サービスロボットを開発するスマートロボティクスは神奈川県のロボット共生社会推進事業の取り組みの一つとして、「かながわロボタウン」にある「テラスモール湘南」にて殺菌灯搭載ロボットの実証実験を行ったことを発表した。
2分間の停止照射で最大78%改善
今回の実証実験では1Fの防災センターから3Fフロアの『殺菌灯搭載ロボット』を遠隔操作し、「人が近くにいないか」「目指す場所に的確にUV-C照射が実行されているか」等、操作画面(モニター)で常時確認しながらロボットを稼働した。通信遅延もなく、スムーズに走行及び照射作業(ON/OFF)を実行することを確認し、特にしっかりと照射をしたいポイントについては2分間停止をして照射した。
2分間の停止照射を行ったA~Hの各ポイントにおいてUV-C照射前後でルミテスターの拭き取り検査を行ったところ、全てのポイントにおいて照射前後で計測数値が減少し、最大で78%の改善が見られた。なお、今回のUV-C照射の効果は「新型コロナウイルス」の不活性化(殺菌効果)を測定したものではない。
今回実証した「テラスモール湘南」においては、遠隔操作による走行及び照射作業(ON/OFF)を問題なく実施することができた。また、照射効果についても、ATP拭き取り検査(A3法)での計測数値に改善が見られた。多くの商業施設ではウィズ/アフターコロナの継続した取り組みが必須ではあるが、その取り組みにおいては、安心安全であること、コストを抑えること、作業スタッフの安全と負担の軽減等、様々な課題がある。
スマートロボティクスは現在開発中の自律走行タイプの活用を含めて、ロボット技術でこれらの課題解決に貢献できるよう、引き続き開発及び提案を進めていくとしている。
【実証実験動画】
テラスモール湘南 総括支配人 平澤氏は次のようにコメントしている。
殺菌灯搭載ロボット
『殺菌灯搭載ロボット』は殺菌効果のある殺菌線(紫外線 UV-C 波長254nm)を照射する殺菌灯を搭載したロボット。紫外線 UV-C 波長 254nmの照射は古くから様々な細菌において不活性化の効果が認められている一方、直接人体に照射すると目の痛みや皮膚の炎症を起こす原因となり、ロボットを稼働させるには運用面で細心の注意が必要。そのため、スマートロボティクスは人の目で安全を確認しながら操作ができる遠隔操作を採用している。
これにより施設内の離れた場所や自宅から遠隔操作が可能で、紫外線 UV-C照射のON/OFFも遠隔にて対応できる仕様になっている。初期導入についても、自律走行型ロボットのように初期導入コストが掛からず、導入したその日から稼働させることができる。
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