施工現場にApple Watch400台を導入!視線を落とすだけで通知を確認、音声で返信も。高砂熱学工業が生産性向上と働き方改革で

高砂熱学工業株式会社は、2017年11月下旬より、Apple Watch (Series 3)を400台順次現場に導入することを決定した。導入台数は、国内企業の導入事例として最多とのこと。

同社の作業員は「手がふさがっていることも多く、素早くスマートフォンの操作や応答がしづらい」「大事な連絡を逃すことも多い」等の現場からの意見を考慮し、業界初の試みとして作業中でも視線の変更だけで通知を確認できるApple Watchを導入することにした。

活用イメージ

当面は、スケジュール通知、メッセージ通知、メール確認、業務依頼のリマインダー登録、天気確認など、Apple Watchがもつ基本機能を活用し、情報共有の質とスピードの向上や作業の効率化等について検証を重ねていく。

また、モデルとなる特定現場では、同社だけでなく、協力会社までを含めた、社内外の関係者に貸与し、より広範な検証を実施する予定とのことだ。

高砂熱学工業株式会社は空調を軸とした総合的なシステムエンジニアリングを提供する企業。今年度の重点取組事項のひとつとして「ワークライフバランスを実現する職場環境の構築」を掲げ、「働き方改革委員会」をスタートし、9月には社長直轄の「働き方改革推進室」を設置。長時間労働の是正が課題となっている昨今の状況等を踏まえ、施工現場での生産性向上、業務効率化、安全管理の強化とともに、従業員の健康増進を目的とする健康経営も視野に入れた「働き方改革」に取り組むとしている。


Apple Watch の使用例

手首に電話やメッセージ、リマインダーなどの通知が届くため、手がふさがっている状態でも大切な連絡を逃しにくい。また、アクティビティ アプリケーションで消費カロリーなどの活動量を記録し、健康管理もでき、基本的な機能が標準搭載されている。

活用イメージ
(1) 手首での振動で知らせるため、電話の取り逃し回避やクイックレスポンスが可能
(2) Siriを立ち上げれば話しかけるだけで電話やメッセージの送信が可能
(3) 通知メールや資料閲覧による報告・連絡のクイックレスポンスが可能
(4) 天気アプリを活用して、風散飛散の防止準備や熱中症への注意喚起等、素早い対応が可能




今後の展開

2018年1月末にはApple Watchの有効性についてのアンケートを実施し、効果を検証するとともに、Apple Watchの新しい活用方法(デジタル管理による熱中症対策、安全品質の注意喚起、一人KY(危険予告)実施の徹底、安全作業手順書のデジタル化、作業員の入退場管理等)についてのアイデアを募り、生産性向上に結びつけていく計画だ。

また、健康経営の取り組みとして、チームでゲームを楽しむようにコミュニケーションをとりながら運動意識を競争させる仕様となっている、健康経営アプリケーション「CiRQLE」を国内初導入し、トライアルを実施。この活用により、経産省の推奨するプレゼンティーズム(出勤はしているが健康上の問題で労働に支障をきたし最善の業務ができなくなる状態)の改善も目指していく。

なお、「CiRQLE」導入にあたっては、パイロット版を利用した社員の中でかなりの反響を呼んでおり、健康経営のための期待のアプリとして注目を寄せているとのことだ。


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ロボスタ編集部

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