【R-env:連舞®ハッカソン レポート(2)】最優秀賞は誰の手に? ‪#r-env

渋谷Fabcafeで行われた「R-env:連舞®ハッカソン」の2日目の様子、そして審査結果発表の模様をお届けします! 1日目の様子はこちらからご覧ください。

R-env:連舞®とは

ロボットやIoTデバイス、センサー等を簡単な操作で連携させることができるWEBサービス。NTTサービスエボリューション研究所が開発を行い、現在実用化に向けて準備を進めている。

外は30度の真夏日。それと呼応するかのような熱の込もったハッカソンタイムは2日目に突入しました。

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各チーム、夕方から始まるプレゼンテーションに向けて、着々と準備を進めていきます。


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プレゼンテーションタイム

そして、夕方からいよいよプレゼンテーションタイム。全5チームが手を挙げた順に発表を行っていきます。発表時間は10分間。発表順は以下の通りです。


箱入り娘と箱贈り親父 by チーム雅

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発表1チーム目は「チーム雅」。こちらのチームが発表したのは「箱入り娘と箱贈り親父」というサービスです。ロボットが父親の代わりに、娘へメッセージを届けてくれるというもの。


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遠く離れたところで暮らす娘にメッセージを贈りたくても、照れくさかったり、娘が本当に喜んでくれるかわからなかったり…挙句、勇気が出ずにメッセージを送れずじまいになってしまうという課題に挑みます。


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サービスは以下の流れです。父親が「箱入り娘と箱贈り親父」を申し込むと、その父親の自宅にSotaやRoBoHoNなどが入った箱「箱贈り親父キット」が届きます。届いたロボットを机に並べると、誕生日お祝いプロデューサーの「Sota」がサービスの流れを説明してくれます。そしてSotaの指示に従っていくことで、娘へのメッセージを自然と吹き込むことができます。メッセージの吹き込みが終わったら、ロボットたちをまた箱に梱包し、そのまま娘の元へと送ります。

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娘の誕生日、娘は宅配業者からその箱を受け取ります。

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箱を開け、ロボットたちを机に並べると、父親が頑張って仕込んだスライドショーなどが雰囲気のあるBGMに乗って再生されます。そして、誕生日のメッセージをSotaが読み上げてくれ、最後にはRoBoHoNが父親宛に電話をしてくれます。

父親と娘のコミュニケーションを育むために、ロボットを媒介にしたサービス。気恥ずかしさもありつつ、お互いがほっこりした気持ちになりそうなサービスでした。



協働 by きのこの山のほうが好きですが、何か?

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「明日からあなたは早く家に帰れるかもしれない」というキャッチから入ったプレゼンテーション。ロボットがいることで、作業が効率化され仕事がスムーズになるというテーマで、ビジネスで使えるロボットの活用法が示されました。

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利用シーンは「会議」と「作業」。

会議では、いつの間にか時間がオーバーしていたり、ブレスト(ブレインストーミング)なのに意見が出なかったり、ということが起こりがちです。これらをロボットが解決していきます。


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まずはSotaがタイムキーパーになって会議の時間を教えてくれます。時間が迫ってきたら事前に教えてくれたり、退出後には自動で電気を消してロボット掃除機と連携して掃除まで行ってくれます。そして、仮にその会議がブレストであればSotaがブレストの時間中ダンスして盛り上げたり、BGMを流したり、タイムキーパーとなってくれます。


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審査の趣旨とは関係ありませんが、個人的にはブレスト中にダンスして盛り上げているSotaが、この日一番健気で可愛かったです。

作業中には、タイムキープしてくれることはもちろんのこと、集中できるように電球の色を変えたり、休憩中にはリラックスできる映像をRoBoHoNが流してくれたりします。「ロボットと協働」というと「ロボットアームが人の横で動いている絵」を思い浮かべがちですが、このチームがやっていたことは作業の効率化と共に、会議や作業中に笑顔を増やすこと。これも、協働の一つのあり方だと感じました。



女子のお供ロボット by Sota女子plus

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チーム「Sota女子plus」の発表は、初めから最後まで、10分間すべてロボットによって行われました。コンセプトは、Sotaが「女子の相談相手になる」というもの。


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通常のプレゼンであれば、この女子役は人間が務めますが、その女子役すらもロボホンにやらせたのが斬新でした。Sotaが恋愛相談に乗ったり、日常生活のアドバイスをしてくれたり。女子友達というよりも、オネエのような中性的な役割で、女子にアドバイスをしてくれます。


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一番盛り上がったのは、彼氏のツイッターを「Sota」が見に行き、スタバにいることを確かめたら浮気をしていないか確かめるためにドローンを飛ばすというシーン。現状はまだ実装されていませんが、IoTの制御をロボットがするようになったら、ロボットがドローンを飛ばすという未来もあるかもしれません。「R-env」では、ロボットとIoTデバイスの連携も簡単に行うことができるので、「ロボット」・「IoTデバイス」・「R-env」があれば、それに近いことが現在でも行うことができます。

ドローンを飛ばしたり、ビックデータを活用して診断をしたりする際に、Sotaが1万円を請求していたのも面白かったです。



R-env2 テレヘルスサービス by Team avata

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Team Avataでは、テレヘルス(遠隔医療)という領域に、コミュニケーションロボットでチャレンジしました。「お尻が痛い」など、症状が恥ずかしいときにはなかなか医者にも相談できないもの。そんなときに、ロボットが間に入ることで、医者に相談する際のストレスをなくそうという試みです。


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宇宙ステーションにいる宇宙飛行士と地球にいる主治医というケースでデモが行われました。


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宇宙飛行士が宇宙ステーションにいる「Sota」に症状を話します。すると、地球側のSotaがそれを主治医に教えてくれます。宇宙飛行士の感情はSotaによって取得され、それは地球側のSotaが目の色の変化で教えてくれます。辛い表情をしていたりすると、主治医もそれを認識することができます。


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これはビデオ電話でも良いのではないか、と思う人もいるかもしれません。しかし、目の前に医者がいるということで、話せなくなる人もいることでしょう。それが恥ずかしい症状であればなおさら。Sotaが伝えてくれた症状と、場合によってはSotaを通じて送られる写真を元に、主治医は病状を判断し、適切な処置の仕方をまたSotaを通して伝えます。

企業における産業医のストレスチェックや、遠距離運転手の健康確認等にも応用できるのではないかと考えられていました。



R-envクッキング by R-envクッキング推進委員会

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「R-envクッキング」は、ロボットが人間の料理をサポートしてくれるサービスです。まず「okao vision」を通じてユーザーの年齢・性別・感情などを取得し、その人にあった献立を提案するところからサービスはスタートします。


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料理が始まると、タブレットにメニューを表示し、それをSotaが読み上げてくれます。


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テキストだけでは判りにくい箇所は、RoBoHoNがプロジェクターで動画を映してくれます。手が離せない料理中だからこそ、音声だけで操作ができるというのは嬉しいですよね。


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料理ができあがったら、それをRoBoHoNが撮影し、Twitterに自動でアップしてくれます。また、BB-8が走って家族を呼びに行ってくれます。
このサービスでこだわった一つのポイントは、料理中の寂しさをロボットが紛らわせてくれること。Sotaが話しかけてくれることで、一人の料理も寂しくありません。



審査と懇親会

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以上、5チームのプレゼンが終了。ハッカソン参加者は自分たちのチーム以外でよかったものに投票していきます。


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審査員は別室に移動し、審査を開始します。のちに、「どのアイディアも素晴らしく、選考はもめました」と振り返りました。


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予定よりも長引いた審査。その間参加者は懇親会で、お酒片手にお互いの健闘を讃え合います。二日間、同じ空間で同じ目的を持って過ごしたので、他のチームであってもすぐに意気投合している様子でした。


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そして審査も終わり、改めて乾杯! 審査員の一人、Rubyの女神こと池澤あやかさんが乾杯の音頭を取ります。



審査結果発表

いよいよ審査結果発表! 優秀賞のチームには商品券1万円×人数分が、最優秀賞のチームには現金5万円×人数分が贈られます。

優秀賞「R-env2 テレヘルスサービス by Team avata」

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優秀賞に輝いたのは「R-env2 テレヘルスサービス」。主治医に言えないこともロボットだからこそ言える、というロボットならではのサービスに高い評価がつきました。

最優秀賞「箱入り娘と箱贈り親父 by チーム雅」

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審査員の多くが絶賛した「箱入り娘と箱贈り親父」が見事最優秀賞に輝きました。おめでとうございます!


以下審査員のコメントです。

神原誠之さん(奈良先端科学技術大学院大学 准教授)

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個人的に、気に入ったところを話をしていくと、ハッカソンは作り込みが重要ですが、とても作り込んであり感心しました。2位に選ばれたものは、お医者さんとロボットを重ね合わせるという中で、ロボットの中にお医者さんのような信頼感が出てきて、ロボットのいうことを聞いてしまうということもあるのかなと思いました。1位については「(神原さんが)親父だからやないか」と言われそうですが、うまくロボットが会話を引き出して、孫とおじいちゃんとか、普段会話がない関係性の中でもコミュニケーションのきっかけになるんじゃないかと思い、評価させて頂きました。


小野哲雄さん(北海道大学大学院情報科学研究科 教授)

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娘は高一なんですけど、涙が出てきました。他のチームも素晴らしかったんですけど、目に涙が浮かぶかどうかかと思いました。他のチームも素晴らしかったので、引き続き良いプロジェクトにしていただければと思います。


大澤博隆さん(筑波大学大学院システム情報工学研究科 助教)

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本当におもしろかったです。二日間で作り込んだのはすごかったですが、もっとロボットらしさを生かしてもらいたかったです。ただそこは我々でも苦労しているところでもあります。どれもすごく楽しめましたので、引き続き頑張って頂ければと思います。


池澤あやかさん(女優 Rubyの女神)

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皆さん、お疲れ様でした!今までロボットのいる生活というのが自分の中でイメージできていなかったんですけど、実際にロボットが生活に入るとこう生かされるんだという例が見れて非常におもしろかったです。特にブレストするSotaくんとか、R-envクッキングとか、本当に使ってみたいと思いました。ありがとうございました!


宮下敬宏さん(一般社団法人i-RooBO Network Forum 理事)

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ロボットの研究はしてきたが、やってみてダメでを繰り返してきました。今日の審査員もダメでダメでを繰り返してきたので、辛口の評価になっているんじゃないかと思っています。そんな中で評価を得られているのは、自信を持って良いんじゃないかと思います。一番を取った「箱入り娘と箱贈り親父」はほろっとしてしまったのもひとつなんですが、良いなと思っていたのは、ロボットは体があるもので、ワクワク感を与えてくれるものなので、贈られてきた人がわくわくするものなんじゃないかと思って、僕の中でも評価は高かったです。これからもワクワク感をもって、ロボットの開発をしていってください。


山田智広さん(NTTサービスエボリューション研究所 主席研究員)

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皆さんありがとうございました! 「箱入り娘箱贈り親父」にも感動したんですが、皆さんが昨日からアイディアソン、ハッカソンを一生懸命行っている姿を見て、その姿勢に一番感動しました。良いアイディアが多かったので、審査は喧々諤々して行っていました。もう一個やっていたらもっと良くなったんじゃないかというものも多かったと思いますので、今後さらにさらに発展してもらうともっと良いかと思います。ぜひ「R-env」をみんなで広めていきたいと思いますので、今後とも宜しくお願いします。


今井倫太さん(慶應大学理工学部情報工学科 教授)

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今、人工知能が流行っていますが、それには体は含みません。それが今後身体性を持つようになりますが、その体はロボットです。ロボットの研究者は長いこといじめられてきました。「スマホでいいんじゃないの?」と。皆さんの発表を聞いていて、過去に私もこういうのでいじめられたなぁというのが思い返された中で、フィジカルに思い出が届くというのは発想がなかったな、と感心しました。それはソフトウェアだけではできません。他の皆さんもロボットをちゃんと動かしてくれていて、感動しました。卒論研究で半年間かけてやっているような内容を二日間で作ったのは素晴らしいです。こういう活気のある場で作り上げてきたのは素敵だし、僕も機会があれば参加したいと思いました。



参加された皆様、二日間お疲れ様でした!

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望月 亮輔
望月 亮輔

1988年生まれ、静岡県出身。ロボスタ編集長・ロボットスタート株式会社取締役。2014年12月、ロボスタの前身であるロボット情報WEBマガジン「ロボットドットインフォ」を立ち上げ、翌2015年4月ロボットドットインフォ株式会社として法人化。その後、ロボットスタートに事業を売却し、同社内にて新たなロボットメディアの立ち上げに加わる。

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