トヨタ、下肢麻痺のリハビリテーション支援ロボットのレンタルを今秋開始、受注開始は5月

トヨタ自動車は、脳卒中などによる下肢麻痺のリハビリテーション支援を目的としたロボット「ウェルウォーク WW-1000」のレンタルを2017年秋より開始する。

「ウェルウォーク WW-1000」は患者に合わせた難易度の調整や歩行状態のフィードバック機能など、運動学習理論に基づいた様々なリハビリテーション支援機能を備えている。また、簡単装着、タッチパネルによる一括操作などシンプルな構造と機能によって、臨床現場での使いやすさを実現した。


■リハビリテーション支援ロボットの印象(岡山リハビリテーション病院)※実証モデル

トヨタは、1980年代に自動車生産用に導入を始めた産業用ロボットの技術や自動車の開発技術を応用して、「パートナーロボット」の開発を進めている。

これは、特に日本において重要な課題である少子高齢化問題に対応するため、高齢者がより自立した生活を送り、介護する側の負担も低減できるよう、「シニアライフの支援」、「医療の支援」、「自立した生活の支援」、「介護の支援」を主な4領域とした開発だ。

医療の支援では、2007年末から藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)と共同でリハビリテーション支援ロボットの開発を進め、2011年より医療現場での実証実験を行ってきた。

2014年からは臨床的研究を目的として歩行練習アシストロボットを全国23の医療機関(2017年3月末時点)に導入。これまでの研究を通じて得た意見などを踏まえ、下肢の機能回復への寄与が期待できると判断した同社は、2016年11月に医療機器の承認を取得。

今回、医療機関向けに100台を目標に同ロボットを「ウェルウォーク WW-1000」としてレンタルを行うこととなった。



現場での使いやすさを追求

患者に合わせたアシスト量の調整機能により、初期から自然な歩行と十分な練習量を確保することができ、療法士の負担が低減できる。また、歩行状態をリアルタイムで確認でき、さらに客観的な定量データの記録も可能にする、モニターや音声など多彩なフィードバック機能がある。さらに、簡単装着、タッチパネルによる一括操作等のシンプルな構造と機能を有しており、現場での使いやすさを追求している。



左:ロボット脚本体 右:本体

▽商品概要

全体構成 本体:トレッドミルやモニターを含むシステム全体を構成
ロボット脚本体:麻痺側の脚に装着し、膝の曲げ・伸ばし動作を補助
外形寸法 幅1,200mm、奥行き2,710mm、高さ2,380mm
重量 約800kg(本体)、約6kg(脚部)
価格 初期費用100万円 月額35万円(メーカー希望)
展開予定 2017年 5月:受注開始
2017年 6月:第54回 日本リハビリテーション医学会 学術集会 に出展
2017年 9月:デリバリー開始 (予定)

同社は今後、更なるロボット機能の向上と医療介護分野へのファミリー製品拡充、医療施設でロボットを使用しやすい環境の整備を行うと同時に、海外展開も検討しているとのことだ。

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ロボスタ編集部

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