「CEATEC JAPAN 2017」において、日立が人に寄り添うコミュニケーション電球ロボを展示した。
日立製作所ブースでは、全体の超スマート社会の実現をコンセプトに展開を行っているが、その中に高齢者に寄り添い、長期間一緒に過ごすロボットのコンセプト「Robot Who Ages with me」を展示している。
高齢者に寄り添うコミュニケーションロボットでこれが実にユニークだ。
想定としては、認知症が進行する恐れがあると診断された高齢者の元にやってきて、高齢者と一緒に服薬管理をしたり、繰り返し同じものを購入しようとした症状を確認したときに、それとなくそれを指摘したりする。
デモ動画では認知機能が下がって高齢者の元にやってきたロボットが、まだ家にたくさんあるリンゴを注文しようとする高齢者の方に対して「家にリンゴがたくさんあるけれど、リンゴを注文してお友達にプレゼントするの?」といった、高齢者を不安にしないよう気配りのある言い回しで指摘する様子が描かれている。
また、高齢者はパイを作るのが好きなのだが、昨年焼いたパイの記憶を一緒にたどったり、そのパイの材料を思い出すことで、認知機能の低下を抑止することなどが綴られている。
日立ブースでは実際にこのロボットが展示されている。デザインのコンセプトはズバリ、見ての通り電球だ。
ロボットが家庭に入る場合、身近で見覚えのあるカタチをしたものの方が、すんなりと入りやすいという考え方から、あえて電球をベースにデザインが考案された。
インタクションが可能で言語による簡単なコミュニケーションがとれる。
特筆すべきはノンバーバルの部分。
人が笑えばロボットも笑うという「表情模倣」と、人が「あの薬が・・・」と言えばロボットも同じものを見るという「共同注意」を実装したデモを行っている。
動画では電球部分のフリッカーが出てしまって少し見づらいのだが、実際のデモではチカチカはなく、人の表情に合わせて、ロボットも笑ったり、怒ったり、驚いたりするのがとてもかわいい。
ちなみに今回のはデモ版だが、ロボットは単体で動作していて、ネットワークやクラウドとは連携していないという。
CEATECに来場の際は、日立ブースでぜひコミュニケーションしてもらいたいロボットだ。
CEATEC JAPAN 2017特集