発

イノフィスは人工筋肉の開発やマッスルスーツの開発を長年手掛けてきたことによりロボットの開発技術には知見があったが、サポーターに代表されるような縫製製品については知見が乏しい状態だったが、一方のサポーターメーカーとして先駆である日本シグマックスもまた製品開発に課題を抱えており、双方の課題を共有したことで両社で協力して商品開発をしていくことになった。

2022年より約1年をかけてアシストスーツ市場の現状や今後の市場拡大に向けて取り組むべき課題を検討し、今後のアシストスーツにはサポート力を強みとする外骨格型と、動きの自由度が高いサポーター型、双方を組み合わせた今までにないタイプのアシストスーツを開発する必要があると考え、2023年3月にアシストスーツに関する製造委託および共同開発をすることで同意。

協業第1弾として、共同開発製品であるサポーター型アシストスーツ「マッスルスーツSoft-Light(ソフトライト)」を発売し、今回満を持して共同開発製品に「マッスルスーツSoft-Power」の発表に至った。


マッスルスーツSoft-Power 着用画像

「マッスルスーツSoft-Power」の発売に対して、日本シグマックスの河野氏、マッスルスーツSoft-Power開発者の東京理科大学工学部機械工学科の小林教授がコメントを寄せている。

日本シグマックス株式会社 商品企画開発部 部長 河野光裕 氏

当社は長きにわたるサポーター開発を通じて「必要な固定力や制動力を持たせながらユーザーの動きを考慮した快適な装着感を実現するノウハウ」を蓄積してきました。
今回の製品ではこの当社の強みを活かしつつ新たに人工筋肉の技術を応用したアシスト技術を搭載することで、サポーター生地だけでは実現できないサポート力を発揮する製品を開発することができました。また小林先生はじめイノフィス社が持つ製品検証のノウハウもお借りすることで、労働現場で求められる機能性と耐久性が短期間で確認でき、製品化を早期に実現することができました。両社のノウハウを統合したこの製品が一人でも多くの労働者の体を守ることに繋がればと思います。


マッスルスーツSoft-Power開発者 東京理科大学工学部機械工学科 小林宏 教授

これまで歴代のマッスルスーツを研究・開発してきましたが、今までもずっと人々のお困りごとから発想し”本当に必要だ”と思えるものを生みだしてきました。日本シグマックス社と協業したマッスルスーツSoft-Powerにおいても、その点は全く変わっていません。今製品では、今まで長年の開発で積み上げてきた人工筋肉の技術を応用したアシスト力と、軽量で人の動きを制限しない仕様を両立することができました。
今後もマッスルスーツの開発は継続しますが、今回の協業によって生まれたマッスルスーツSoft-Powerが多くの方の労働環境改善や身体の悩みの解決に寄与することを願っています。


着用しやすさと低価格帯はそのままに人工筋肉の技術でしっかりとしたアシスト力を実現

アシストスーツは、大きく「外骨格型」「サポーター型(内骨格型)」の2つに分けられる。

「外骨格型」は、バネや空気圧、またはモーターなどを用いることで、人工的に筋肉のような作用を作り出し、補助力を発揮。サポーター型に比べると補助力が強く、重い物の持ち運び作業や、長時間同じ姿勢で作業をするような身体的負荷の大きい場面で特に効果を発揮するが、外骨格部分(フレーム)が大きいため、作業スペースが狭い場所では動きにくさを感じることがあり、サポーター型よりも価格帯が高いものが多い。

一方の「サポーター型」は、生地素材の反発力や収縮力を利用した着るタイプのアシストスーツとなっており、軽くて装着しやすく、動きの自由度が高く、安価に手に入れやすいという魅力だが、補助力は外骨格型より小さくなる。

今回開発したアシストスーツは、サポーター型にイノフィスが培った人工筋肉の技術を搭載。それによりサポーター型のような軽さと装着しやすさ、自由度の高さがありながら、しっかりとしたアシスト力を実現させた。さらに、一般の方でもお求めやすい価格帯のため、仕事現場だけではなく、自宅での介護や農作業が趣味の方など幅広い場面で使うことができるとしている。

マッスルスーツSoft-Powerの特徴・概要

人工筋肉の技術を応用したアシスト技術を搭載


マッスルスーツシリーズで培った人工筋肉のアシスト技術をサポーターの背面部に組み込むことで、サポータータイプでは最強クラスの補助力を実現し腰の負担を35%軽減。製造・物流倉庫での持ち上げ・持ち運び作業や、介護現場でのつらい姿勢維持、農作業の前傾姿勢など腰に負担のかかる作業で効果を発揮する。

衣服のような着け心地

本体重量は430gと軽量で、歩く・しゃがむなど動きの多い作業に最適。また、身体への接触面積が小さいため暑さを感じにくく、夏場も気軽に着用が可能。肩のバックルでサポートのオン・オフを切り替えることができるため着用したままで車両の運転もでき、一日中着用し続けていても疲れを感じさせない。


マッスルスーツSoft-Power着用作業時の使用例
製品概要

・電気不要:屋内外問わず、さまざまな作業シーンで活躍。IP56性能
・しっかりとしたアシスト力:腰の負担を35%軽減。
・軽やかな着心地:狭い作業スペース、夏場の作業、動きの多い作業に最適

製品名 マッスルスーツSoft-Power(ソフトパワー)
メーカー希望小売価格 59,400円(税込)
サイズ 1サイズ
(適用身長:150㎝~190㎝、ウエストサイズ:フリー)
販売チャネル 全国の販売代理店、マッスルスーツブランドサイト内のECショップ


ABOUT THE AUTHOR / 

ロボスタ編集部

ロボスタ編集部では、ロボット業界の最新ニュースや最新レポートなどをお届けします。是非ご注目ください。

PR

連載・コラム