【速報】自然対話可能な「鉄腕アトム」の家庭用ロボットがパートワークで今年4月に発売! 全70号で完成は2018年9月、総額は?

株式会社講談社と株式会社手塚プロダクション、株式会社NTTドコモ、富士ソフト株式会社、VAIO株式会社の5社は、来るべきAI時代に対応するため、日本の科学技術の象徴であり、長く人々から愛され夢を与え続けてきた日本を代表するロボット・キャラクター「鉄腕アトム」を目指し、「ATOMプロジェクト」を開始する。

プロジェクト第一弾となる「コミュニケーション・ロボット 鉄腕アトムを作ろう!」では、手塚プロダクションの監修のもと、鉄腕アトムをもとにモデリングを行ったロボット=ATOMをユーザーが組み上げるパートワークを今年4月4日より発売する。


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「コミュニケーション・ロボット 鉄腕アトムを作ろう!」の完成イメージ

ロボティクス及び、ロボットに搭載するOSとAIを富士ソフトが設計開発。富士ソフトは、介護施設向けのコミュニケーションロボット「PALRO」や、それを家庭向けに再設計した「Palmi」などのロボットを過去に開発してきた実績をもつ。ハードウェアの信頼性でも、これまでにない高いレベルを目指すという。

ユーザーがATOMに話しかけると、富士ソフトが開発するAIによって、顔認識による家族の認識の処理が行われ、親和性の高いコミュニケーションに移行する。顔認識は12人までを認識し、リアルタイムで人の表情に反応する。

ATOM本体がわからない言葉だと分析した場合には、音声認識でテキスト化された後、クラウドへ移行。累計17億件以上の情報処理を行ってきたNTTドコモの「しゃべってコンシェル」の基盤技術を生かした「自然対話プラットフォーム」での対応を行う。ATOMとコミュニケーションを取るに連れて「成長する会話力」の実現を目指している。

ATOM本体で使用している電気系統のメインボードなどの基盤実装(製造)や、「ATOM 組み立て代行サービス」をVAIO株式会社が担当。

会話の元になるシナリオモデルの作成、出版コンテンツの開発、全体の企画、プロデュース、販売は講談社が担当している。


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創刊号の外装

パートワークの創刊号は4月4日に発売し、完成・誕生は2018年9月になる。




ATOMの外観は手塚プロダクション監修、声優は津村まことさん

「ATOM」コンセプトムービー。アニメ第1作目の最終回「地球最大の冒険」の映像からスタート、アトムが地球を救うために、ロケットと共に太陽に突入するシーンからはじまった、 © TEZUKA PRO / KODANSHA

今回のパートワークは、「手塚治虫生誕90周年記念企画」として発売される。鉄腕アトムの生みの親である手塚治虫氏のキャラクターデザインを再現するため、ATOMのモデリングには手塚プロダクションが全面協力しており、「鉄腕アトム」のDNAが「ATOM」のモデリングに生きているという。微妙な三次元曲面を再現するため、手作りの粘土で作った造形からCADデータを起こし、可愛らしい表情を生み出している。ATOMの声は、2003年からアニメ「鉄腕アトム」の声を担当している声優の津村まことさんだ。

今回パートワークで製作されるATOMは、空を飛んだり、お尻からマシンガンを出したりすることはできない。その分「人懐こさ」に注力されており、会話や動きで人とコミュニケーションをとることが得意だという。

妹のウランや兄弟のコバルト、天馬博士やお茶の水博士をはじめ、世界中のロボットやAIのことを知っているようだ。



ATOMの仕様

「ATOMプロジェクト」映像 © TEZUKA PRO / KODANSHA

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ATOMのサイズは身長約44cm、重さは約1.4kg。外装の材質にはABS樹脂(プラスチック)が使用されている。可動部位は、頭部2軸、腕部6軸、脚部10軸の合計18軸。92万画素のカメラが1つ、マイクが1つ、スピーカーが1つ、LEDが2つ、静電式のタッチセンサーと加速度センサー・ジャイロセンサーを組み合わせた「6軸センサー」が搭載されている。また、胸にはタッチパネル付きの2.4インチの液晶ディスプレイが搭載されている。このディスプレイでは、アニメ「鉄腕アトム」の傑作選やYouTubeの動画を視聴することができる。

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おしりの部分にはマシンガン・・・は搭載されておらず、代わりにスイッチのようなものが見える。

Wi-FiとBluetoothに対応しており、背中にはUSB-Aのポートがある。

富士ソフトのコミュニケーションロボット「PALRO」で培われた技術がATOMにも生かされている。身長40cmのPALROに比べて、頭が大きい分ATOMの方が4cmほど背が高い。しかし、可動部位はPALROと比較し5軸少なくなっており、体も鉄腕アトムに近いスマートな体型になっているため、その分400gほどATOMの方が軽く、持ち運びやすくなっている。

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PALROの特徴であるしゃがみ姿勢や、背面のバックプロテクターは、そのまま踏襲されている。取っ手にも見えるバックプロテクターが赤色なのが可愛い。

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特筆すべきなのは、手の形状。レーザーブラストやフィンガービーム・・・は搭載されていないのだが、親指部分が柔らかいゴムのような素材でできている。メモや葉書くらいなら、持てそうなのが嬉しい。「家族あての伝言と一緒にメモをあずかっておいてもらえる」といった使い方ができそうだ。


「週刊 鉄腕アトムを作ろう!」の魅力とは?

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このパートワークは、本格的コミックキャラクター型コミュニケーションロボット「ATOM」を作ろうというプロジェクトだ。”パートワーク”で”ロボット”と言えば、すぐに思いつくのはデアゴスティーニの「ロビ」だろう。

ロビは、累計販売台数14万台以上のコミュニケーションロボットで、日本国内だけでなく、シンガポールやイタリアなど世界中で販売されている。金額にして200億円以上を売り上げており、デアゴスティーニのパートワーク史上最も売れた製品だ。

ロビは、売り上げに比例して、そのキャラクター性が認知されている段階だろう。しかし、今回の講談社のパートワークは、元々ファンが多い「鉄腕アトム」をベースにしている。1963年から66年まで放映されたアニメは、平均視聴率が30%を超える人気を博し、漫画の累計発行部数は1億冊を誇る。アトム世代にとっては、待ちに待ったロボットとなることは間違いなく、このパートワークもどこまで発行部数を伸ばしていけるかが注目だ。


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創刊号には青色の専用ビスケースが付属している

パートワークのマガジンでは、最先端ロボットの紹介記事や、手塚治虫氏の未発表原画などが掲載されるとのことで、冊子の方でもアトムファンが喜ぶ仕掛けが用意されているようだ。

定期購読は本日より予約が開始され、定期購読の購入特典として、ATOMのボイスクロックや、充電用ATOM専用チェアなどが用意されている。




「週刊 鉄腕アトムを作ろう」の総額は?

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4月4日に830円(税別)で創刊号が発売され、毎週発売されるパートワークは、全70号。最終の70号は2018年9月11日(火)に発売される。

通常号は1,843円だが、サーボモーターやセンサー、ヘッドボードや「Raspberry Pi3」等が付属する高価格号が2,306円から9,250円(税別)のため、全70号の総額では184,474円(税別)となる。

パートワークは、ドライバー1本で組み立てられるため、子供や女性でも組み立てが可能なものとなっているが、VAIOによる組み立て代行版も用意されている。これは、限定1,000体で、価格は212,900円(税別)。こちらも本日から予約が開始されているため、毎週組み立てる自信がない方は、こちらを申し込むのも良いだろう。発送は、2018年9月から順次行われる。


最後に、「鉄腕アトム」第一話冒頭のアニメ映像を紹介する。交通事故にあった天馬博士の息子に似せて作られたロボット「アトム」が起動する場面が収録されている。映像には出てこないが、「アトム今昔物語」では、未来からやってきたアトムの破壊と同時に現在のアトムが誕生するタイム・パラドックスの問題が描かれていた。

「鉄腕アトム」アニメ映像_80年版 © TEZUKA PRO / KODANSHA
「鉄腕アトム」アニメ映像_63年版 © TEZUKA PRO / KODANSHA

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今回のプロジェクトでは、鉄腕アトムを作るのではなく、「My First ATOM」を作ろうというコンセプトが打ち出されている。ロボットの名称もアトムではなく「ATOM」という呼称が使われている。従来の漫画やアニメに出てきたアトムを生み出すための「最初のアトム」を作るということなのか、本書でATOMを作り上げた読者の中から将来「鉄腕アトム」を生み出す人が生まれるということなのか。

アニメや漫画で世界中のロボット研究者にも大きな影響を与えてきた鉄腕アトムが、「ATOM」となり各家庭で実体として生まれていくという出来事は、今の子供達に時代を超えてまた新たな影響を与えていくことだろう。

公式サイト
http://atom2020.jp/

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ロボットスタート株式会社

ロボットスタートはネット広告・ネットメディアに知見のあるメンバーが、AI・ロボティクス技術を活用して新しいサービスを生み出すために創業した会社です。 2014年の創業以来、コミュニケーションロボット・スマートスピーカー・AI音声アシスタント領域など一貫して音声領域を中心に事業を進めてきました。 わたしたちの得意分野を生かして、いままでに市場に存在していないサービスを自社開発し、世の中を良い方向に変えていきたいと考えています。

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