AIを活用した製品を開発するスタートアップ企業のPLEN Robotics株式会社は、日本海ガス絆ホールディングスグループの株式会社日本海ラボと共同で実証実験を開始し、富山県舟橋村にAIロボット「Care Cube」を一定期間設置して、メンタルチェックの試験運用を開始したことを2023年9月7日に発表した。
なお、同実証実験は、同社が参加する NGAS-Accelerator Program 2023 のプログラムの一環として行われている。
NGAS-Accelerator Program 2023とは、日本海ガス絆ホールディングス株式会社が主催し、日本海ラボと株式会社ゼロワンブースターが共同で運営する事業創造プログラムだ。北陸地域への新しい価値提供を目指し、スタートアップ企業との共創を進めており、同社は、同プログラムに採択した企業の一つとなっている。

顔認証で勤怠管理+心の健康状態を見える化
日本におけるうつ病の患者数は現在約127万人いると推定されており、これは過去20年間で約4倍の数となっている。メンタルのチェックは体の健康と合わせて、個人のみならず職場や社会全体にとって重要な課題となる中で、昨今の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、いわゆるエッセンシャルワーカーは日々高いストレスに晒されているため、彼らの心の健康状態を保ち、社会を支えるインフラ施設が安定的にサービスを提供できるようにするための実用性のあるヘルスケアサービスも求められている。
そこで両社は、「Care Cube」を用いて顔認証技術による勤怠管理、音声認識技術によるストレスやモチベーションの可視化についてのサービスを試験的に提供すべく、同実験において、「Care Cube」を富山県舟橋村役場と舟橋村立舟橋小学校の2カ所に設置。職場環境の把握・改善に向けたデータの収集を支援すると同時にサービス向上に向けてのヒアリングを実施した。
「Care Cube」について
「Care Cube」は、顔認証AIアシスタントであるPLEN Cubeに、業務提携先のリスク計測テクノロジーズ株式会社「話しかけるだけで心の調子を可視化する」音声解析エンジンMotivelを搭載した製品だ。出退勤の登録は端末に顔を見せるだけで完了し、5秒程度の話しかけにより心の状態も可視化することも可能。日々の計測を継続することで、ストレスに起因するトラブルを2週間程度前に予測することができる。また「Care Cube」端末に触れずに操作が完了するので、Withコロナの時代に適した、効率的なカードレスの労務管理を実現する。
■【動画】Care Cube の開発 (※02:02:PLEN Cubeについて)
AIアシスタント「PLEN Cube」
「PLEN Cube」は 7.4cmの立方体端末内にデジタルビデオ・カメラと顔認識、顔認証、音声認識、会話合成機能を搭載し、入退室管理や商品レコメンド、健康チェックなどを行います。端末内で人工知能処理を行うため、通信に伴う遅延が少なく、顔認証サービスの定額使い放題等を実現した。

