
身体能力が高いヒューマノイド「Unitree G1」同士が、キックボクシングのような立ち技格闘技を競う「Unitree Combat Competition(ユニツリー・コンバット・コンペティション)」が、2025年5月25日に中国・杭州で開催された。世界初のヒューマノイドロボットによる格闘大会とされる。
この大会は、中国メディアグループ(CMG)が主催する「World Robot Competition – Mecha Fighting Series」のひとつとして行われた。なお「Unitree G1」は、身長約132cm、重量約35kgのヒューマノイドで、既に市販されている。
なお、今回の格闘競技上の、伝え聞くルールとしては、1試合が3ラウンド制(各ラウンド2分間)、頭部や胴体への攻撃が得点の対象となっていて、パンチは1点、キックは3点とされているという。
ロボットは自律ではなくオペレータ(人)による遠隔操作で動いているが、体幹バランス等はAIによる自律制御でおこなわれている。
なお今後は、2025年12月に深圳で、ヒューマノイドロボットによる格闘大会「EngineAI Robot Free Combat Tournament」の開催が予定されている。
■ハイライト動画
世界の有識者は観衆はどう見たか?
この大会は事前にUnitreeのYouTube動画で開催が予告されていたこともあり、ロボティクスとAI技術の進展の上で画期的なイベントとして注目された。ただ、もちろん賛否の両意見がある。
賛成意見として多いのが「高度な身体能力を追求する競技」に対するロボティクスとAIの進化を期待する声。また、ロボット格闘技というエンタメ要素によって、若者や社会の関心が寄せられることに好意的な意見も見られ、ロボット技術の裾野が広がることへの期待も見られた。
否定的な意見として多いのはまずは「倫理的・軍事的懸念」。将来的に軍事利用に繋がる可能性や、ロボットの暴力の正当化に繋がる懸念の声が見られる(ロボット技術の武器転用や兵器化への懸念の意識は強い)。
また、人間の格闘技の場合は、身体的なダメージ(痛みや意識が飛ぶなど)が勝敗を左右するのに対して、実際にはロボットの場合はこれらとは異なるダメージが勝敗に関わるため、人間の格闘技を模した形式で競技することに対して批判的な声もあった。
また、ロボット技術への過度な期待が、社会の実用性の現実とのギャップを生む懸念を指摘する声もあり、メディアによる過剰な報道が、現時点での実用性を見誤らせる要因になるという意見も見られた。
ロボットによる競技は見るものを魅了する要素があるものの、実用面でのヒューマノイドの進化を伴う競技を期待する場合は、今後の技術開発と社会的受容のバランスを考慮した競技形態が望まれるだろう。
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