藤田医大&川崎重工 2種ロボット連携で検体配送から検査機器投入の自動化を世界初実現!

藤田医科大学(以下、藤田医大)と川崎重工業株式会社(以下、川崎重工)は、医療従事者の負担軽減・業務効率化による質の高い医療の持続的提供の実現に向けた取り組みとして、藤田医科大学岡崎医療センター(愛知県岡崎市)において、川崎重工の2種類のサービスロボットを連携させた実証実験に成功したと発表した。

 

世界初の成果を達成

今回の成功は、ロボットの連携による臨床検体の配送から臨床検査機器への投入までの自動化を実現した世界初の事例となる。実証実験では、屋内配送用サービスロボット「FORRO(フォーロ)」とアーム付き自律走行型サービスロボット「Nyokkey(ニョッキー)」の2種類のサービスロボットが連携して動作した。

FORRO(左)とNyokkey(右)

実験は2025年8月4日(月)から6日(水)にかけて実施され、「FORRO」が病棟から検査室まで検体の自動配送を行い、「Nyokkey」が「FORRO」の荷室から臨床検体を取り出し、臨床検査機器に自動投入するという一連の動作を実現している。

 

 

背景と目的

日本では高齢化に伴う患者数の増加、労働人口減少による医療従事者の確保が課題となっている。質の高い医療を持続的かつ安定的に提供し続けるためには、医療現場の業務の自動化により、医療従事者の負担軽減や業務効率化を推進し、医療従事者が専門業務にしっかりと向き合える環境を整備することが不可欠。

藤田医大と川崎重工は、医療現場におけるロボットの活用を通して、これまで自動化されてこなかった業務をロボットに代替させることで、医療従事者の負担軽減と業務効率化を実現することを目的に実証実験を実施した。

 

導入効果の検証も実施

実証実験では、検体の配送や検査業務に携わる看護師や臨床検査技師などの医療従事者の業務負担軽減に関する検証・評価も行った。その検証・評価には、川崎重工が提供する屋内外位置情報ソリューション「mapxus Driven by Kawasaki(マプサス・ドリブン・バイ・カワサキ)」を利用している。

本ソリューションのもと、検体配送に携わる医療従事者が所持する位置情報発信デバイスにより、移動距離などを計測し、ロボットの導入効果を定量的に評価する。なお、今回の実証実験には、愛知県の「ロボット未活用領域導入検証補助金」を活用。

 

使用されたロボットについて

「FORRO」は、川崎重工が「ヒトは、ヒトにしかできないことを。」をコンセプトに、深刻化する労働力不足に対するこたえのひとつとして創出したサービスロボットである。医療従事者とともに働くパートナーであるとともに、患者からも親しみを持って迎えられる外観を備えている。

「Nyokkey」は、用途に応じて柔軟に活用できる汎用プラットフォームとして開発したサービスロボットだ。これまで産業用ロボットが使用されてきた製造業などの工業分野だけではなく、介護施設、インフラ施設、飲食店といったサービス分野、命を支える医療分野まで領域を広げ、業務の効率化、省人化に貢献することができる。

 

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杉田 大樹

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