約5秒間の会話音声からストレスの状況をAIが解析「Care Cube」製品化 ストレスによるトラブル発見やメンタルヘルスの把握に

PLEN RoboticsはRimTechと提携し、約5秒間の会話音声をAIで解析しメンタルヘルスを把握する「Care Cube(ケアキューブ)」を2023年7月3日製品化した。

PLEN RoboticsとRimTechは、2021年に業務提携して以来、「Care Cube」の開発を進めており、2021年には神奈川県新型コロナウイルス感染症対策ロボット実装事業の一貫として湘南鎌倉総合病院にて医療従事者向けのサービスプロトタイプの概念実証実施。翌2022年には神奈川県新型コロナウイルス感染症対策ロボット開発支援事業の一貫として小田原市鴨宮ケアセンターにてアップデート版の機能性の実証を行い、改良を重ね「Care Cube」として完成させた。

「Care Cube」サービス概要と特徴

「Care Cube」は、PLEN Roboticsが開発した顔認証AIアシスタント「PLEN Cube」と、RimTechが開発した音声解析エンジン「Motivel」によって構成。

「Care Cube」はメンタルヘルスチェック対象者の顔を見つけると声かけを行い、約5秒間の会話をするだけで音声を解析し、心の健康状態をグラフで表示する。測定結果は音声とアプリケーション上のグラフィック表示でフィードバックされる。

また日々のメンタルヘルスチェックを継続することで、「Care Cube」はストレスに起因するトラブルを2週間程度前に予測が可能となる。


特徴1:声帯の震えから得られる客観的なデータ

これまでストレスの度合いは、自記式アンケートという主観データにより判断されてきたが、「Care Cube」は音声から不随意筋である声帯の震えという客観データを検出し、機械学習により喜び・悲しみ・怒り・恐れなど8つの感情指標を数値化し、ストレスの度合いを数値化する。

特徴2:わずか5秒の会話で測定

心の状態の可視化には様々なアプローチがあるが、通常計測に要する時間は数十秒程度だが、「Care Cube」は音声データの特徴量把握のため独自のアルゴリズムを開発し、僅か5秒の音声データに基づき計測を行う。

特徴3:インターフェイスとしてのAI搭載カメラ端末

「Care Cube」は、人とのインターフェイスに、エッジAI搭載カメラ端末「PLEN Cube」を使用。顔を近づけると自動的にプログラムが起動するため、スマートフォンやパソコン用のアプリケーションに比較して、誰でも操作がしやすいものとなっている。ま た通常のIT機器に搭載されるマイクと異なる単一指向性マイクの利用により、騒音環境下で も音声を的確に把握できるよう工夫がされている。


「Care Cube」は、今後も改良を重ね、オンラインセラピー、カウンセリングサービスとの 携など、ヘルスチェックからヘルスケアサポートまでのシームレスなサービスを提供するとしている。

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ロボスタ編集部

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