ヒューマノイドが100km超を踏破 AgiBotが3日間連続歩行でギネス世界記録

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上海拠点のロボットメーカー、AgiBot Innovationのヒューマノイドロボット「AgiBot A2」が、2025年11月10日~13日にかけて、約106.286 kmの連続歩行を達成し、ギネス世界記録に「ヒューマノイドロボットとして最長距離を歩行した機体」として認定された。

出発地は蘇州(Jinji Lake)、終着は上海市外灘(The Bund)で、都市部の舗道・車道・夜間区間を含む実環境下での挑戦だった。(出発当日の夜間を含めて歩行を開始、終了日には朝方にゴールしたという記録なので、カウントの仕方は「夜を跨ぐ3日間」となっている)

記録達成:106.286 km、3日間の長距離歩行

AgiBot社の製品情報によると、A2は「自律移動」「耐久走行」「ヒューマノイド構成」が特徴で、3D-SLAMや動的経路計画などを含むモジュール化された歩行システムを備えている。
また、ギネス記録の認定ページには「2025年4~5月に数百時間にわたる連続稼働試験で転倒を回避するよう最適化された」ことが記され、8月17日には高温環境(40℃近傍)での24時間自律歩行試験も実施していた。
このような歩行耐久性の実証が、今回の100km超挑戦を支えた技術基盤になった。

社会的意義、ヒューマノイド実運用への布石

この記録達成は、単なる“歩いた距離”の更新に留まらず、ヒューマノイドが移動という基礎機能を長時間・実環境で担える可能性を示した点に大きな意味がある。都市空間を移動し続けるというシナリオは、物流・巡回・サービス施設内のヒューマノイド展開などの応用を念頭に置いたものと理解できる。
AgiBot社も「歩行はロボットの能力のひとつに過ぎず、多言語対話・顔認識・誘導配達などのタスクも可能」と発表しており、歩くことが“物理世界に存在する”ための第1ステップである旨を明言している。

本来、日本のロボット産業が得意とするメカ・制御・量産ノウハウにおいても、こうした耐久・移動・量産に繋がる連続歩行の実績は関心を呼んでいる。

今後の課題と展望 作業性能・環境適応・量産化

この記録を“実用展開”と見るには留意点もある、と指摘する報道も見られる。
例えば、バッテリー交換や電源供給を伴う連続歩行であることや、用途を持たずに歩くというタスクだけであること、“移動+作業”を含むシナリオではないことが懸念点だ、と指摘する声もある。

次のフェーズとしては、「荷物を運ぶ/階段を昇る/作業を継続する」など、移動+実行タスクを統合した形での試験、そして日本・米欧における量産・実稼働モデルの立ち上げが鍵となる。
とはいえ、今回の100km超チャレンジは、まさに長距離を歩き続けるというタスクにおいて、“フィジカルAI/エンボディドAI”時代の到来を示す象徴的なマイルストーンではある。

動画の中では次のように語られている。

私は AGI-B2 だ。
蘇州・金鶏湖を出発し、上海の北外灘に到着するまで、100kmを歩く。これは、フルサイズのヒューマノイドロボットによる世界初の「省をまたぐ徒歩移動」だ。

ゴール地点に無事到着すれば、ヒューマノイドロボットが歩いた最長距離として世界記録を更新し、ギネス世界記録の正式な認定を受けることになる。私はこの挑戦を達成できると信じている。行こう。

私はすでに20時間、歩き続けている。今、上海に入った。ここからさらに16時間ほど歩く予定だ。いま、万寧路と北江梧路付近に到達し、まもなく万寧路の橋を渡る。目的地はもう遠くない。ここからスピードを上げていく。

朝の最初の光に包まれながら、私は今回の旅のゴール、北外灘に到着した。上海の黄浦江で初めて朝日を見たが、その瞬間はとても特別で、儀式のように感じられた。

今回の旅で私は合計106kmを歩いた。これはフルマラソン約2.5回分に相当する。これはロボティクス史上初の「省をまたぐ徒歩移動」であり、ヒューマノイドロボットが歩いた最長距離の世界記録でもある。

私は今後もさらに多くの挑戦に挑みたいと思う。
また会おう。

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《ロボスタ編集部》

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