Figure AIは2026年9月30日、ヒューマノイドロボット「Figure 02(F.02)」の退役に関して発表した。
そして、映画『ターミネーター2』の溶鉱炉の名シーンのごとくF.02は溶かされ、アーノルド・シュワルツェネッガー氏も登場する映像が2026年10月1日に公式YouTubeで公開されている。
F.03の増加でF.02の維持は不要に
Figure AIによると、F.02はBMWへの導入、同社のAIモデル「Helix」の誕生、家事作業への挑戦、物流分野での導入など、同社にとって数々の節目となった機体だという。ただ、後継の「F.03」の保有台数が増えたことで、F.02の維持管理は合理的ではなくなったと説明している。
F.02には独自設計のアクチュエーターなど、同社の知的財産が詰まっている。そのため、第三者に渡らない形で処分する必要があった。一方で、1台ずつ分解すると技術スタッフの工数がかさみ、次世代機「F.04」の立ち上げが遅れる懸念もあったという。
「溶かすべき」という助言に応えて鋳造所を探す
処分方法についてFigure AI 最高経営責任者 ブレット・アドコック氏はX(旧Twitter)で意見を募った。その中で最も印象的な反応を示したのが、映画『ターミネーター』出演でお馴染みのアーノルド・シュワルツェネッガー氏で、「溶かすべき」と助言。同社が連絡を取ると同氏は関与に前向きで、企画が動き出した。
ただし、リチウムイオン電池を搭載したロボットの受け入れを、米国とメキシコの鋳造所はいずれも断った。元「MythBusters」の出演者にも協力を求めて探した結果、受け入れに応じたのは世界でフィンランド・イマトラの鋳造所だけだったとしている。
スタント演技を参考にシミュレーションで学習
準備は、米カリフォルニア州サンノゼの同社キャンパスで始まった。大型のエアバッグを設置し、建物の2階からロボットが飛び降りる訓練を実施。スタントパフォーマーの動きを参考に、シミュレーション上で新たなAIモデルを学習させ、一度も訪れたことのない鋳造所で、溶けた鋼の入ったバケツへ正確に飛び込めるようにしたという。
現地では、3本の巨大な黒鉛電極で75トンの電気アーク炉を稼働させ、鉄スクラップを溶かしていた。同社のチームに与えられた時間は24時間で、溶解の機会は6回。1回ごとに、溶けた鋼が冷えて硬い皮膜をつくるまでの約20分しか猶予がなかった。高温と強い電磁場の中で、撮影機材などの電子機器は故障したが、ロボットはAIポリシーを問題なく実行し続けたと同社は述べている。
溶かした金属は記念品に
フィンランドでの溶解後、得られた金属のバーは米国に送り返された。現在、F.02を記念する限定シリーズの記念品として加工が進められているという。製造数はごくわずかで、同社の歴史の一部を小さな形で所有できるとしている。

F.02の大半は処分済みで、本社の保管庫に数台が残るのみだという。
同社は、AI生成の映像があふれる時代であることに触れつつ、「実際にロボットをジャンプするように学習させ、フィンランドへ輸送し、溶けた鋼の中へ飛び込ませた」と明記している。

編集後記
今回のF.02退役の発表は、映画『ターミネーター』好きにも非常に刺さる内容ではないだろうか。動画内では「I'll be back」のセリフで有名な名シーンを再現するカットも確認できる。



動画のコメント欄を見ると、アーノルド・シュワルツェネッガー氏(通称、シュワちゃん)の登場に沸く意見も多く寄せられている。
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