作品発表
Akerunとco-ba shibuyaを題材に7時間にわたって開発した今回のイベント。
最後にフォトシンス、tsukurubaの代表取締役を審査員にむかえてのプレゼンテーションを行った。
賞品と審査員各位のコメントを紹介しよう。
賞品
Akerun賞 : Akerun 1個
co-ba賞 : co-ba shibuyaフリーアドレス席 チーム全員分 6カ月分
審査員
河瀬 航大氏:株式会社フォトシンス / 代表取締役
ハッキングタイムのあいだ、会場中からAkerunの名前が聞けてとてもうれしかった。
次につながるアイデアが見つけられればとおもっている。
中村 真広氏:株式会社tsukuruba / 代表取締役CCO(Chief Creative Officer)
全国主要都市にMegaサイズのco-baをつくる「MEGA co-ba」プロジェクトを進行中なので、そこで使えるようなアイデアを見つけられればと期待している。
中村 圭佐氏 : 株式会社tsukuruba / チーフエンジニア
呉高専からの参加者を含め、co-baのコミュニティからの参加者と技術を通じてつながることができてうれしい。
では、今回のイベントで開発された作品を紹介してみよう
人間パターンロック
周囲で作業している人たちとの交流するきっかけにするアイデア。
まず、co-baに在籍している人たちに好きな食べ物や趣味などを登録してもらい、プロフィールデータベースを作成する。
入室の際には登録したカードなどで普通に入れるが、退室時には、co-baに在室している人のプロフィールサーバーから生成された課題をとかないと退室できないというもの。
課題を解くには周囲に声掛けし、課題に沿ったプロフィールを持つ在室者のカードをかざしてもらう必要がある。
部屋キメルン!
不動産業者の悩みを解決するためのアイデア。
Akerunを使うことによって内見時にカギの貸し出しや随伴をするコストを減らすことができるというもの。
仲介手数料を減らしたい、というユーザーメリットにもかなうのではないかという意見もあった。
co-ba BUBBLE
前述のパターンロックに似ているが、こちらは登録されたプロフィールと顔写真から、パズルゲームのピースを作成し、クリアしないと開錠されない、というアイデア。
プレイするうちに全国のco-ba入居者と顔見知りになることができる。
地方のco-baの入居者とつながる手段や機会は意外と少ないので、一体感を醸成するアプローチとして有用なのではないかという意見があった。
つながるツイッチ
・シェアオフィスに来る際にどの程度混雑しているか状況がわからない。
・まわりの人たちに声掛けをしにくい。
という声から開発されたco-ba専用の気軽につぶやけるコミュニケーションツール。
場所や時間を制限することで、リアルな行動を誘発するようなSNSという発想は面白いという感想が出ていた。
CO-BA LAB.
Akerunを設置したロッカーに「開発中のガジェット」や、「お菓子」などを置いてもらい、それらのモノを媒介にしてコミュニケーションを活性化するアイデア。
町中に普通にあっても面白いのではないか、という意見が出ていた。
Ake don
シェアオフィス内に在室している人のプロフィールがすぐにわかるサービス「Ake don」。
来場時、開錠する際に顔写真を撮影し、プロフィール登録をしたデータベースにその日の顔写真や座席位置を更新する。
なお、来場時に撮影した顔写真を利用して、退室時は顔認証で開錠をするという機能を実装していた。
表彰
Akerun賞
誰がおんねん
co-ba賞
co-ba BUBBLE
優勝
つながるツイッチ
まとめ
スマートロックの普及が進む中、明確にB2B向けに舵を切ったフォトシンスのAkerun。
使用者層と重なるスタートアップ企業家、シェアオフィス利用者のコミュニティでハッカソンを開催しただけあり、非常にリアルなアイデアが多く出ていた。
とくに印象の強かった「つながるツイッチ」は参加者や空間が限定された中で運用することで、初期のtwitterのような「つながり」を強く感じることができそうなアイデアだ。
時代を超えてユーザーが求めているSNS上でのコミュニケーションが、リアルな空間を制御するスマートロックで実現できるのではないか、という提案が非常に魅力的だった。
朝9:00から20:30の懇親会終了まで、密度が濃く、長時間のイベントだったが、非常に手厚い運営だった。
自社プロダクトやAPIの普及目的で行われるハッカソンは珍しくないが、CEO、CTOがメンタリングに来場する、というのはさすがに聞いたことがない。
今後、IoT機器のAPI利用が広がるには、こういったハッカソンを通じて、様々なサービスを連携させるアイデアを考えることが当たり前になる必要があるだろう。
その中で、このような手厚いサポートは高額な賞品以上にファンを増やす手段として有効だと強く感じた。
それ以上に「さすがにこれはやりすぎだろう」とも感じたけれども。