スマートスピーカーを「買う前に知っておきたい」3つのポイント
Google HomeとGoogle Home Miniが国内販売されてから、テレビのコマーシャルや街中での広告など目にすることが増えてきた。年末から年始の買い物シーズンに向けた広告というよりも、「Amazon Echo」が日本で発売される前にシェアを獲得していきたいという意向なのではないかとも思う。
一方LINEも芸能人3人を起用したテレビCMをスタートしている。
結果として現在、国内の「スマートスピーカー」の認知度が高まってきていると言えるだろう。
今回はそんな中、「Google Home」「Google Home Mini」のテレビCMを、初心者向けの解説を加えつつご紹介したい。
Google HomeのテレビCMの注意点
現在テレビでよく目にするこちらのCM。
Google Home:毎日がちょっと変わる 篇
短い時間に「Google Home」でできることを伝えており、このCMを見ていたら「Google Home」がつい欲しくなってしまう人は多いだろう。
ただし、以下の3つのポイントをよく考えてから購入した方が良い。以下のポイントをクリアーできているのであれば、最高のスマートスピーカーライフが楽しめるはずだ。
ポイント1:音楽ストリーミングサービスに加入してる?
CMの中に、「ワークアウトの曲をかけて」とグーグルホームに伝えると、音楽が流れ出すシーンがある。
ここで、画面右下に表示される注意書きに注目してほしい。
音楽を聴くためには、Google Play MusicやSpotifyなどの音楽ストリーミングサービスの登録が必要なのである。例えば、家族でGoogle Play Musicを楽しむためには、月額1,480円がかかる。Spotifyの場合も音楽を広告なし、オンデマンドで本格的に楽しむためには月額980円のプレミアムプランが必要になる。
もちろん、これはGoogle Homeに限らず、Apple HomePodなら「Apple Music」、Line WAVEなら「LINE Music」、Amazon Echoなら「Amazon Prime Music」または「Amazon Music Unlimited」など有料サービスへの加入が必要となる。
つまり、まだ音楽ストリーミングサービスに登録していない人は、およそ1,000円程度の月額料金を支払わないと、CMのように音楽をフルで楽しむことはできないということだ。
さらに付け加えるなら、既にスマートフォンやPCで音楽ストリーミングサービスを使っている人は、そのサービスが使えるスマートスピーカーを選んだほうが無難でもある。スピーカーのために音楽サービスを切り替えてもいいと思うなら別かもしれないが…。
ポイント2:スマートホーム向けIoTデバイス持ってる?
「OK Google、電気をつけて」というシーン。
ハンズフリーで子供を抱きながらでも照明がつけられる。これも「Google Home」を魅力的に感じるシーンだろう。しかし、Google Homeを買ってきても、普通はこうはならない。
画面右下に表示されている注意書きには「対応製品が必要」と書かれている。Google Homeの日本語公式ページにいくと、スマートホーム向けのパートナーとしてPhilipsのLED照明「Hue」が紹介されている。
仮に家中のライトがすでに「Philips Hue」であればこのCMのような素敵なスマートホームになるが、「Philips Hue」を家の中すべてに導入しようと思えば、数万円〜数十万円のコストが必要になる。もちろん、これからIoTの対応製品は増えていくし、家中のものがネットに繋がることで便利になることも多い。スマートホーム機能を十分に活用しようと思えば、IoT製品への投資もしていく必要があるだろう。
ポイント3:映像ストリーミングデバイス持ってる?
続いて「Google Home」に話しかけるとYouTubeの映像を自宅のテレビで見ることができるというシーン。これもとても便利な機能だ。
しかし、この機能を実現するためには「Google Home」以外に、「Chromecast」もしくは「Chromecast Built-in製品」が必要なのである。
Chromecastは4,980円、4K対応のChromecast Ultraは9,000円。このいずれか、もしくはChromecast built-in搭載テレビなどを用意する必要がある。
これは他社のスマートスピーカーでも同じだ。動画コンテンツを自宅のテレビで表示させるためには、Amazon Echoの場合には「Amazon Fire TV」が、Apple HomePodの場合には「Apple TV」が別途必要になる。なお、Amazon Echo Show、Amazon Echo Spotなどディスプレイを搭載したスマートスピーカーの場合は、動画コンテンツを本体だけで楽しむことができる。
Google HomeのテレビCM他作品まとめ
最後に現在公開中の日本語Google HomeのCMを一挙ご紹介する。
どれも使用例として非常に秀逸なので、買ってから何を話しかけていいか迷ってしまう人は是非見ておくと良い。コマンド例も列記しているが、これらはいずれも「OK Google」の後に質問する必要があるということはお忘れなく。
Google Home:使い方 いろいろ聞こう 篇
クジラの鳴き声は?
今日の豆知識を教えて
早口言葉教えて
面白いこと言って
今日の運勢は?
バイオリンの音は?
Google Home:使い方 ミュージック 篇
ホームパーティープレイリストをかけて
ワークアウトプレイリストをかけて
音楽のボリュームを上げて
最新のニュース教えて
この曲のタイトルは?
この曲をお気に入りに追加して
子守唄を流して
Google Home:使い方 タスク 篇
タイマーを10分に設定して
タイマーの残り時間は?
アラームを毎朝7時にセットして
10分スヌーズして
明日の最初の予定は何時から?
今日はどんな日?
Google Home:使い方 エンターテイメント 篇
テレビでNetflixのフラーハウスを再生して
字幕をオンにして
音量を7に上げて
TVで可愛いウサギの動画をみせて
動画を一時停止
京都旅行の写真を見せて
TVでパエリアの作り方の動画をながして
30秒早送りして
Google Home:使い方 調べもの 篇
今日の天気は?
明日の天気は?
こんにちはをスペイン語で
日経平均株価は?
月までの距離は?
職場から一番近い花屋さんはどこ?
25✕83は?
富士山の高さは?
チーターはどのぐらい速い?
以上が、現在公開されている「Google Home」のコマーシャル動画である。高い音声認識の精度、流暢な日本語での音声合成、早いレスポンス、そして裏側で走るグーグルの検索エンジン。調べ物をすることに関しては現時点で最高のスマートスピーカーと言えるだろう。
僕はこう思った:
スマートスピーカー生活のコストを計算してみると、本体で5,000〜15,000円、音楽ストリーミングサービスで月額1,000円、スマートホームIoTデバイスで数万円、映像ストリーミングデバイスで5,000〜10,000円かかります。
これらをすべて整えようと思えばそれなりにコストはかかりますが、IoTデバイスや映像が不要ということであれば、格段に導入費用は安くなります。
まずは「Google Home Mini」などの安価なデバイスを購入してみるというのも良いかもしれませんね。
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中橋 義博1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。