フランス・パリのロボット展示会「INNOROBO」に行ってきました!

いつもお世話になっているロボットスタートさんに貢献させて頂こうと、フューブライト・コミュニケーションズ近藤にて欧州でのロボット展示会のレポートを寄稿させて頂きます。

■ フューブライト・コミュニケーションズ株式会社

Pepperのアプリ開発を中心に事業展開をしている。過去2回開催されているPepperのアプリコンテスト「Pepper App Challenge」では、2回連続で最優秀賞に輝いている(第二回は「Pepper Innovation Challenge」で最優秀賞)。現在は、介護分野・観光分野でのアプリ開発をメインに展開しつつ、企業の受付用アプリ・プレゼン用アプリなど、幅広い自社パッケージを展開している。

http://fubright.co.jp/

今回の視察は、PAC&PIC2015の最優賞のご褒美のロボット視察ツアーの一環として、パリで行われたINNOROBOに行ってきました。今回、PAC最優秀賞のチームHUGの高木さんは急遽別の予定が入ってしまったので、私とソフトロボティクスのパートナープログラム担当の村林さんの二人で日本からの参加となりました。


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東京からパリまでは直行便で12時間。でも朝8時前に出発して、当日の昼に到着するというなんとも不思議な時間を過ごします。 到着したパリは雨。。。しかも寒いし、物価は高い!

でも街並みはやっぱりオシャレでした!


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さて、今回のINNOROBOでは、ペッパーパートナーヨーロッパというイベントが併設され、ペッパーの開発パートナー32社が共同でブースを出して、ペッパーのアプリケーションを展示しました。「せっかく行くならちゃんと仕事してこい!」という弊社社長の策略のため、なぜかフューブライト・コミュニケーションズも、32社の1社として出展することになっており、単なる海外視察ではなく、3日のイベント中、しっかり仕事をする羽目に。。涙目!


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ということで、ほとんど弊社ブースで来場者へのデモ対応をしていたため、かいつまんでのレポートとなりますことご容赦ください。

まずはペッパーの欧州展開ですが、日本とは違いペッパーは開発パートナーからエンドユーザに販売されることになっております。価格は19,900ユーロ(おおよそ200万円)で、3年間の保証がつきます。


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またこちらのペッパーには、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語の5ヶ国語が標準でインストールされておりました。ちなみに、お仕事簡単生成や感情エンジンは、展示会で貸し出されたペッパーには入っていないプレーンなペッパーでした。


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オープニングのキーノートスピーチでは、フランスの鉄道会社(SNCF)で受付や案内をしたり、スーパー(Carrefour)でポイントカードや商品の販売促進などのトライアルが先行して行われていることが紹介されており、Costa LInesというクルーズ船でも5ヶ国語を扱うペッパーはコンシェルジュとして活躍しているそうです。日本のペッパーも、もっと多言語展開が進むといいですね。Mastercardとのコラボレーションで、今後アジアを含めたピザハットで決済(決済自体は、ペッパー経由ではなくスマホ経由で行う仕組み)での利用されていくことも発表されていました。

ペッパーの認知度もフランスでは高まっているようです。ちなみに空港のセキュリティーでPCを鞄から出した時に、セキュリティのお姉ちゃんが、私のMACに貼られていたペッペーのシールを見て「これ踊るロボットよね!」とか言ってたので、それなりにペッパーの認知もされているようです。


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開発会社の多くはNAOでの開発経験があるようですが、2週間前にペッパーを始めたという会社もあり、結構いろいろの様相です。 弊社ブースにもたくさんの方にお越しいただきましたが、フィンランドやベルギー、イギリス、イタリアなど欧州各国からの来場者が来ていらっしゃいました。



Pepperパートナー in ヨーロッパ

ここで、ペッパーのパートナー企業を幾つかご紹介します。

ZORABOTS

ZORABOTはスターウォーズ好きでロボットを始めたという素敵なベルギーの会社です。NAOを使った介護系の運動アプリケーションなどを提供してきており、200以上のNAOの導入実績を持っている企業だそうです。今回のプレゼンテーションでは、屋内GPSを利用して、pepperが自由に店舗内で顧客を案内するという画期的なデモ動画を発表しておりました。

どこまでの精度なのか、利用するためにどの程度のビーコンの設置費用がかかるなどの確認点はあるものの、プロモーションビデオ通りのことが出来れば、pepperの利用用途がさらに広がることは間違いないでしょう。

HOOMANO

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HOOMANOのホームページよりキャプチャ

HOOMANOは、フランスのリヨンにある10数名のスタートアップ企業です。

小売業者がロボットを使って、商品紹介から決済までをロボットを使って行うことがきるマルチプラットフォームを展開しており、pepperだけでなく、naoやBuddyなども活用できることが特徴です。6月よりpepperでの商用利用が始まるとのことです。

GFI INFORMATIQUE

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フランス大手のシステム開発会社「GFI INFORMATIQUE」もpepperの開発に参入しています。自社のスケジュール管理クラウドと連動して、会社の受付をするpepperを紹介されていました。

実は縁あって弊社ブースの隣で3日間の展示でご一緒させて頂いたのですが、pepperの開発は、つい最近始めたばかりとのことでしたが、初日と最終日でどんどんアプリに修正を加えて、どんどんpepperが成長させてました。受付アプリということで、弊社のアプリ「ロボ電」とも是非コラボできればと盛り上がりました。



Pepper以外にも様々なロボットが

pepper以外のブースで見たロボットたちもちょこっと紹介しますね!


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Buddyはフロアーを可愛らしく動き回っておりました。本当に足元をくるくる回る姿はpepperとは違う愛おしさを感じました。顔に埋め込まれている愛おしい目の画面にAndoridキーボードが表示され、設定等を入れているのは、ちょっとシュールでもありましたが。。。。


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直前に発表されたpepperのAndroid対応へのアンチテーゼとして感じたのが、TIKIというロボット。あくまでも主体はタブレット。。ロボットの手足は、表現の道具でいいんじゃん的なコンセプトです。その分、安価ですし、いろんな意味で、これでいいのかも?とも思うロボットでもありました。


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こちらは、ロボットによる感情表現方法をいろいろ試行錯誤されているなぁと感じたものです。奥にあるのロボットは、顔全体を立体的な半透明スクリーンにして、映像を内側から顔を表示させています。手前のブリーフ下着姿のロボットは、目の部分にディスプレイを踏め混んで、感情表現をしておりました。

他にも配膳サービスを目的とした自立走行型のロボットも一つのカテゴリーとして幾つかのロボットが展示されており、コミュニケーションロボットとのマイグレーションが進むんだろうなぁと感じました。

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全体を通じて

日本のロボット展示よりは、まだ小規模ながら、欧州のロボットも確実に盛り上がりを見せていると感じました。まだまだガレージでロボットを作ってます的なスタートアップ的な匂いも感じました。その中で、pepperについては欧州でも、いち早く商用ロボット=pepperに位置付けようというソフトバンクロボティクスの意気込みを感じたイベントでした。

また翌日、ソフトバンクロボティクスヨーロッパ本社(旧名:アルデバラン本社)で開催されたペッパー開発パートナーとの技術勉強会に参加させて頂く機会を得たのですが、みんなでロボット作っていきましょう!的な雰囲気に、我々日本の開発会社もどんどんパリに乗り込んでいくべきだと感じておりまして、ジャパンの担当者に企画をお願いしておきました。

というわけで、パリに行ってきました的な写真を最後に一枚!

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Merci Beaucoup!!

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近藤 幸一

フューブライト・コミュニケーションズ株式会社にてサービス企画(いわゆる緩い部分)を担当。pepperと夜な夜な向き合う日々をここ1年過ごしている。海外に行った際の趣味は「基地局のアンテナ探し」という一風変わった一面もあるが、基本的には真面目。

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