接客AIエージェントを提供する株式会社ZEALSは、音声AIエージェント「Omakase.ai」をロボティクスに統合し、オフラインでの接客を支援する新事業「Omakase Robotics」を発足したと発表した。開発リードには永尾修一氏が就任し、オンラインで培った接客AI技術を現実世界の接客シーンに展開するための技術開発と社会実装を進める。
10年の時を経てロボット事業へ再挑戦 背景にAIとハードウェアの進化
近年、ハードウェアの進化によるロボットの低価格化と、AI技術の発展による知能の向上が世界的に進んでいる。これに伴い、現実空間の状況を認識し、ロボットの「動き」として応答する「フィジカルAI」の活用がアメリカや中国を中心に加速しており、多くのテック企業がロボティクス事業に参入している。
ZEALSは2015年に一度ロボット事業を展開したが、当時は撤退を経験。その後、チャットボット事業に転換し、技術と知見を蓄積してきた。2025年には音声AIエージェント「Omakase.ai」をアメリカでローンチし、世界で15,000体以上のAIエージェントが生成されるなど、接客領域でのAI活用を確立した。
同社は、今回の事業発足を時代の転換点と捉えている。かつてのロボット事業の経験と、チャットボットや音声AIで培った接客体験のノウハウをロボティクスに統合。オンラインだけでなく、人手不足に悩む業界のオフラインにおける接客までをサポートし、日本の「おもてなし」を世界に届けることを目指すとしている。
グローバルで実績ある音声AI「Omakase.ai」が核に
新事業の中核となる「Omakase.ai」は、日本のスタートアップとしては珍しくアメリカで先行ローンチされた音声AIエージェントプロダクトである。プロダクト投稿サイト「Product Hunt」でデイリーランキング世界1位を記録するなど、グローバルで高い評価を得ている。2024年10月からは日本国内でも本格展開を開始し、多くの企業で導入が進んでいるという。
「Omakase Robotics」は、この「Omakase.ai」をロボットに統合し、店舗などのオフライン空間で新たな接客体験を提供することを目的とする。オンラインとオフラインを横断した、一貫性のある新しい顧客体験の実現に取り組む方針だ。
開発リードは連続起業家の永尾修一氏
本プロジェクトの開発は、永尾修一氏がリードする。永尾氏は東京大学在学中にスタートアップ「Candle」に参画し、M&Aを経験。その後、FinTechスタートアップ「AnyPay」を経て、2019年に東南アジアで「Credify」を共同創業し、CTOとして約5年半にわたりAIエージェント事業などを展開した経歴を持つ。
今後はアメリカを拠点に、プロダクト開発から組織構築、資金調達まで幅広い経験を活かし、「Omakase.ai」とロボットの統合によるCX(顧客体験)の革新を加速させ、現場実装に直結するプロダクト開発を推進するとしている。