
次世代型ウェアラブル脳波計の開発とニューロテクノロジーの社会実装を行うVIE株式会社は、NTTドコモビジネス株式会社の事業共創プログラム「OPEN HUB for Smart World」のインスタレーション「Mindscape Entry」において、イヤホン型脳波計とニューロミュージック、脳波解析システムを提供したと発表した。空間設計と体験デザインは、クリエイティブスタジオ ワットエバー株式会社が担当している。
「Mindscape Entry」はOPEN HUB Parkのエントランスに常設する体験型インスタレーションとして設計された。来場者が「脳をととのえる」体験を通じてチームの一体感を育み、新たなビジネス創出に向けたマインドセットを形成することを目的としている。
なお「インスタレーション」とは、空間そのものを現代美術作品として体験させる表現方法のこと。
■OPEN HUB for Smart World Mindscape Entry
脳波の変化をリアルタイムで可視化
本作品では、来場者がイヤホン型の脳波計を装着し、ニューロミュージックに身をゆだねることで、脳波の変化がリアルタイムに可視化される。集中した時に山が隆起し、リラックスした時に地形が穏やかになるなど、体験者の脳の状態が風景となって映し出される仕組みだ。
さらに、生成AIが体験者ごとの脳波に応じて異なる風景を描き出し、それらが一つの画面上で重なり合うことで、その瞬間にしか現れない、唯一無二の世界が形成される。
没入感のある体験に向けて3つの技術を提供
VIEは本インスタレーションにおいて、3つのの技術領域で協力している。有線版イヤホン型脳波計では、音楽リスニングと同時に脳波測定が可能な装置を提供。一般的な脳波計とは異なり、違和感のない装着性と有線ならではの安定性を両立し、常設展示においても適した運用性を備えている。
ニューロミュージックによる脳波誘導技術では、脳波に影響を与えるよう科学的に設計された音楽を活用。VIE独自のこの技術により、リラックス状態(シータ波)から集中状態(ガンマ波)への脳波誘導を実現している。
脳波解析システムでは、体験者の脳波データをその場でリアルタイムに解析し、集中しているほど地形が大きく盛り上がるように画面上に表現。音楽のリズムや音の強さに合わせて光や粒子が連動して動く演出を加えることで、見て・聴いて感じられる没入感のある体験を実現している。
VIEは2024年に3億円以上を調達、ニューロテクノロジーの普及を推進
VIEは「味わい深い人生を ~Live Connected,Feel the Life.~」をミッションに掲げ、ニューロテクノロジーとエンターテインメントの力を融合させ、感性豊かな社会の実現を目指している。
これまで製薬会社や大学研究機関、企業との連携を通じ、ウェアラブル脳波計やニューロテクノロジーを活用したサービスの開発を推進。特に日常生活で簡易にEEG(脳波)を測定できる技術を実現し、感性の可視化を支援する製品や技術を展開している。
2024年3月には、製薬会社や事業会社などからシリーズA1ラウンドで3.05億円を調達し、研究開発および事業開発のさらなる推進に取り組んでいる。今後も、ニューロテクノロジーの普及と、ウェルビーイングや医療分野への貢献を一層進めていく方針だ。
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