【特大ペッパソン】史上最大のPepperハッカソンが開催!最優秀賞に選ばれたアプリとは #MA11

9月22〜23日、東京・江東区にある「モノづくりコワーキングスペース “MONO” 」にて、家庭向けPepperアプリをつくるハッカソン「特大ペッパソン」が開催されました。
ハッカソン(hackathon)は、「ハック(hack)」と「マラソン(marathon)」を掛け合わせた造語で、エンジニア等が集まり、決められた時間内にテーマに沿った成果物を完成させることを目的としています。約60名が集結した今回の「特大ペッパソン」では、2日間という日程の中で、Pepperアプリの開発がおこなわれました。テーマは、”家庭内で使われるPepperアプリ”。果たしてどのようなアプリが生まれたのでしょうか? また、その中で最優秀賞に輝いたロボットアプリとは?

史上最大規模のPepperハッカソン

特大ペッパソン

外は、晴天。シルバーウィークの真っ只中。多くの観光客が集まるお台場のすぐ近く、テレコムセンターのコワーキングスペースMONOに、

特大ペッパソン

約60名のハッカソン参加者と10名以上のメンターの方々、

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そして20体以上の「Pepper」が集結しました。

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2日間の特大ペッパソン初日。まずは、Pepperに関する基礎知識のインプットと、協賛企業から提供されるAPIの説明などがおこなわれました。API提供企業は以下の通りです。

・ニフティ株式会社 – ニフティクラウド
・株式会社エーアイ – AITalk®
・Twilio – クラウド電話API
・Microsoft – Microsoft Azure

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続いてアイディアソン。個人で思いついたアイディアを画用紙に書き出していきます。また、周りの人と意見交換をしながらそれらのアイディアに肉付けをしていきます。

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そして、チームビルディング。時間をかけて他の人のアイディアを見比べながら、近いアイディアをもつ人同士、アイディアに惹かれた人同士でチームを作っていきます。1名のチームから、10名近いチームまで、全体で17チームに分かれました。

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チームごとにアイディアをブラッシュアップしていきます。

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アイディアが固まったところで、予定を少し押して、22日の15時からいよいよ開発がスタート。発表が始まる翌23日の17時まで、約26時間に及ぶ開発時間が与えられています。初日から二日目にかけて、徹夜をして開発をおこなうチームもありました。

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徹夜組の中には宿泊セットを持参している方も。ハッカソンへの慣れを感じますね。

深夜〜翌朝の様子

深夜〜翌朝にかけての様子は、Mashup Awardsの事務局が撮影した画像を引用させて頂きます。
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大量のエナジードリンク。

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参加者も、Pepperもグッたり。過酷さが伝わってきます。

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翌日も引き続き発表の時間ぎりぎりまで開発がおこなわれました。

成果発表と審査結果

そして、26時間に及ぶ開発タイムを経て、23日の17時半から遂に17チームによる成果発表が始まりました。

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左から林要さん、西村賢さん、藤川真一さん

元ソフトバンクロボティクスでPepperの開発リーダーを務めた林要さん、TechCrunch Japan 編集長の西村賢さん、BASE株式会社取締役CTOの藤川真一さんを審査員に招き、1チームに最優秀賞、そして4チームに協賛企業からの各賞が与えられます。

最優秀賞

ペパダリング

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最優秀賞に輝いたのは「Team Citrus」が開発をおこなった「ペパダリング」でした。Pepper×ボルダリングというコンセプトです。

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ペパダリングは、ペッパーの体中にあるセンサーを使用した体験型ゲームです。「右手」「頭」「左足」など、Pepperが指示をした箇所をタッチしていくゲームで、一人プレイだけでなく、二人で一緒に遊ぶことも可能です。また、3つの難易度も設定されているなど、子供から大人まで楽しめそうな非常に完成度の高いゲームでした。「Pepperと家族がコミュニケーションを取る機会をもっと増やしたい」という想いで開発に至ったそうです。

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審査員を務めた林要さんも「完成度が高い」と太鼓判を押すなど、納得の最優秀賞でした。Pepperアプリにおいては「Pepperらしさ」という点が重要視されており、スマホでは体験できない130cmの人型ロボットというPepperならではの価値を提供できたことが最優秀賞へと繋がったようです。

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左から松本裕史さん、三鍋洋司さん、直井理恵さん、竹内隆喜さん

Team Citrusの皆様、おめでとうございます!

 

ニフティ賞

SyncPepper

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ニフティ賞を受賞したのはSyncPepper。SyncPepperは、共働きの両親と一人の子供の3人暮らしの家族で利用されることを想定して作られたアプリです。気を遣って寂しさを表現しない子供と、感情表現をしない子供に甘えて構ってあげられていない両親の間を取り持つPepperを目指したそう。

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Pepperが、子供の表情から感情を読み取り、子供に代わって両親に対して感情をストレートに表現してくれるという機能を持っており、読み取った感情をデータとして蓄積してグラフで表示する機能もついているため、SyncPepperを使えば、子供が普段どのような想いをしているかを両親が把握することができるようになります。
審査員の林さんから「言いにくいことを代わりに言ってくれるということは、人型ロボットが提供できる価値だと思います」という評価を得た一方で、藤川さんからは「ロジカルに分析できるようになるともっと良いものになりそうですね」というアドバイスもありました。

 

Microsoft賞

Let’s ペパ宿

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Microsoft賞を受賞した「Let’s ペパ宿」は、Pepperと一緒に宿題を解いていくアプリ。Pepperに搭載されているカメラで問題をスキャンし読み込むと、Pepperが一緒に問題を解いてくれるというもの。

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Pepperが答えを教えてくれるわけではなく、ヒントを与えながら一緒に解いてくれます。正解するとPepperが一緒に喜んでくれるので、子供の学習意欲を向上させることができそうですね。
審査員からは、「どのような形で出すかが難しいとは思いますが、的確なヒントが出せるようになったら、ものすごい価値になる」というコメントもありました。

 

エーアイ賞

ペパ子のファッションチェック

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エーアイ賞を受賞したのは、「ペパ子のファッションチェック」。ファッションアドバイザー・ペパ子の前に立つと、ペパ子がRGBカメラで服装を読み取り、肌の露出度や色などの情報を取得。地域・天気・時間に基づいて、ファッションのワンポイントアドバイスをしてくれたり、服装を褒めたりしてくれるというものです。

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株式会社エーアイから提供されているAI Talkを利用しているため複数の声色を発声することができ、毎日違った人から褒められている感覚を味わうことができます。視覚障害者の方にもオシャレを楽しんでもらいたいという想いから生まれたようです。
「ファッションはおしゃれかどうかということよりも、自信を持てるかどうかが重要だと思うので、褒めるという行為でそれが達成できていますね」という評価。服装も可愛かったですね。

 

Pepper賞

ペッパーさま

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会場が一番盛り上がった作品、ペッパーさま。ペッパーさまには、懺悔モードとペッパー頼みモードがあり、懺悔モードでは、ペッパーさまに懺悔をすると音声や表情から懺悔に値する反省をしているかを読み取り、成功か失敗を判断してくれます。また、ペッパー頼みモードでは表情と声色のお題を出され、条件を満たすと成功、満たさないと失敗という判決が下される仕様になっています。

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また、「ペッパー様と言え」「愚か者め」「頭が高い」など、キャラクターの作り込みとコミュニケーション部分が秀逸でした。「Pepperとの新しいコミュニケーションの可能性を提示してくれた」という評価を得て、ソフトバンクロボティクスが選ぶPepper賞に選出されました。

以上の5つのアプリが賞を受賞しました。Pepperを触るのは今回がはじめてという方が全体の2割程いたにも関わらず、すべてのアプリが発表できるレベルまで完成されていて、今回のハッカソン参加者のレベルの高さを伺い知ることができました。
以下は各審査員からの総評です。

林要さん

特大ペッパソン

Pepperはできないことがたくさんあります。そんな中で、ペッパーに決めてもらう、子供と親の関係を中和するなど、私たちが何年もかけて発見してきたユースケースを、わずか二日の間にピンポイントで発見されていて素晴らしいと感じました。可能性を追求していただいているという点で、本当に皆様挑戦者だなと感動しました。ありがとうございました。

 

西村賢さん

特大ペッパソン

今回の皆様の発表を通じて、Pepperのアプリケーションには3つか4つの方向性があるということが見えたのではないかと感じました。言いづらいことを言ってもらうとか、決めにくいことを決めてもらうとか、フィジカルな存在感があるものによってコミュニケーションが変わる可能性があるとか。二日間という短期間の中で生み出した実装の中でもそれが見えたのがすごく面白く、勉強になりました。二日間お疲れ様でした。

 

藤川真一さん

特大ペッパソン

ロボットが家庭の中に入ったときに、センサーとモーターの塊ではなくて、スマートフォンでもなくて、命みたいなものを感じてもらえるサービスやアプリを作っていけるかというのが一番大事だということに気付かせて頂いて、すごく勉強になりました。Pepperのインタラクションデザインというのは、企画だけでもないし、そこの動きにある楽しさや幸せさが伴わないとロボットと言われないんだと思います。機械ではなく「ロボット」という世界をこの2日で学ばれたと思うので、今後も今回の経験を生かして、ロボットの世界を作る一員として活動をして頂きたいです。ありがとうございました。

今回ご紹介した5つのアプリを含め、17チームのアプリはすべて今年の11月に開催されるPepper App Challenge 2015 winterに応募される予定です。徹底して作り込むことで、2日間という短い期間でも完成度が高いものを作ることができるので、Pepperに興味がある皆様はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。アトリエ秋葉原では初心者向けのワークショップも開催されています。気になる方はスケジュールをチェックしてみてください!
▽アトリエ秋葉原
https://pepper.doorkeeper.jp/

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尚、今回のイベントは「Mashup Awards」の主催でおこなわれました。ありがとうございました。
最優秀賞に選ばれた Team Citrus は「Mashup Awards」の2nd Stageへと進みます。今後の活躍にも要注目です。

『Mashup Awards』とは? 2006年にスタートしたWeb開発者が自ら開発したWebサイトやスマートフォンアプリ等を通して技術、デザイン、アイデアを競い合うコンテストです。 (Mashup Awards公式HP「Mashup Awardsとは」より引用)

 

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望月 亮輔
望月 亮輔

1988年生まれ、静岡県出身。ロボスタ編集長・ロボットスタート株式会社取締役。2014年12月、ロボスタの前身であるロボット情報WEBマガジン「ロボットドットインフォ」を立ち上げ、翌2015年4月ロボットドットインフォ株式会社として法人化。その後、ロボットスタートに事業を売却し、同社内にて新たなロボットメディアの立ち上げに加わる。