孫正義氏「超知性を持つロボットの誕生」ARM、衛星通信、癌発見 ソフトバンクグループ株主総会

ソフトバンクは営業利益で1兆円を突破する企業となった。NTT、トヨタに次ぐ3番目となる。

売上高8.9兆円で前年比0.2%増、営業利益は1.0兆円で13%増となった。






ARM

ARMについても触れた。
スマートフォンやタブレット、ウェアラブル端末等、各カテゴリー別のARMチップのマーケットシェアを示した。そのグラフによれば、およそスマートフォンで95%、タブレットで90%、ウェアラブルで90%、HDDなどのストレージで90%、車載情報機器で95%等。



ARMベースのチップ出荷数では2016年単年で177億個にのぼる。



今後4年間で1,000億から2,000億個(2021年)に上昇すると予想している。






人工知能とロボット

ソフトバンクグループの代表取締役の孫正義氏は講演でシンギュラリティについて改めて触れるとともに、人工知能が自ら学習して成長していく未来を語った。そのカギとなるのがビッグデータであり、データを生み出すのはチップ、チップが超知性を生み出す重要性を解いた。世界中の99%のスマートフォンのチップはARM製であり、70億人の人口に対してARMは177億個のチップを出荷しているため、世界人口のひとりあたり2.5個、使用していることに相当するとした。



これらのデータは地球上のありとあらゆるものに繋がり、どこに居ても使えるようにならなければならない、それを実現するのが「OneWeb」だと説明した。「OneWeb」は低軌道の人工衛星による通信システムを実現する会社だ。



スマートフォンに入っている時点ではデータは数字にすぎないが、それがロボットに入るとどうなるか。ビッグデータによって動くロボットが超知性を持ち、正しく動作することになったとき、新たな可能性が生まれる・・という。



既にコミュニケーションロボット「Pepper」が知られるところとなっているが、更に、ロボットの最先端技術を持った会社として買収したボストンダイナミクス社についてを紹介した。

YouTube等で公開されているアトラス等のボストンダイナミクスのロボットが動作する動画が流され、その先進性を株主に披露した。



ただし、ボストンダイナミクスに関しての説明はこれだけにとどまった。また、シャフトについては触れなかった。


さらにチップと人工知能を使い、医療についての課題にもチャレンジすることを述べた。

若い米ベンチャー企業「GUARDANT」をグループに加えたことを紹介した。



従来の癌検診は細胞をとって検査するため痛みを伴い、高額、危険も伴っていた。しかし、GUARDANTのシステムは血液検査だけで早期に発見できるという。採血をし、DNAを検査し、人工知能(ディープラーニング)を使って、従来の1000倍、99.9999%の確率で癌を発見するという。





7月下旬に開催される「ソフトバンクワールド2017」が開催され、孫正義氏は基調講演に登壇する。そこで何を語るのか、どんな未来を示すのか、期待したい。

ABOUT THE AUTHOR / 

ロボスタ編集部

ロボスタ編集部では、ロボット業界の最新ニュースや最新レポートなどをお届けします。是非ご注目ください。

PR

連載・コラム