
川崎重工業は、三井不動産レジデンシャルおよび三菱地所レジデンスが共同開発した分譲マンション「三田ガーデンヒルズ」において、屋内配送用サービスロボット「FORRO」(フォーロ)を活用したロボットポーターサービス「FORRO PORTER」の本格稼働を開始したと発表した。配送経路距離は約6.6kmで、マンション向けロボットポーターサービスとしては国内最大級の規模となる。
マンション内での荷物搬送を支援、リピート利用率は50%以上
同サービスは、大成建設が提供するロボット統合管制プラットフォーム「RoboHUB」を基盤として運用され、マンション内で4台のロボットがポーター業務を担う。居住者は帰宅時にエントランスでロボットへ荷物を預け、住戸前で受け取る。外出時には室内からアプリを用いてロボットを呼び出し、荷物をエントランスまで搬送させることが可能だ。
2025年3月の試験導入以降、約3ヶ月間のリピート利用率は50%以上を記録した。ポーターサービスのうち20%以上がロボットによる配送だった。ロボットは最大積載重量30kgの荷室を備え、日常の買い物から旅行用キャリーバッグまで対応できる。加えて、利用者専用のアプリで解錠可能な扉付きの荷室によって、荷物は高い安全性を保ちながら配送される。
複雑な住環境における自律走行が可能
三田ガーデンヒルズは、敷地面積約25,000㎡、総戸数1,002戸を有する大規模レジデンス。複数の住居棟が中央の中庭を囲むように配置され、棟間は共用廊下によって接続されている。このような移動距離の長い複雑な構造環境において、FORROは目的地までの最適なルートを自律的に走行する。RoboHUBを通じて、エレベーターやオートドアとも連動し、複数のセキュリティエリアを経由したスムーズな移動が可能だ。
本プロジェクトは、社会課題となっている人手不足を背景に、人的サービスの業務負担軽減や業務効率化を目的として展開されている。三田ガーデンヒルズは、ポーター業務にとどまらず、警備や清掃などにもロボットを導入している。
今後も先進的な技術の活用を通じて、居住者にとって快適な住環境の提供を目指すとともに、労働環境の改善により人手不足解消と働きがいのある職場の実現を両立させる方針だ。
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