ボストン・ダイナミクスとトヨタ(TRI)、ヒューマノイド向け大規模行動モデルの開発状況を動画で公開

ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)は、ヒューマノイド「Atlas」向けの大規模行動モデル(LBM)の開発進捗状況の一部をYouTube動画「Getting a Leg up with End-to-end Neural Networks | Boston Dynamics」で公開した。
この技術は、トヨタ自動車の研究機関、トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)とボストン・ダイナミクスのAI研究チームが共同研究しているもの。
ボストン・ダイナミクスとTRIは一般用途のヒューマノイド(人型)ロボットの開発加速を目的とした共同研究契約を2024年10月16日に発表している。
ボストン・ダイナミクスは「Atlasが長期的な操作タスクを実行できるよう、エンドツーエンドの言語条件付きポリシーを構築しています」とコメントしている。
■動画
エンドツーエンド(End-to-End)とは
AIロボット分野での「エンドツーエンド(End-to-End)」というワードは、入力から出力までを一つの統合されたモデルやシステムで直接処理すること。
従来のロボット制御では、「認識(カメラで物体を検出する)」「理解(検出した物体の位置や意味を解析)」「計画(どう動くかのルートやアクションを計算)」「制御(モーターを動かす)」という工程で行われていた。
一方「エンドツーエンド」は、画像や音声などのデータを入力して直接、「行動(モーターのトルク値や移動指令など)」を出力する。中間のプロセスを設けずに学習・実行する方式。
ロボットでは、「カメラ画像を入力」して「ロボットアームの関節角度」を生成する、「マイク音声を入力」して「ロボットの返答動作」を直接決めるなどが例となる。
「人間が細かくルールや中間処理を設計しなくても強化学習で最適化できる」「大規模データでトレーニングすれば、高度な行動が獲得できる」などのメリットがある。
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