デジタルハリウッドがロボティクスアカデミーとリーダーズプログラムをはじめた理由


1月11日から開講する、デジタルハリウッド ロボティクスアカデミーの川本様からロボスタに「デジタルハリウッドがロボティクスアカデミーとリーダーズプログラムをはじめた理由」を寄稿をいただきました。

現在受講を検討されている方もそうでない方も、是非ご覧下さい。

ロボスタをご覧の皆さん、はじめまして。デジタルハリウッド ロボティクスアカデミーの川本大功(かわもとはるく)です。

1月11日から、ロボットスタート株式会社様と共同で「リーダーズプログラム」というサービスロボットの最前線を学べる教育プログラムを開始します。バナーでご覧いただいた方も多いかと思います。

「気にはなっているけど、ロボティクスアカデミーってどんなところなんだろう?」とよくお問い合わせをいただくので、今回はこの場をお借りしまして、デジタルハリウッドロボティクスアカデミーと、リーダーズプログラムのそれぞれの背景についてご紹介させていただきます。




デジタルハリウッドロボティクスアカデミー開学の背景

ロボスタをご覧の皆さんはご存知かと思いますが、現在、 産業用ロボットは、 全世界で1兆200億円の販売実績があり、その中でも日本は世界で最も多く産業用ロボットを販売し、かつ最も多く利用している国です。現在は製造分野が中心となっているロボット産業ですが、2035年にかけてサービス分野へと産業の主体がシフトしていくと予想されています。


リーダーズプログラムにもご登壇いただく羽田卓生氏の連載「【羽田卓生のロボットビジネス入門vol.4】いま、日本で沸騰するロボットブームの現状」にもあるように、日本国内で製作された新サービスロボット数は、2016年年末には109機種、前年比133%に達する見込みです。この数字から見ても、すでにロボット産業のサービス分野へのシフトは起こりつつあるものと私たちは考えています。


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サービス分野へとロボット産業の主体がシフトしていくと、これまで限られたところにしか存在しなかったロボットという存在が、今後は家やお店、オフィス、場合によっては路上へと進出していくことは容易に想像できます。ロボットという存在の捉え方も「産業を豊かにする道具」から「生活を豊かにするパートナー」へと変わっていくはずです。すでにその兆しは見え始めています。PepperRoBoHoNといったロボットは、まさに生活を彩るパートナーになりうる存在ですよね。


こうしたサービスロボットのビジネス開発において、いま日本は非常に優位な状態にあると私たちは考えています。というのも、欧米に比べ、日本はロボットを受け入れる文化的な背景をすでに生活者が持っているからです。

この優位な状況を活かして、世界を席巻する多様なロボットビジネスが日本から生まれてほしいと、私たちは本気で考えています。では、そのために教育分野からどんな貢献ができるでしょう。




デジタルハリウッドがロボット領域でやっていきたいこと

ロボティクスアカデミーの運営母体であるデジタルハリウッドは1994年の設立以来「実践的産学協同」を提唱し、デジタルコンテンツクリエイターやプロデュース人材の育成を行うべく、専門スクール大学大学院を運営している株式会社となります。「バカにされたい大学」というキャンペーンを行なっていたりと、ユニークな名前の大学として「デジタルハリウッド」を聞いたことがある方も多いかと思います。

デジタルハリウッドの専門スクールは、主に社会人・大学生・専門学校生等を対象としているのですが、社会人の方を中心に「キャリアチェンジ」で通われることが多い学校です。そこでサービス分野を中心にしたロボットビジネスが増えていく中で、どのようなプロフェッショナルが必要になるのかを考えました。
これまでのロボット産業は「ハードウェア」や「ソフトウェア」といった技術開発を中心として発展してきました。しかしロボットのサービス分野の発展が進んでいくと、人とロボットが幸せに共生していけるサービスや利活用コンテンツなど、ロボットを利活用する「活用機会」を企画・開発を進める人材が重要になっていきます。私たちは、こうしたロボットの活用機会をデザイン・実装することを、サービスロボティクスと呼んでいます。

そこでデジタルハリウッドでは、「ロボットと共生するもっと楽しい未来をつくろう!」をコンセプトに、実生活の中にロボットの活用機会をデザイン・実装できる人材の養成を行う『デジタルハリウッド ロボティクスアカデミー』を2015年11月開校いたしました。




ロボティクスアカデミーが大切にしている考え方

デジタルハリウッド ロボティクスアカデミーは、とても大切にしている考え方があります。それは「アクセルとブレーキ」というものです。

「アクセル」は、「人々がより幸せになるための実生活におけるロボットの利活用を企画し、実装し、自ら実践していくこと」です。やはりロボットに関することってやっていてとても楽しいものが多いです。携わっている方に多くお会いしましたが、皆さんとても楽しそうに活動されています。

一方で、プロフェッショナルとしては、楽しいだけでは不十分です。「ブレーキ」、つまり「ロボットと人が安全・安心に共生するための方法や責任を学び、自ら律すること」ができ、「アクセル」と「ブレーキ」のバランスが取れなければ、ロボットを利活用するプロフェッショナルとは呼べないと考えています。

ロボティクスアカデミーは、ロボットの実生活における利活用の促進(=アクセル)と、利用者の保護(=ブレーキ)のバランス感覚を持ったサービスロボティクスのプロフェッショナル育成に全力を注ぐことで、ロボット共生社会の実現を目指しています。

ロボティクスアカデミーの教育領域は、「ドローン」と「サービスロボティクス」の2つです。ドローン専攻では、ドローンに関する正しい知識と確かな操縦技術を有するプロフェッショナル人材の養成を行なっています。サービスロボティクス専攻は、今回の「リーダーズプログラム」をきっかけに、今後サービスロボットを利活用していくプロフェッショナル人材の養成と、サービスロボットに関する起業家や事業開発の担当者が集まるコミュニティの創出を目的に教育プログラムを提供して参ります。




リーダーズプログラムの目的

さて、ここで(とても大きな)告白しなければならないのですが、実は私はロボットの専門家ではありません。ロボティクスアカデミーを作るにあたって、ロボット法(ロボットにまつわる法学です。)の研究を始めましたが、技術者でもなければ、ロボットビジネスに携わったこともない、ロボットの普及にワクワクしている1人の生活者でしかありませんでした。

そんな私がロボティクスアカデミーの立ち上げを行い、いざサービスロボットの教育プログラムを企画するために、ロボットについて学ぼうとしたとき、大きな壁に突き当たりました。それはロボットに興味を持って、知ろうと思っても、そもそも技術畑じゃない人がロボットやロボット市場の現状について知ろうとすることは難しい、という壁です。

今でこそロボスタをはじめ、ロボットにまつわるニュースや知識を気軽に知ることができるようになっていますが、書店などで販売されている書籍やウェブ上の情報は専門的なものが多く、基本的には技術者の方向けの開発指南書(ハードウェアやソフトウェア)がほとんどです。ロボットに関する教育も、技術分野の専門的なもの以外は子供向けのものくらいしかなく、その他ワークショップやハッカソンしかありません。

ロボットの活用機会を作っていくプロフェッショナルは、みんながみんなロボットの専門家や技術者ではないはずです。デザイナーやクリエイター、ビジネスパーソンなど、様々な専門性を持ちながらも、ロボットに可能性を感じ、この領域に飛び込んでくるイノヴェイターだと考えています。

そうしたイノヴェイターにとっては、ロボットアプリの作り方といった専門的な情報以前に、ロボットを身近に感じ、ロボット産業の現状と未来の展望を知ることが重要ではないでしょうか?そして、そうした入門者向けの教育プログラムを提供することができれば、ロボットに可能性を感じているイノヴェイターが、ロボット産業に飛び込むきっかけを作ることができると、私たちは考えています。

さらに、「学校」というハブができ、共通の体験を経ることで、イノヴェイター同士のコミュニティが生まれます。新しい領域に挑戦しようとするとき、身近に相談できる人がいない、というのは大きなストレスです。そのストレスを軽減し、受講者のお一人お一人の活動を促すことができるのは、このコミュニティです。このコミュニティをロボティクスアカデミーで生み出したいと考えております。

このような目的を、ロボットスタート株式会社様と共有し、共同でサービスロボットの最前線を学べる教育プログラム「リーダーズプログラム」を開講する運びとなりました。




リーダーズプログラムで学べること

リーダーズプログラムは、ロボット市場に関心を持つビジネスパーソンを主に対象としております。現在のところ、20代〜50代の方まで幅広い年齢層の方からお申し込みをいただいております。日本のロボット市場の全体図を学びたい方であれば、どのような立場の方でもご受講いただけます。リーダーズプログラムを通じて、ロボット市場をリードする有識者の方々から、違った視点からご講演いただくことで、市場参入の下地を作ることを目的としています。

受講期間は3ヶ月間、全10回。水曜日19:30-21:00までとなっております。講師プロフィールと詳細のスケジュールにつきましては、ぜひリーダーズプログラムのウェブサイトをご覧ください。会場はJR御茶ノ水駅から徒歩3分のデジタルハリウッド大学駿河台キャンパスで実施いたします。

何かご不明点がございましたら、お問い合わせフォームよりご連絡いただければ事務局より回答させていただきます。

教室にて、皆さんのことをお待ちしております。

これまでご質問が多かったデジタルハリウッドロボティクスアカデミーと、リーダーズプログラムのそれぞれの背景についてご紹介させていただきました。
リーダーズプログラムのウェブサイトからお申込いただくことができます。受講開始が間も無くですが、まだお申込みいただくことができますので、教室にて皆様とお会いできること、楽しみにしております!

川本大功


ロボティクスアカデミー サービスロボティクス専攻 リーダーズプログラム(お申込みはこちらから)
http://www.dhw.co.jp/robotics/sr/
開講予定日 2017年1月11日 (水)
受講期間 3ヶ月、全10回
(1/11, 1/25, 2/1, 2/8, 2/15, 3/1, 3/8, 3/15, 3/22, 3/29)
 毎週水曜日19:30-21:00(1時間30分)
定員 60名
受講対象 サービスロボットに関心を持つ方で、日本のサービスロボット市場の現状把握をされたい方
講座目的 日本のロボット市場をリードする有識者から違う観点で講演をいただくことで、市場全体の青写真を描き、ロボット市場に参入する下地を作る。
講座内容 サービスロボット市場の全体像
サービスロボットの生態系
ロボットビジネスのお作法
ロボット共生社会のクリエイター像
受講料 6万円(税抜)





講師紹介
北構 武憲
ロボットスタート株式会社
取締役副社長
大学卒業後、広告代理店を経て1998年ヤフー株式会社に入社。その後、複数のインターネット企業を経て、2014年ロボットスタート創業時に副社長として参画。現在の本業はサービスロボットに関するコンサルティング。サービスロボットがどのように社会に浸透していくかに注目しており、サービスロボット関連のハッカソン・イベントにはほぼ全て現場に出向いて取材をしています。


中山 五輪男氏
ソフトバンクモバイル株式会社
首席エヴァンジェリスト
法政大学工学部電気電子工学科卒業。複数の外資系ITベンダーを経て2001年ソフトバンクに入社。現在はソフトバンク社およびソフトバンクロボティクス社の首席エヴァンジェリストとして各種スマートデバイス、各種クラウドサービス、パーソナルロボットPepper、IBMの認知型コンピューターシステムIBM Watsonの4分野について、年間約300回の全国各地での講演活動を通じてビジネスユーザーへの訴求活動を実践している。


景井 美帆氏
シャープ株式会社
IoT通信事業本部 コミュニケーションロボット事業部商品企画部 課長
2001年シャープ株式会社入社。入社以来、携帯電話の商品企画に携わり、2013年5月よりロボホンの商品企画を開始。現在は、ロボホンをはじめとしたコミュニケーションロボット事業の商品企画・事業企画に携わる。


青木 俊介氏
ユカイ工学 株式会社
CEO
2001年東京大学在学中に、チームラボ株式会社を設立、CTOに就任。その後、ピクシブ株式会社のCTOを務めたのち、ロボティクスベンチャー「ユカイ工学」を設立。ソーシャルロボット「ココナッチ」、脳波で動く猫耳「necomimi」、フィジカルコンピューティングキット「konashi」などIoTデバイスの製品化を多く手がける。2015年7月より、家族をつなぐコミュニケーションロボット「BOCCO」を発売、2015年度グッドデザイン賞を受賞。


瀬川 友史氏
トーマツベンチャーサポート株式会社
ロボット・ドローンインダストリーリーダー
東京大学大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻修了。2006年4月より2015年4月まで大手総合シンクタンクにて、ロボットをはじめとする先端技術の事業化・産業化をテーマに官公庁や民間企業のコンサルティングに従事。2015年5月よりトーマツベンチャーサポート株式会社に参画し、ロボット・ドローンインダストリーリーダーに就任。ロボットをはじめとする日本発の新ビジネス・新産業創出支援に従事。日本ロボット工業会システムエンジニアリング部会特別委員。日本ロボット学会産学連携委員会委員。一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)参与。


羽田 卓生氏
アスラテック株式会社
1998年にソフトバンク入社後、IT系専門誌の編集の後、ボーダフォン買収に伴い、通信部門に異動。サービス・コンテンツ開発、端末開発を担当。2013年のアスラテックの立ち上げ時より同社に参画。現在、事業開発部門の責任者を務める。任意団体ロボットパイオニアフォーラムジャパン代表幹事。


すまのべ!
株式会社アイ・エム・ジェイ
企業のデジタルマーケティング活動をサポートする株式会社アイ・エム・ジェイの中で、「アイデアとテクノロジーで世の中に!を。」をコンセプトに、R&D(研究開発)活動をしている2人組ユニット「すまのべ!」。 すこし先の未来に“使えそうな”テクノロジーをキャッチし、デジタルマーケティング領域での活用アイデアを研究しています。


長井健一
1→10Robotics 代表取締役
人とロボットとがやさしさでつながりあう未来を、切り拓く。そのビジョンのもと、エクスペリエンスディレクターとして、ロボット体験開発へ挑戦を続けている。Pepperの体験開発においては4年以上に渡って参画。アイデア、技術、ビジュアル、演出、などなど、さまざまな視点から体験を創っている。


谷口直嗣
Holoeyes株式会社代表取締役
ゲーム、インタラクティブコンテンツの企画開発を経てロボットアプリ開発を始める。Pepperにプリインストールされているアプリやロボットアームと人間が協調して作品を作るデモなどを開発。

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ロボスタ編集部
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